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5章 今日も周囲も人間関係もゴタゴタしていますが、国内の紛争やら暗殺やらで物騒な最中、恋人が出来て戸惑いつつも鑑賞致します。

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「くっそー!あの野郎!」

「は~いはいはいっと。ニキ、今此処で文句言っていても良いから、頼むからその場から動かないでね~」

 テキパキと治療を施していく僕の手元。
 我ながら『慣れたもの』だと思う。
 実地経験が熟練されたプロには残念ながら遠く及ばないけど、幼い時から仕込まれた為に14歳と言う年齢にしては手際が良いと自負しているし、それでも良いよね?と、勝手に思っている。
 包帯を巻く腕も中々だと思うよ?

 昔ならこうやっていると…今よりもっと、馬鹿みたいに自惚れて居たのだけどさ。


 上には上がいる。
 今ならこの言葉がよくわかる。
 僕は『魔法大臣の息子』という事で、幼少時から魔法に関することを叩き込まれた。
 だけどどうもこの、軟弱な…人によってはお人好しな性格って言われるけど、そのせいなのか、前に出て接近して戦うことを極端に苦手としている。
 幼い時より平民よりは貴族として、市民を守る者としての嗜みとして戦闘訓練は確かに受けては居たけど、より体力のあるニキのような騎士志望の人達のように積極的にはしていなかった。
 持って生まれた受け身な性格をしているため、途中で僕に付けられた家庭教師が補助的なモノを伸ばしてくれる様、ソチラ側を徹底的に仕込まれ強化してくれる様になったせいもあるのかも知れない。
 勿論『家』の方針もあるのだろうけど、僕自身の資質もソチラ方面に特化しやすかったと言うのもある。

 ソチラ方面というのは、『治療』のことだ。

 治療の道に特化してしまうという事は、この世界では戦闘能力はどうしても本職、騎士とか戦士とかの職業の人よりは遥かに劣ってしまう。
 一般人よりはあるけどね~。
 これは僕の体感としてのみだけど、どんなに努力を積んでも一歩出遅れてしまう。
 騎士を目指すと資本である体格は良くなり、反射神経等もずば抜けるような気がする。
 体幹だってしっかりするしね。
 個人差はあるけど、僕のような治療方面に進むと残念ながら身体的にもやや小柄に成長してしまう。

 父も祖母もそんなに大柄な人では無かったから、元々小柄になる一族なのかも知れないけど、そこは出来たら突っ込まないで居て欲しいなぁ。
 僕はまだま~だ~子供で、これから期待大!な筈の成長期なのだからね?
 これからもっと伸びるはず~。予定。

 今はニキより一寸だけ、ちょ~とだけ小さいけどさ。数センチだからすぐ追い付くさ!そして何時か!ニキの旋毛を上から見てやるのだから~って、子供っぽいか、あははは。

 それはそれで身長とかは大事だけど、今は別として。
 劣った分補助や治療としての道が出来るのではと言うのが学者達の説だが、僕は文武両道という両方を極めてみたかった。
 僕には残念ながら無理だったけれど。
 昔騎士だった人にどれ位の訓練を受けているのか聞いて実践してみようと努力したけれど、どうしても出来なかったのだよね~。
 いや~だってさ、10歳にも満たないお子様だった僕には腕立て200回とか無理。その当時父や家庭教師に突き付けられた課題に翻弄されていて、頭の中に詰め込んだ治療の知識や薬剤の知識等を覚えるのが優先で、毎日机に向かって知識を蓄え、その後に貴族としての立ち振舞にテーブルマナー、更にはレスカの側近としての知識に護身術やら、勿論剣術に魔法等の授業を詰め込んで等としていたらあっという間に日が沈んでしまう。
 それでもやれる限りは騎士に言われた腕立て伏せをしていたのだけど、数年後に会ったニキ曰く、

「ああ、腕立て200回な?5セットとかきっついよなぁ~」

 と言われて固まった。
 いや、5セットって何?5回も繰り返すの~?え、本気?良い間違えでは無いの~?
 僕1セットさえも出来ていないけど~っ!?

 その衝撃の出来事の後、『接近戦闘』には性格とかが見事に合わなかったのだから、今は諦めている。血を見るとどうしても『どうやったら治療できるのか』と考えてしまって、気が削がれてしまうのだよねぇ~。
 困っちゃうよ~これって無意識だからさぁ。
 僕って戦士向けの思考をしていないって証なのだろうけど。
 身体は鍛えて居るよ?咄嗟に動けなかったら幾ら魔法大臣の息子だからとて、レスカ達の側にいれないからね。
 優秀でないと彼等の側に付くことは許されて居ないのだから。

 それはそうと、以前ニキが言っていた事を思い出す。

「接近戦闘は血に濡れるから、治療師には感が鈍るし動きが若干鈍るだろう」

 とのこと。

 どういう意味?と問うたら、

「考えてみろよ?迫りくる敵を斬り付けながら、「敵の内蔵のどの辺が斬り付けられた」「血の処置と傷跡の適切な処置方法」って他の治療師達ってみーんな、全員が全員変に気にするからさ。自分に刃を向ける敵と対峙したらそんなコト一々気にしていられないってーのにさぁ。集中が途切れて気が削がれていたら戦場ではコッチの身が危ないと言うのにさ」

 確かにそうなだよねぇ~。
 戦場では気が削がれたモノが危険な目に合うし。
 そんな緊迫した状況の最中、あ、言っとくけど普通は気が削がれたりしないよ?敵に木っ端微塵にプライドをへし折られたら別だろうけど。
 例えばレナちゃんのお兄さんである、ジーニアス様が敵にな……うん、僕想像しただけで脱兎の如く戦場から退避出来る自信があるよっ!逃げ切れるかどうかは別としてね!
 アノ人反則だと思わない?生ける生物兵器だよっ!
 最終兵器だよっ!
 もうね、彼一人で戦場圧勝しちゃうから!

 …って、話が違った方向に進んでしまうのは何故なんだ~…。
 何だか僕、レナちゃんと出会ってからこんな風に調子が狂うような気がする。
 しかも彼女の関係者のことを思い浮かべると諸々思考が支離滅裂になるというか、なんと言うか。それもまた良いような気がするけども。


 ジーニアス様がワルイ。
 これに尽きるよねぇ。




 悪態を付きながら睨み付けているニキが、僕の手元を苦々しげに見詰めてから痛みに顔を顰める。

 深々と刺さったのだと思っていた傷口が、出血量の割に予想外な程酷く深々と刺さって無かったことに安堵する。とは言え何処からどうみても重症には変わらないのだけどね~。
 ニキは軽口を叩いて居るけど、その顔は真っ青を通り越して真っ白で、唇等紫色に変色している。思い当たる原因は、血行が悪いとか酸素不足とかだと考えられるけど、一番の原因はウイックロー国の王子であるアレクサ様に、ニキの大事なレナちゃんを拉致されたストレスが原因ではないかと思われるけどね~。

 落ち着かせ無いとならない。
 ニキの怪我の治療をするのは、今此処では僕だけだから。
 先程迄の支離滅裂の思考は、此処で一旦終了っと。

「結構何針も縫ったね~」

「ああ、緊急だからって痛み止めも無しの無謀な状態でしやがるし。そんな状態で縫合する奴には噛みつきたくなったけどな」

「仕方ないでしょ~?僕これでもニキのために必死だったのだけど?」

 あの場。
 レナちゃんが連れ去れた場所で倒れていたと言うニキ。
 僕はその場には居なかったから、後からレスカ達にニキの縫合を終えてから聞くことになった。

 何時までも出血させておく訳にはいかないと、一先ず血止めをしてから近場の治療院にまで担ぎ込み、治療院の先生と共に懸命に治療をしたのだけど、問題は治療院にいた医師は縫合の外科手術を行ったことが無く、普段は薬剤投与等の治療が専門の薬師だった為に僕がやるハメになった。

 当然の結果として、ニキはベッドに括り付けられて痛みに耐えながらも暴れまくった。その為にニキの手足は問答無用で布を紐のようにして拘束されたのだけど、ニキはそのことを恨みに思っているのか今も文句を言っている。

「痛かったのだが?」

「それぐらい根性で我慢しなよ~」

 …ニキの頬の筋肉がピクピクと引き攣る。

 ついでにニキの包帯を巻いた辺りの筋肉も…。
 あ~クソ。僕もこんなにハッキリと割れた腹筋が欲しい。
 体質なのだろうなぁって位に筋肉付きにくいからなぁ、うす~い僕の腹筋。多少は割れてはいるけど、それでも同世代の騎士志願者達やニキ程では無い。
 レスカも僕と同じで細身だからてっきりお仲間だと思っていたら、先日銭湯に入った時に真実と言う名の現実を目の辺りにし、ショックを受けた。

 む~…流石第二王子と言うべきか。それとも単純に…気合が足りないのか…くそ~!

 割れていたよ、意外にも確りと。
 レスカの裏切り者ぉ~…。


 うん、これ。これだよなぁ~。
 レナちゃんってば、ニキのこの割れた腹筋に惹かれたのかなぁ。
 あ~…だとしたら悔しい。
 レナちゃん良い子だし、彼女のことだから外見だけでは無いのだろうって言うのは十分わかっているつもりだけど、男としては悔しい。
 少しでいいからその腹筋の筋肉をわけて欲しい。
 ソレぐらいでは彼女は振り向かないだろうけど、さ。

「で」

「うん~」

「ケインもこのままにしておくつもりは無いよな?」

 当然無いよな?という風に言われ、一秒も置かずに頷く。

「当たり前でしょ~?ニキの大事な彼女を取られたままなんて、許せないよ~。それにモニカ様の髪の毛を斬り付けられたし?女性にとって髪の毛って大事なのにさ~僕、怒っているんだからね?」

 言葉では『ニキの』と付けたが、自身の本当の気持ちは…否。
 出来るワケが無い。
 僕の手で彼女を救い出したいけど、現実的に考えてしまえば『無理』という言葉しか出てこない。
 レナちゃんもソレを望まないだろうし、何よりこの目の前に居るレナちゃんのヒーローである猪突猛進のニキが許さないだろうし~…それに、僕もヤダな。彼女も大事だけど僕は何よりもニキとの友情を大事にしたい。勿論レスカともだけど、レスカとはまたちょっと感覚が違う。
 何だろね~この感覚って。

 あ、そうか。
 僕ってニキを尊敬しているのか。

 レスカは政治力がある。だけど、実践ではニキは同世代では一番戦闘力が高くて。
 レスカも当然尊敬はしているけど、彼は第二王子として対応して居るせいで何処か一歩引いてしまう。今は友だけど、そういうものだ。父と学友の父親を見ていたら関係性が良くわかるというもの。
 若干ニキの父親のアルビオン様はこう、何と言うか父に対して気安い雰囲気はあるし父も甘受して居るけれど、表立った時には態度が硬質なモノに変化する。


 学園を卒業したらもっと距離を置くことも心掛けている。
 レスカが王弟となれば更に配下として距離を取るだろう。
 …レスカが望むかどうかは問題では無い。
 それがこの国の、政治のやり方なのだ。

 だけどニキは積極性に飛んでいて、僕には無い行動力が何より羨ましい。
 残念ならが考えなしの直情型のため、そのせいか顔に出やすい性分のために時には人に利用されてしまう。されど徐々にだが父親であるアルビオン様の豪快さを発揮しつつあり、更には覇気も多少は出て来ている様に思う。
 この覇気っていうのはニキの場合、前回の戦闘経験で得た気がする。

 とは言えさ、僕はちゃんと分かっている。
 レスカもニキも二人共言葉では言い表せられない程の努力をし、今の戦闘力やら地位等を獲得して居るってこと。そうでないとならないからね、彼等の場合は特に。レスカは第二王子、そしてニキは騎士団団長の一人息子なのだから。

 ああもう、僕だって魔法大臣の一人息子だ。一人しか居ない跡継ぎだ。
 僕だって負けてられない~っ!

「おっし、じゃ~飯!飯だめし!食うぞ!」

「は?」

 ガバっとベッドから飛び起きてって、「イテテ」ってそりゃ痛いでしょ?!
 それにさっき痛かったって文句言ってた癖に~!

「飯だ!飯!」

「いやあの、ニキ?ってちょ、その傷で起き上がらないでよ~!まだ傷口閉じて居ないのだからっ!」

 ベッドを指さしてレナちゃんみたいに「ハウス!」って言ってやったら目をまん丸く見開いて固まったニキの肩を押し、何とかベッドに押し込む。

 レナちゃん、ニキのコトを調教しているのでは?と勘繰る程、少しの間だけ大人しくなったニキの口は、数秒後また力強く口を開いた。

「食えば治る!」

「そんなワケ無いでしょ~!」

「いや、少なくとも気力が戻る!」

「気力って」

 だから脳筋って言われるのだからね、ニキ。
 何時だったか、レナちゃんの所のメイドさんの一人が何故か大興奮し、「脳筋最高!」って叫んで居て、それを見てしまったニキがドン引きして居た癖に。
 そう言えばレナちゃん家の使用人達ってレスカの側近やら元使用人やらが多いって聞くけど、あんな変人メイドを抱えて居たのかレスカ。
 そしてレナちゃん。「メイドの発作ですから気にしないで下さいね?」って。

 顔面引きつって居たけど、あの場の凌ぎ方は随分と貴族令嬢としての作法に慣れて来たように思う。とは言え扇で顔を隠していたから、引き攣っていたのはバレバレだったけど。



「そしてだな、一刻も早くレナをこの手に連れ戻す!」

「ニキ…」

「まずは飯!で、睡眠!レナの心配は…その、するけど。全快はまだ無理だが意地で体力回復させる!」

「わかった、わーかったから~!僕が持ってくるからニキはベッドで休んでいてよ!」

「おう、頼むぜ」

 其処でニって笑う辺り…何だかドッと疲れが出て来たよ。

「ニキ、益々アルビオン様に似て来たね~」

 僕を疲れさせる辺り特にね?とは言わないけど、本当にそーっくり。

「うっせ!」

 ああもう、枕投げないでよ。
 そして無理に笑わないでよ、ニキ。
 本当は悔しくて悲しくて仕方ないのはよく分かっているから。

 そして。
 もう一つの心配事。
 それはレナちゃんの兄であるジーニアス様。

 暴発していないと良いけど…多分それは無理だろうなぁ~。
 後で様子を見に行かないと。

 でも僕はその後、予想外の人物が暴発しているのを知らなかった。












「殺す、殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す、コロスコロスコロスころす、ころす!」

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