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9.修羅場になるなんて聞いてないっ!

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そういえば、この魔王はあまり人間を襲わないと聞いたことがある。
前の世代までの魔王は、人間との子が欲しいために手当たり次第人間を襲っていたらしい。しかし、今の魔王になってからはそれがなくなったそうだ。悪さをしているのはだいたい下っ端の魔族達だ。まぁさっきの魔王の手下達の様子をみてもそうだろう。
この魔王は自分にふさわしい花嫁――すなわち勇者が来るのをずっと一人で待っていたのではないか。
それなのに、自分が孕ませるはずだった相手はすでに他のヤツとの子を孕んでいて、さらに魔力まで奪われてしまっては立ち直れないだろう。
「あー……でもさ」
魔王を慰める言葉をなんとか考える。
「俺のお腹の子にお前の魔力が宿るかもしれないってことはさ、お前の子でもあるってことにならないか?」
こんなことリムルに聞かれたら激怒されそうだ……。でも慰めるためだから仕方ない。
「なん……だと……?」
魔王の目がギラリと光り、口元に笑みを浮かべた。
「なるほど……そういう考え方もあるのか。ククク……面白いではないか」
どうやら機嫌が良くなったみたいだ。ちょろいな。
そう思った瞬間、俺は魔王に押し倒された。
「えっ……なんで……っ!?」
魔王のモノが生き生きとそそり立っている。あれだけ射精したというのに、まだ力が残っていたのか。
「貴様に我の魔力を残らずくれてやろう」
魔王は俺に覆いかぶさると、そのまま一気に貫いた。
「ひゃうんっ♡」
「おお、やはりいい締まり具合だ!我の子を産む準備は万全ということか!」
「ちがっ♡あっ♡だめぇっ♡」
ズブズブッと何度も出し入れされるたびに快感が走る。
「んほぉっ♡イクぅっ♡」
ビクンっと身体を大きく震わせて絶頂を迎えた。
「おや?もうイッてしまったのか。まだまだこれからだというのに」
魔王はまだ満足していないらしく、動きを止めようとしない。
「ひっ♡やめっ♡いまイッてるからぁっ♡」
連続でイかされて頭がおかしくなりそうだ。それでも魔王の動きは止まらない。
「今度は我も楽しませてもらうぞ」
「ふあああああっ♡」
魔王が淫紋に手を当てると、黒い光が放たれた。どうやらこれをやられると感度が何十倍にも上がるようだ。
ジュプッ……グボッ……ヌチャッ!
「はぁっ……♡んんっ♡」
「良い声で鳴くじゃないか。もっと聞かせろ」
「ふぐぅ♡」
舌を入れられ、濃厚なキスをしながらゆっくりと奥を突き上げられる。
「んむっ♡ちゅ♡」
「どうだ、これ好きだろう?」
「あんっ♡あんっ♡好きぃ……♡」
もっとくっつきたくて、両足で魔王の背中をホールドする。
こんなところをリムルに見られたらやばい……と思った瞬間、バターン!と広間の扉が開いた。
「……っ、何をしてるんだ!」
リムル来ちゃった……。これ、もしかして修羅場?
「あんっ♡リムル……どうして……」
「結界が解けて魔王城に入れるようになったんだ。つまり、もう魔王の魔力は搾り取ったんだろう?」
「あんっ♡魔王の魔力、まだ残ってりゅからぁ……」
「貴様が我が花嫁の恋人とやらか?悪いが花嫁には我の子を産んでもらうぞ」
あーっ困ります魔王様ー!どうしてそういうこと言っちゃうかなー!!
恐ろしすぎてリムルの顔が見られない。しかし、感度がとんでもなく上がっているせいで腰を振るのもやめられない。
「おい、待てよ。その前に聞きたいことがある」
「なんだ?」
「お前、名前はなんていうんだ?」
「名前だと?そんなものはない」
マジか!……まぁでも魔王ってそんなものなのだろう。
「……じゃあお前は今日から『ザーメン魔王』だ!」
んんん?リムルさん……?
「はぁ……?」
魔王は呆気に取られている様子だ。
「ザーメンを出すしか能がない魔王だから、ザーメン魔王だ!ピッタリな名前だろう!」
子供のケンカか!いや子供はザーメンとか言わないな……。
そんな急に程度の低くなった会話を聞きながらも、俺は発情が収まらずに腰を振り続けていた。
ぽわぽわする頭の中で、リムルは一体どうしたのかと考えるが、おそらく嫉妬しているのだろう。
恋人の嫉妬が可愛くて、余計に興奮してしまう。
「あんっ♡ザーメン魔王のおちんぽしゅごいっ♡」
「は……?」
うっかり出てしまった俺の言葉を聞いて、リムルが魔王のモノを見たようだ。
「……へえ、すごいじゃないか。オレのよりずっと大きいな」
あれ……なんか様子がおかしいような……。やばい……嫌な予感しかしない……。
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