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第4章
悪い予感
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私はアナトリア=ウェインバーク。ウェインバーク子爵家の長女で、今は馬車で自宅のあるカリュートに向かっている最中です。
カリュートは南東の国境付近の街で、国境門のあるディセに行くまでに、国外へ出る前の最終準備を行う商人や冒険者が数多く集まっています。
なぜディセではなくカリュートで国外へ出るの準備をするのかと言うと、戦争になった時のことを想定して、ディセでは兵士のためだけの施設以外はほとんど置かないようにしているからです。
戦争において重要なことの1つに物資の補給をどれだけ迅速にできるかということがあります。いくら人を送り込んだとしても、武器や糧食を用意できなければいけませんし、その補給が定期的に行われなければ士気にも関わります。人というのはほんの些細なことでも強くなったりも弱くなったりもしますから、それを安定させられる補給確保は戦争において重要になってくるのです。
そして、その武器や糧食の確保は、なにも自国からの輸送だけに止まりません。敵国の街や村を襲い、備蓄している食料や武器、金、鉄などを奪い取ることもまた補給となります。
つまり、万が一街が襲われ、陥落すれば、敵に自国の物資を奪われ、敵の指揮をあげることにも繋がるわけです。
そのリスクを一番負っているのが国境門のある各方面の街です。ディセと同じその街々は他国と目と鼻の先にあり、戦争になれば一番に攻められる街です。そして落とされれば最初に拠点として奪われる街です。
なので、そんな最前線となりうるディセをはじめとした各街では敵味方関係なく、国境を守る兵士と、それを支える者たちのための必要最低限の設備と物資しか置かないようにしているのです。
そうなると当然、国外へ出る前の準備ができる街を他に回す必要が出てきます。国外へ出るための準備ともなればそれ相応のものが必要となってきますし、できるだけ国境に近い街で行えなければ食料が腐ったり、馬車に不具合が出てしまったりということが起こる可能性が高まります。
少しでもそういう問題が起きないよう、国境門に一番近い街がその任を負って、多くの商人たちを抱え込み、街の周りの村から多くの農作物を集めて売るのです。その街の1つがカリュートというわけですね。
さて、ではその街を仕切っているウェインバーク子爵家の長女が街の外に出ているのかといえば、つい先日起きた貴族殺害事件の被害者であるロートリア伯爵様の第二夫人がウェインバーク子爵の者であるので、ウェインバーク子爵家の中から誰かが葬儀に参列しなければならないということになり、私と妹のナティーシャに白羽の矢が立ったのです。
ナティーシャは4つ下の10歳の末子で、今は私の隣でウトウトとしています。馬車の揺れが揺り籠のようですし、旅の疲れも出て眠たくなったのでしょう。本当に可愛い妹です。
話が逸れましたが、私たち二人が選ばれた理由には2つあります。
1つは街の決定を常に行わなければならない当主であるお父様や、仕事の引き継ぎに忙しい時期である長男のレオナールお兄様は葬儀に出る時間が取れないというものです。
国外へ出る者が最終準備をする場所であるといいましたが、その逆もまた然りであり、国外から入国してきた者たちもまた、一番近い街らしい街であるカリュートに来ることが多いのです。
そのため、多少の差はあれど、一年中仕事が多いのですが、今年からレオナールお兄様が当主を引き継ぐということもあって、中々街を離れることができないのです。
レオナールお兄様も最近はあまり休みを取れなくて参っていると呟いていました。お体に触らなければ良いのですけど。
2つ目は私たち二人が向かうことが伯爵家への面目を潰さない最低限の対応であるからです。
現子爵系当主の長女と次女。伯爵家からすれば物足りなくはあれど、第二夫人の家系と思えば許容できなくはない対応といった感じですが、正直な話、最低限というだけで印象はあまり良くありません。
特に社交界ではなく、葬儀の場で妻の家系の現当主と次期当主がどちらも不在となるのはあまり好ましいとはいえないでしょう。
ただ、第二夫人であるアルシャ様が第一夫人をとりなしてくれたので、その場で苦言を呈されることはありませんでしたが。
アルシャ様はお父様の妹なのですが、お父様とは今でも仲が良いため、こうして口添えをしてくれることが多く、助かっていることが多くあります。
この2つが私たち二人が向かった理由となるわけですが、私はもう1つ、お父様が明言されなかった理由があると考えています。おそらくアルシャ様もそれを考えて、とりなしてくれたのでしょう。
その理由は・・・。
「お姉様。」
隣でウトウトしていたナティーシャが私の袖を軽く引いてきました。
「どうしたの?疲れたのなら寝ていてもいいのよ。」
私は先ほどまで考えていた暗い思考をどこかへと投げ捨てて、相変わらず眠たそうにトロンとした目をこするナティーシャに微笑みます。薄い金色のふわふわした髪をさらさらと撫で付け、私の方に体を倒させるように頭の後ろに手を回しました。
ナティーシャが私の胸に顔を埋めるようにしてもたれかかると、気持ちよさそうに目を伏せ、しばらくじっとします。
「・・・どうしたの?そんなに甘えて。」
ナティーシャに声をかけてみるけれど、すぐに返事は来ませんでした。しばらく返答を待っていると、ポツリポツリと話し出しました。
「お姉様。私、さっき、変な夢を見た気がしました。」
「変な夢?」
私は座ったまま寝てしまっていたのかと少し笑ってしまうのを抑えながら、それでも少し声に笑いが含まれるのを抑えきれずに問いかけます。
けれど、ナティーシャはそれを咎めることなく、むしろ少し声が暗くなったきがしました。
「怖い、怖い夢だったと思います。どんな夢だったかはあまり覚えていないですが、私たちが襲われる夢だった気がします。」
私たちが襲われる。それをナティーシャから聞いた時、私の心臓がドクンと飛び跳ねました。
どこかへやったはずの暗い思考が蘇ってきます。
私たち二人が葬儀に出された理由。それは、次の貴族殺しの標的にされる可能性を考慮してのことではないのか。
忙しくとも、無理をすれば時間を作ることは可能です。伯爵家に悪い印象を与えることを考えるなら、どちらか一人が仕事を早くに片付けるか、肩代わりすることで、印象が悪くなることを回避した方が貴族としては正しい判断となるはずです。
なのに、お父様はその選択をせず、印象が悪くなろうとも構わずに私たち二人がを葬儀に出した。それも、お母様は出さず、本当に最低限の私たち二人を。
思考するごとに胸の奥から光が消えていくような、体が冷たくなっているような気がしました。
知らず、私の体は震えていました。貴族の馬車は外気に触れないような作りであるにもかかわらず。魔動具を作動させて暖かくしているにもかかわらずです。
「お姉様・・・。」
心配そうにナティーシャが私の体を抱きしめながら、その大きな瞳を潤ませて見上げてきます。
私は震える体を必死に落ち着かせるようにして、できるだけ安心するように、できるだけ優しく微笑んで見せました。
愛する妹を守る立場である私が震えていてどうするのですか。もうすぐカリュートにも着くのです。怖がる妹を安心させてあげなければ。
「大丈夫ですよ。ナティーシャ。貴方は私が守りますから。こう見えて私は魔法も少しできるのですよ。」
私はナティーシャをギュッと抱きしめ返し、ナティーシャ乗せをさする。
それから間も無くのことでした。馬を繰る御者が転落し、馬車が横転してしまったのは。
カリュートは南東の国境付近の街で、国境門のあるディセに行くまでに、国外へ出る前の最終準備を行う商人や冒険者が数多く集まっています。
なぜディセではなくカリュートで国外へ出るの準備をするのかと言うと、戦争になった時のことを想定して、ディセでは兵士のためだけの施設以外はほとんど置かないようにしているからです。
戦争において重要なことの1つに物資の補給をどれだけ迅速にできるかということがあります。いくら人を送り込んだとしても、武器や糧食を用意できなければいけませんし、その補給が定期的に行われなければ士気にも関わります。人というのはほんの些細なことでも強くなったりも弱くなったりもしますから、それを安定させられる補給確保は戦争において重要になってくるのです。
そして、その武器や糧食の確保は、なにも自国からの輸送だけに止まりません。敵国の街や村を襲い、備蓄している食料や武器、金、鉄などを奪い取ることもまた補給となります。
つまり、万が一街が襲われ、陥落すれば、敵に自国の物資を奪われ、敵の指揮をあげることにも繋がるわけです。
そのリスクを一番負っているのが国境門のある各方面の街です。ディセと同じその街々は他国と目と鼻の先にあり、戦争になれば一番に攻められる街です。そして落とされれば最初に拠点として奪われる街です。
なので、そんな最前線となりうるディセをはじめとした各街では敵味方関係なく、国境を守る兵士と、それを支える者たちのための必要最低限の設備と物資しか置かないようにしているのです。
そうなると当然、国外へ出る前の準備ができる街を他に回す必要が出てきます。国外へ出るための準備ともなればそれ相応のものが必要となってきますし、できるだけ国境に近い街で行えなければ食料が腐ったり、馬車に不具合が出てしまったりということが起こる可能性が高まります。
少しでもそういう問題が起きないよう、国境門に一番近い街がその任を負って、多くの商人たちを抱え込み、街の周りの村から多くの農作物を集めて売るのです。その街の1つがカリュートというわけですね。
さて、ではその街を仕切っているウェインバーク子爵家の長女が街の外に出ているのかといえば、つい先日起きた貴族殺害事件の被害者であるロートリア伯爵様の第二夫人がウェインバーク子爵の者であるので、ウェインバーク子爵家の中から誰かが葬儀に参列しなければならないということになり、私と妹のナティーシャに白羽の矢が立ったのです。
ナティーシャは4つ下の10歳の末子で、今は私の隣でウトウトとしています。馬車の揺れが揺り籠のようですし、旅の疲れも出て眠たくなったのでしょう。本当に可愛い妹です。
話が逸れましたが、私たち二人が選ばれた理由には2つあります。
1つは街の決定を常に行わなければならない当主であるお父様や、仕事の引き継ぎに忙しい時期である長男のレオナールお兄様は葬儀に出る時間が取れないというものです。
国外へ出る者が最終準備をする場所であるといいましたが、その逆もまた然りであり、国外から入国してきた者たちもまた、一番近い街らしい街であるカリュートに来ることが多いのです。
そのため、多少の差はあれど、一年中仕事が多いのですが、今年からレオナールお兄様が当主を引き継ぐということもあって、中々街を離れることができないのです。
レオナールお兄様も最近はあまり休みを取れなくて参っていると呟いていました。お体に触らなければ良いのですけど。
2つ目は私たち二人が向かうことが伯爵家への面目を潰さない最低限の対応であるからです。
現子爵系当主の長女と次女。伯爵家からすれば物足りなくはあれど、第二夫人の家系と思えば許容できなくはない対応といった感じですが、正直な話、最低限というだけで印象はあまり良くありません。
特に社交界ではなく、葬儀の場で妻の家系の現当主と次期当主がどちらも不在となるのはあまり好ましいとはいえないでしょう。
ただ、第二夫人であるアルシャ様が第一夫人をとりなしてくれたので、その場で苦言を呈されることはありませんでしたが。
アルシャ様はお父様の妹なのですが、お父様とは今でも仲が良いため、こうして口添えをしてくれることが多く、助かっていることが多くあります。
この2つが私たち二人が向かった理由となるわけですが、私はもう1つ、お父様が明言されなかった理由があると考えています。おそらくアルシャ様もそれを考えて、とりなしてくれたのでしょう。
その理由は・・・。
「お姉様。」
隣でウトウトしていたナティーシャが私の袖を軽く引いてきました。
「どうしたの?疲れたのなら寝ていてもいいのよ。」
私は先ほどまで考えていた暗い思考をどこかへと投げ捨てて、相変わらず眠たそうにトロンとした目をこするナティーシャに微笑みます。薄い金色のふわふわした髪をさらさらと撫で付け、私の方に体を倒させるように頭の後ろに手を回しました。
ナティーシャが私の胸に顔を埋めるようにしてもたれかかると、気持ちよさそうに目を伏せ、しばらくじっとします。
「・・・どうしたの?そんなに甘えて。」
ナティーシャに声をかけてみるけれど、すぐに返事は来ませんでした。しばらく返答を待っていると、ポツリポツリと話し出しました。
「お姉様。私、さっき、変な夢を見た気がしました。」
「変な夢?」
私は座ったまま寝てしまっていたのかと少し笑ってしまうのを抑えながら、それでも少し声に笑いが含まれるのを抑えきれずに問いかけます。
けれど、ナティーシャはそれを咎めることなく、むしろ少し声が暗くなったきがしました。
「怖い、怖い夢だったと思います。どんな夢だったかはあまり覚えていないですが、私たちが襲われる夢だった気がします。」
私たちが襲われる。それをナティーシャから聞いた時、私の心臓がドクンと飛び跳ねました。
どこかへやったはずの暗い思考が蘇ってきます。
私たち二人が葬儀に出された理由。それは、次の貴族殺しの標的にされる可能性を考慮してのことではないのか。
忙しくとも、無理をすれば時間を作ることは可能です。伯爵家に悪い印象を与えることを考えるなら、どちらか一人が仕事を早くに片付けるか、肩代わりすることで、印象が悪くなることを回避した方が貴族としては正しい判断となるはずです。
なのに、お父様はその選択をせず、印象が悪くなろうとも構わずに私たち二人がを葬儀に出した。それも、お母様は出さず、本当に最低限の私たち二人を。
思考するごとに胸の奥から光が消えていくような、体が冷たくなっているような気がしました。
知らず、私の体は震えていました。貴族の馬車は外気に触れないような作りであるにもかかわらず。魔動具を作動させて暖かくしているにもかかわらずです。
「お姉様・・・。」
心配そうにナティーシャが私の体を抱きしめながら、その大きな瞳を潤ませて見上げてきます。
私は震える体を必死に落ち着かせるようにして、できるだけ安心するように、できるだけ優しく微笑んで見せました。
愛する妹を守る立場である私が震えていてどうするのですか。もうすぐカリュートにも着くのです。怖がる妹を安心させてあげなければ。
「大丈夫ですよ。ナティーシャ。貴方は私が守りますから。こう見えて私は魔法も少しできるのですよ。」
私はナティーシャをギュッと抱きしめ返し、ナティーシャ乗せをさする。
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