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第三部 帝国編
第147話 流刑星
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流刑星フォーマルハウトのドラゴン達を助けるため、竜姫と帝都を守っていたM4要塞を乗っ取った。
その後は、帝国軍の追撃を緊急航行のワープ8で振り切り、ゲートを抜けて、セクション7に到着した。
ここまで来ればフォーマルハウトまでもうすぐだ。
ただ、それは距離的に近いという話で、ここからは出せてもワープ4までだ。時間的には、これまで以上にかかることになる。
「当然帝国軍は追って来るだろうな」
「それは五分五分」
チハルから意外な答えが返ってきた。
「追ってこない可能性もあるのか?」
「M4要塞は帝都アンタレスの守りの要、それがなくなったら、帝都の守りが薄くなる」
「つまり、軍は帝都の守りが手一杯で、こちらは追って来ないということか」
「可能性の一つ」
「確かに、帝国は王国と戦争中です。ですので、帝都の守りを薄くしたくないでしょうが、皇国に出していた兵力が戻っています。帝都の守りはそれで十分と考えるかもしれません」
シリウス皇国とは休戦になっている。将軍が率いる部隊は帝都に戻っているようだ。
しかし、竜姫の話が本当なら、帝国は王国と戦争中であるようだ。今更だが、とばっちりを受けないように気をつけないといけないな。
「そうなると、ゲートを抜けて追って来る可能性も捨て切れないな」
「ゲートの向こうで、戻って来るのを待ち構えている可能性もある」
確かにそうだ。ゲートを抜けられなければ、流刑星に閉じ込められているのとなんら変わらない。
セクション7は未開発でなにもないのだから。
「うーん。でも追って来られる可能性もあるから、ゲートの出口である、ここで迎撃した方がいいだろうな」
「それは、その方がいい。ゲートは艦隊では抜けられない。一隻ずつ出てくれば、ハルクで確実に叩ける」
「では、ハルクをここに残していくのですか。無人で大丈夫でしょうか?」
「リンクもしてるし、デルタに任せれば問題ない」
「そうは言っても心配です!」
竜姫はハルクを残していくのに反対のようだ。
「なら、俺様がここに残ろう」
「ブルドラ、いいのか?」
「暴れ足りなかったからちょうどいい」
「ブルドラが残るなら、ハルクの魔力切れの心配もないか。よろしく頼むな」
「任せておけ、捻り潰してくれる」
「撃沈させずに、押し戻してくれればいいからな」
「そっちの方が面倒くさいぞ」
結局、ゲートの出口にハルクとのブルドラを残して、俺たちはM4要塞でフォーマルハウトを目指した。
フォーマルハウトに到着したのは、それから二日後だった。
衛星軌道から見るフォーマルハウトは、緑一色。森に囲まれた星だった。
建物らしい物が見当たらないが、どこに住んでいるのだろう?
ハルクとブルドラのことも心配なので、ちゃっちゃとドラゴン達を乗せて戻りたいところであるが、それには、まずは帝王を探さなければいけない。
「竜姫様、帝王陛下がどこにいるかわかりますか?」
「いえ、残念ながらわかりません」
「強い魔力反応が集まって来ている場所がある」
「こちらに気付いてドラゴンが集まって来ているのかな。まずはそこに行ってみよう」
俺とチハルと竜姫はシャトルポッドに乗って、魔力が集まるところに降下した。
そう、強い魔力が感じられる所にである。
「キャー、キャー、キャー」
シャトルポッドの中で、竜姫が叫び回る。
「変態の集団です。あんな所に降りないでください!」
衛星軌道から見つかるほどの強力な魔力の集団ということは、当然、ドラゴンは、人型でなく、ドラゴンの姿でいるわけで、そうなるとそれは、竜姫にとっては全裸の集団だ。
叫び続ける竜姫は置いていきたいところであるが、ドラゴンに話を通すには竜姫がいた方がいい。困ったもんである。
とりあえず、竜姫には目を閉じていてもらうことにして、シャトルポッドの中から外部スピーカーで話しかける。
「すみません。セレスト皇国のセイヤといいますが、帝王陛下とお会いしたいのですが、いらっしゃいませんか?」
俺が話しかけたことにより、地上にいたドラゴン達がざわめきだす。
そのうち数頭が飛び立ち、シャトルポッドの周りを取り囲む。すぐには攻撃をしかけて来ないところをみると、話し合いの余地はあるようだ。
「すみません。代表者の方はどなたですか。お話がしたいのですが」
『俺が話そう。セキドラだ』
赤い立派な竜が返事をしてきた。
「竜姫様、セキドラさんだそうですが、知ってますか?」
「多分、騎士団長だった方かと」
それなら帝王の居場所も知っているだろう。
「セキドラさん。実は竜姫様に依頼をされて、皆さんをこの星から助け出しに来ました」
『竜姫様だと。皇国の者がなぜ?』
「いろいろと事情があって、依頼を受けただけです。竜姫様も一緒に乗っているのですが、帝王陛下に会わせていただけませんか。できるだけ早くしたいので」
『竜姫様が一緒だと! 帝国を抜け出してこられたのか。それが本当なら、こんな星にいる必要はない』
「そうですよ。皆さんが乗れるようにM4要塞も持ってきました」
『M4要塞を持ってきただと?! その話、どこまで本当なんだ。そんなことをすれば帝国が黙ってないだろう』
「全て本当ですよ。ですから、急いでいるのですが」
『竜姫様が一緒だと言うなら、竜姫様に会わせろ。そうでなければ信じられない』
「姿を見せるのは構いませんが、皆さんの裸は見たくないそうです」
『裸とはなんだ! ドラゴンはみんなこの姿だぞ』
「竜姫様は、はずかしいそうですよ。人型になってもらわないと会えないと言っています」
『人型になったところを捕まえようという罠ではないのか?』
「違います! 本当に裸を見るのが恥ずかしいだけです。ですから、早く人型になってください!」
竜姫が俺に代わって大声を上げた。
『おお、これは竜姫様の声。わかった、信じて人型になろう』
「周りの人も、人型になるか、少し離れていてくださいね」
シャトルポッドを取り囲んでいた全員が人型になったところで、シャトルポッドのハッチを開けて、竜姫が顔を出す。
「おお、竜姫様で間違い無いぞ」
「お懐かしや、よくぞご無事で参られた」
「それではお父様の所に案内して」
「かしこまりました」
セキドラが先頭に立ち、シャトルポッドを誘導していく。
しかし、ドラゴンって人形でも空を飛べたのか! 羽根もないのにどうやって飛んでるんだ?
魔法がある世界で今更か。
その後は、帝国軍の追撃を緊急航行のワープ8で振り切り、ゲートを抜けて、セクション7に到着した。
ここまで来ればフォーマルハウトまでもうすぐだ。
ただ、それは距離的に近いという話で、ここからは出せてもワープ4までだ。時間的には、これまで以上にかかることになる。
「当然帝国軍は追って来るだろうな」
「それは五分五分」
チハルから意外な答えが返ってきた。
「追ってこない可能性もあるのか?」
「M4要塞は帝都アンタレスの守りの要、それがなくなったら、帝都の守りが薄くなる」
「つまり、軍は帝都の守りが手一杯で、こちらは追って来ないということか」
「可能性の一つ」
「確かに、帝国は王国と戦争中です。ですので、帝都の守りを薄くしたくないでしょうが、皇国に出していた兵力が戻っています。帝都の守りはそれで十分と考えるかもしれません」
シリウス皇国とは休戦になっている。将軍が率いる部隊は帝都に戻っているようだ。
しかし、竜姫の話が本当なら、帝国は王国と戦争中であるようだ。今更だが、とばっちりを受けないように気をつけないといけないな。
「そうなると、ゲートを抜けて追って来る可能性も捨て切れないな」
「ゲートの向こうで、戻って来るのを待ち構えている可能性もある」
確かにそうだ。ゲートを抜けられなければ、流刑星に閉じ込められているのとなんら変わらない。
セクション7は未開発でなにもないのだから。
「うーん。でも追って来られる可能性もあるから、ゲートの出口である、ここで迎撃した方がいいだろうな」
「それは、その方がいい。ゲートは艦隊では抜けられない。一隻ずつ出てくれば、ハルクで確実に叩ける」
「では、ハルクをここに残していくのですか。無人で大丈夫でしょうか?」
「リンクもしてるし、デルタに任せれば問題ない」
「そうは言っても心配です!」
竜姫はハルクを残していくのに反対のようだ。
「なら、俺様がここに残ろう」
「ブルドラ、いいのか?」
「暴れ足りなかったからちょうどいい」
「ブルドラが残るなら、ハルクの魔力切れの心配もないか。よろしく頼むな」
「任せておけ、捻り潰してくれる」
「撃沈させずに、押し戻してくれればいいからな」
「そっちの方が面倒くさいぞ」
結局、ゲートの出口にハルクとのブルドラを残して、俺たちはM4要塞でフォーマルハウトを目指した。
フォーマルハウトに到着したのは、それから二日後だった。
衛星軌道から見るフォーマルハウトは、緑一色。森に囲まれた星だった。
建物らしい物が見当たらないが、どこに住んでいるのだろう?
ハルクとブルドラのことも心配なので、ちゃっちゃとドラゴン達を乗せて戻りたいところであるが、それには、まずは帝王を探さなければいけない。
「竜姫様、帝王陛下がどこにいるかわかりますか?」
「いえ、残念ながらわかりません」
「強い魔力反応が集まって来ている場所がある」
「こちらに気付いてドラゴンが集まって来ているのかな。まずはそこに行ってみよう」
俺とチハルと竜姫はシャトルポッドに乗って、魔力が集まるところに降下した。
そう、強い魔力が感じられる所にである。
「キャー、キャー、キャー」
シャトルポッドの中で、竜姫が叫び回る。
「変態の集団です。あんな所に降りないでください!」
衛星軌道から見つかるほどの強力な魔力の集団ということは、当然、ドラゴンは、人型でなく、ドラゴンの姿でいるわけで、そうなるとそれは、竜姫にとっては全裸の集団だ。
叫び続ける竜姫は置いていきたいところであるが、ドラゴンに話を通すには竜姫がいた方がいい。困ったもんである。
とりあえず、竜姫には目を閉じていてもらうことにして、シャトルポッドの中から外部スピーカーで話しかける。
「すみません。セレスト皇国のセイヤといいますが、帝王陛下とお会いしたいのですが、いらっしゃいませんか?」
俺が話しかけたことにより、地上にいたドラゴン達がざわめきだす。
そのうち数頭が飛び立ち、シャトルポッドの周りを取り囲む。すぐには攻撃をしかけて来ないところをみると、話し合いの余地はあるようだ。
「すみません。代表者の方はどなたですか。お話がしたいのですが」
『俺が話そう。セキドラだ』
赤い立派な竜が返事をしてきた。
「竜姫様、セキドラさんだそうですが、知ってますか?」
「多分、騎士団長だった方かと」
それなら帝王の居場所も知っているだろう。
「セキドラさん。実は竜姫様に依頼をされて、皆さんをこの星から助け出しに来ました」
『竜姫様だと。皇国の者がなぜ?』
「いろいろと事情があって、依頼を受けただけです。竜姫様も一緒に乗っているのですが、帝王陛下に会わせていただけませんか。できるだけ早くしたいので」
『竜姫様が一緒だと! 帝国を抜け出してこられたのか。それが本当なら、こんな星にいる必要はない』
「そうですよ。皆さんが乗れるようにM4要塞も持ってきました」
『M4要塞を持ってきただと?! その話、どこまで本当なんだ。そんなことをすれば帝国が黙ってないだろう』
「全て本当ですよ。ですから、急いでいるのですが」
『竜姫様が一緒だと言うなら、竜姫様に会わせろ。そうでなければ信じられない』
「姿を見せるのは構いませんが、皆さんの裸は見たくないそうです」
『裸とはなんだ! ドラゴンはみんなこの姿だぞ』
「竜姫様は、はずかしいそうですよ。人型になってもらわないと会えないと言っています」
『人型になったところを捕まえようという罠ではないのか?』
「違います! 本当に裸を見るのが恥ずかしいだけです。ですから、早く人型になってください!」
竜姫が俺に代わって大声を上げた。
『おお、これは竜姫様の声。わかった、信じて人型になろう』
「周りの人も、人型になるか、少し離れていてくださいね」
シャトルポッドを取り囲んでいた全員が人型になったところで、シャトルポッドのハッチを開けて、竜姫が顔を出す。
「おお、竜姫様で間違い無いぞ」
「お懐かしや、よくぞご無事で参られた」
「それではお父様の所に案内して」
「かしこまりました」
セキドラが先頭に立ち、シャトルポッドを誘導していく。
しかし、ドラゴンって人形でも空を飛べたのか! 羽根もないのにどうやって飛んでるんだ?
魔法がある世界で今更か。
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