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第二章
第71話 エルフ原理主義同盟
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「さてと、馬車が片付いたところで、次は本題のニコラスがどこに連れていかれたかね」
私とシリーとケニーの三人は、ニコラスを助け出すため、隣国エルファンド神聖王国で帝国軍に襲撃を受け、攫われた後、逆に、逃げ出し、相手を捕縛した場所に来ていた。
「エルフ原理主義同盟と言ってたなあいつら」
ニコラスだけは、帝国軍ではなく、別の集団に攫われていた。
「そいつらの拠点のどこかだとは思うけど、聞いて回るのは面倒くさいわね」
「面倒くさい、って、お前なあ」
「MPの無駄使いだけれども、ここは一発、この国を鑑定して、ニコラスの居場所を見つけるわよ」
「また、随分と力業だな」
「最近、MPの使いどころがなくて、有り余っているのよ。さっきだって、魔法を使う前に降参されちゃったし」
「そうか、それは残念だったな」
「なによ。その巻き込まれなくてよかった、って顔は」
「いや、そんなこと、これっぽっちも思ってないぞ」
「まあ、ならいいけれど。それじゃあいくわよ」
『鑑定』
「成る程ね。ここから北西にある街の、あいつらの拠点の一つにいたわ」
「よかった。見つかったか」
「ただ、そこは余り大きな拠点ではないのよ。一時的に寄っただけで、別の拠点に移動する可能性が高いわ」
「そんなにいくつも拠点があるのか」
「国中のあちこちにあるわね。かなり大きな組織みたい」
「移動される前に助け出したほうがいいな」
「そうね。急いでいきましょう。シリー、馬車ごと街のそばまで転移して」
私がシリーに命令すると、ケニーに止められた。
「おい、いいのか?」
「何のこと」
「転移を隠す気あるのかってこと」
「ああ、そういうことね。じゃあ馬車で移動しましょう。ケニー御者をお願いできる」
「わかった。北西の街だな」
ケニーの御者で、私たちは北西の街に向けて馬車で出発した。
「さて、シリー。馬車はケニーに任せて私たちは先に行くわよ」
「後で、ケニー様に怒られますよ」
「エルフ原理主義同盟の奴ら、ニコラスには手荒なまねはしないと思うけど、帝国が絡んでいるから万が一ということもあるわ」
「帝国? ああ例の薬ですか」
「同盟の奴らが、ニコラスの存在だけあれば、意思はいらないと考えていたら、帝国製の危険な薬物を使う可能性があるわ。シリーもこの前のようなことにならないように注意してね」
シリーにヨークシャ商会での失敗を繰り返さないように注意した。
「そう言われましても、自分では覚えていないもので」
そうだった。あのことは、グラールの所為で、無かったことになっているのだった。シリーには一応経緯を説明してあるが、話だけでは実感がわかないだろう。しかし、女神に毒薬が効くなんて想定外だった。
「まあ、毒物に気を付けて、ということ。じゃあ拠点のそばの目立たない所に転移して」
「畏まりました」
『転移』
エルフ原理主義同盟の拠点は、住宅街にある、小さな一軒家だった。
「お嬢様、どうしますか」
「ニコラスは正面玄関を入ってすぐの部屋にいるわ、正々堂々正面から乗り込みましょう」
「大丈夫ですか?」
「ニコラスの命を人質にすることはないだろうから、大丈夫よ」
私は拠点の正面玄関をノックする。
コンコンコン。
「すみません」
中からの反応はない。
「す、み、ま、せ、ん。どなたかいらっしゃいませんか」
大声で呼びかけてみる。
「何だうるさいぞ」
中から大男が扉を開けた。
「ニコラスを返してもらいに来ました」
「貴様は、公爵令嬢、どうしてここに」
「そこを退いてください」
私は大男を睨み付けた。男は二歩三歩と引き下がる。
拠点の建物に入ると、ニコラスは正面の祭壇のような場所に座らされていた。
「ニコラス、迎えに来ましたよ。一緒に帰りましょう」
私が声を掛けるが反応がない。虚ろな感じで様子がおかしい。既に薬を盛られたか。
「公爵令嬢、勝手に入ってこられては困ります。それにニコラス様は帰りたくないご様子です」
脇の扉を開けて、同志ライムと名乗った女性が出てきた。
「あなたたち、ニコラスに何をしたの」
「エルフの神格性について、わかっていただいただけです」
「何か薬を使ったのではないでしょうね」
「それは、これのことですか」
ライムは、黒い液体の入った瓶を揺すって見せた。
「こんな無粋なもの使いませんよ。こんな物使わなくても、こちらにはエルフの秘宝があるんです」
どうやら帝国の薬は使っていないようだ。
「とはいえ、この薬の効果も知っておきたいですからね。あなたで試してみましょうか」
いつの間にやら、ぞろぞろ出てきた同盟のメンバーに囲まれていた。
「しかし、一人で、のこのこ乗り込んでくるとは、公爵令嬢は馬鹿なのか」
え、一人? 周りを見てもシリーの姿がない。よく見ると、玄関の外、表の道路にシリーはいた。あの阿魔《あま》ー! 確かに、踏み込まなければ毒物にやられることもないだろう。
まあ、いい。この方が、全力が出せて好都合だ。
「それはこれを受けてから考え直しなさい」
『風神』
魔剣に付与されていた『風刃』の改良版である。より広範囲に風の刃を振るうことができる。
「うお」
「痛」
「ぐっ」
全力でやると、全員を切り刻んでしまうので、武器を無力化できる程度に力を抑えて使用する。
『触手』『吸魔』
両手に魔法カードを出し。二つの魔法を同時に発動する。『触手』で拘束し、『吸魔』でMPを吸い取り、魔法を使えなくする。
全員を動けなくしたところで、男が一人玄関から突っ込んで来た。
「エリー。街に着いたら馬車の中にいなかったからビックリしたぞ」
「しー。しー」
大声でそんなことを言ったら、転移魔法がばれちゃうだろ。
「それにケニー、抱き付かないで、と言ったでしょ」
「お、悪りー。それで、ニコラスさんはどうした」
「あそこにいるわ」
ニコラスは相変わらず祭壇の前に座っている。何かを見つめているようだ。
私はニコラスに近付き、肩をゆする。
「ニコラス。どうしたの大丈夫」
反応が無いので、前に回り込み、顔を覗き込む。その時、拘束されている同志ライムが叫んだ。
「ニコラス、その女を刺せ」
ニコラスは、祭壇に置かれていた短剣を手にすると、私のお腹にそれを突き立てた。
「お嬢様」「エリー」
ケニーの後から入って来たシリーとケニーの叫び声が上がった。
ニコラスの持つ短剣が私のお腹に押し当てられ、服が切り裂かれている。ああ、また私、お腹を刺されて死んでしまうのね。お腹に痛みを感じないわ。もう、感覚がないのね。このまま意識が暗転して、また、あの不思議な空間にいくのかしら。今度の担当官もシリウスなのかな。なら、また、何か加護がもらえるかしら。ん。そういえば、今回もらった加護は『ブツリ攻撃無効』だったはず。
「お嬢様、意識をしっかり持って下さい。今、回復薬を出しますから」
「えりー。死ぬな―」
「シリー。回復薬はいらないから。それとケニーは抱き付かない」
「お嬢様、諦めないでください。まだ間に合います」
「そうだ、血止めをして回復薬を飲めば、まだどうにかなる」
「血止めも必要ないわ。そもそも血が出てないし」
「えっ」「あ?」
「私、『ブツリ攻撃無効』の加護を持っているの」
「あー。そうでしたね」
こいつ、自分で授けておいて、忘れていたな。まあ、私も忘れていたけれど。
「なんだそれ」
「ナイフとかの攻撃が刺さらない加護よ」
「それで、何ともないんだな」
「何ともなくはないわよ」
「どこかまずいのか!」
「まずいも何も、お気に入りの服に穴が開いちゃったじゃない」
「なんだそんなことか」
「そんなことじゃない。ほらこれ見てよ」
私はケニーに服の穴を広げて見せた。
「あ、うん、それはまずいな」
「どうしたの、ケニー」
ケニーが突然挙動不審に陥った。
「お嬢様、おへそが見えてますよ」
「キャー。見るな」
私はケニーを殴り倒した。
私とシリーとケニーの三人は、ニコラスを助け出すため、隣国エルファンド神聖王国で帝国軍に襲撃を受け、攫われた後、逆に、逃げ出し、相手を捕縛した場所に来ていた。
「エルフ原理主義同盟と言ってたなあいつら」
ニコラスだけは、帝国軍ではなく、別の集団に攫われていた。
「そいつらの拠点のどこかだとは思うけど、聞いて回るのは面倒くさいわね」
「面倒くさい、って、お前なあ」
「MPの無駄使いだけれども、ここは一発、この国を鑑定して、ニコラスの居場所を見つけるわよ」
「また、随分と力業だな」
「最近、MPの使いどころがなくて、有り余っているのよ。さっきだって、魔法を使う前に降参されちゃったし」
「そうか、それは残念だったな」
「なによ。その巻き込まれなくてよかった、って顔は」
「いや、そんなこと、これっぽっちも思ってないぞ」
「まあ、ならいいけれど。それじゃあいくわよ」
『鑑定』
「成る程ね。ここから北西にある街の、あいつらの拠点の一つにいたわ」
「よかった。見つかったか」
「ただ、そこは余り大きな拠点ではないのよ。一時的に寄っただけで、別の拠点に移動する可能性が高いわ」
「そんなにいくつも拠点があるのか」
「国中のあちこちにあるわね。かなり大きな組織みたい」
「移動される前に助け出したほうがいいな」
「そうね。急いでいきましょう。シリー、馬車ごと街のそばまで転移して」
私がシリーに命令すると、ケニーに止められた。
「おい、いいのか?」
「何のこと」
「転移を隠す気あるのかってこと」
「ああ、そういうことね。じゃあ馬車で移動しましょう。ケニー御者をお願いできる」
「わかった。北西の街だな」
ケニーの御者で、私たちは北西の街に向けて馬車で出発した。
「さて、シリー。馬車はケニーに任せて私たちは先に行くわよ」
「後で、ケニー様に怒られますよ」
「エルフ原理主義同盟の奴ら、ニコラスには手荒なまねはしないと思うけど、帝国が絡んでいるから万が一ということもあるわ」
「帝国? ああ例の薬ですか」
「同盟の奴らが、ニコラスの存在だけあれば、意思はいらないと考えていたら、帝国製の危険な薬物を使う可能性があるわ。シリーもこの前のようなことにならないように注意してね」
シリーにヨークシャ商会での失敗を繰り返さないように注意した。
「そう言われましても、自分では覚えていないもので」
そうだった。あのことは、グラールの所為で、無かったことになっているのだった。シリーには一応経緯を説明してあるが、話だけでは実感がわかないだろう。しかし、女神に毒薬が効くなんて想定外だった。
「まあ、毒物に気を付けて、ということ。じゃあ拠点のそばの目立たない所に転移して」
「畏まりました」
『転移』
エルフ原理主義同盟の拠点は、住宅街にある、小さな一軒家だった。
「お嬢様、どうしますか」
「ニコラスは正面玄関を入ってすぐの部屋にいるわ、正々堂々正面から乗り込みましょう」
「大丈夫ですか?」
「ニコラスの命を人質にすることはないだろうから、大丈夫よ」
私は拠点の正面玄関をノックする。
コンコンコン。
「すみません」
中からの反応はない。
「す、み、ま、せ、ん。どなたかいらっしゃいませんか」
大声で呼びかけてみる。
「何だうるさいぞ」
中から大男が扉を開けた。
「ニコラスを返してもらいに来ました」
「貴様は、公爵令嬢、どうしてここに」
「そこを退いてください」
私は大男を睨み付けた。男は二歩三歩と引き下がる。
拠点の建物に入ると、ニコラスは正面の祭壇のような場所に座らされていた。
「ニコラス、迎えに来ましたよ。一緒に帰りましょう」
私が声を掛けるが反応がない。虚ろな感じで様子がおかしい。既に薬を盛られたか。
「公爵令嬢、勝手に入ってこられては困ります。それにニコラス様は帰りたくないご様子です」
脇の扉を開けて、同志ライムと名乗った女性が出てきた。
「あなたたち、ニコラスに何をしたの」
「エルフの神格性について、わかっていただいただけです」
「何か薬を使ったのではないでしょうね」
「それは、これのことですか」
ライムは、黒い液体の入った瓶を揺すって見せた。
「こんな無粋なもの使いませんよ。こんな物使わなくても、こちらにはエルフの秘宝があるんです」
どうやら帝国の薬は使っていないようだ。
「とはいえ、この薬の効果も知っておきたいですからね。あなたで試してみましょうか」
いつの間にやら、ぞろぞろ出てきた同盟のメンバーに囲まれていた。
「しかし、一人で、のこのこ乗り込んでくるとは、公爵令嬢は馬鹿なのか」
え、一人? 周りを見てもシリーの姿がない。よく見ると、玄関の外、表の道路にシリーはいた。あの阿魔《あま》ー! 確かに、踏み込まなければ毒物にやられることもないだろう。
まあ、いい。この方が、全力が出せて好都合だ。
「それはこれを受けてから考え直しなさい」
『風神』
魔剣に付与されていた『風刃』の改良版である。より広範囲に風の刃を振るうことができる。
「うお」
「痛」
「ぐっ」
全力でやると、全員を切り刻んでしまうので、武器を無力化できる程度に力を抑えて使用する。
『触手』『吸魔』
両手に魔法カードを出し。二つの魔法を同時に発動する。『触手』で拘束し、『吸魔』でMPを吸い取り、魔法を使えなくする。
全員を動けなくしたところで、男が一人玄関から突っ込んで来た。
「エリー。街に着いたら馬車の中にいなかったからビックリしたぞ」
「しー。しー」
大声でそんなことを言ったら、転移魔法がばれちゃうだろ。
「それにケニー、抱き付かないで、と言ったでしょ」
「お、悪りー。それで、ニコラスさんはどうした」
「あそこにいるわ」
ニコラスは相変わらず祭壇の前に座っている。何かを見つめているようだ。
私はニコラスに近付き、肩をゆする。
「ニコラス。どうしたの大丈夫」
反応が無いので、前に回り込み、顔を覗き込む。その時、拘束されている同志ライムが叫んだ。
「ニコラス、その女を刺せ」
ニコラスは、祭壇に置かれていた短剣を手にすると、私のお腹にそれを突き立てた。
「お嬢様」「エリー」
ケニーの後から入って来たシリーとケニーの叫び声が上がった。
ニコラスの持つ短剣が私のお腹に押し当てられ、服が切り裂かれている。ああ、また私、お腹を刺されて死んでしまうのね。お腹に痛みを感じないわ。もう、感覚がないのね。このまま意識が暗転して、また、あの不思議な空間にいくのかしら。今度の担当官もシリウスなのかな。なら、また、何か加護がもらえるかしら。ん。そういえば、今回もらった加護は『ブツリ攻撃無効』だったはず。
「お嬢様、意識をしっかり持って下さい。今、回復薬を出しますから」
「えりー。死ぬな―」
「シリー。回復薬はいらないから。それとケニーは抱き付かない」
「お嬢様、諦めないでください。まだ間に合います」
「そうだ、血止めをして回復薬を飲めば、まだどうにかなる」
「血止めも必要ないわ。そもそも血が出てないし」
「えっ」「あ?」
「私、『ブツリ攻撃無効』の加護を持っているの」
「あー。そうでしたね」
こいつ、自分で授けておいて、忘れていたな。まあ、私も忘れていたけれど。
「なんだそれ」
「ナイフとかの攻撃が刺さらない加護よ」
「それで、何ともないんだな」
「何ともなくはないわよ」
「どこかまずいのか!」
「まずいも何も、お気に入りの服に穴が開いちゃったじゃない」
「なんだそんなことか」
「そんなことじゃない。ほらこれ見てよ」
私はケニーに服の穴を広げて見せた。
「あ、うん、それはまずいな」
「どうしたの、ケニー」
ケニーが突然挙動不審に陥った。
「お嬢様、おへそが見えてますよ」
「キャー。見るな」
私はケニーを殴り倒した。
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