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第二章
第44話 神のいない世界
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シリーのせいで、学院で嫌な思いをしたけれど、なんとか屋敷に帰ってきた。
部屋で一服すると、気がかりだった、枢機卿の孫、ラン司祭のことを思い出す。
「ねえシリーちょっとお願いしたい事が有るのだけれど」
「何でしょうお嬢様」
「この世界の神様に連絡を取ることは出来る?」
「この世界に神はいません」
「えっ、神様が居ないの?!」
私は驚いて目を丸くします。ぜんぜん丸くないって。言葉の綾です。
「前に加護について聞いたとき、この世界を作った神がいるようなこと言ってなかった」
「この世界を創造した神はいました。ですが、この世界は既に放置され、所謂メンテナンスも更新も行われていません。神が管理していないんです。ですからこの世界に神はいません」
「そんなはずは無いわ。司祭は神託を使って神の声を聞いてるのよ」
「それはプログラムです」
「プログラム?」
「その司祭が聞いているのは、神の声ではなくプログラムからの情報です」
どういうこと? 私は首を傾げる。
「人工知能からの声と言った方が分かりやすいでしょうか」
「その人工知能、この場合神工知能かな? それは神では無いということ」
「そうです。神が作り、一見神の様に振る舞まっていても、作られた物は神ではありません。前世でも人が作った人工知能は人ではなかったでしょ」
「まあそう言われればそうなのかな」
あまり納得はいかないけれど、知りたいのはそこではないので話を進める。
「そうするとそのプログラムやら人工知能と連絡を取ることは出来ない」
「現状の私では無理です。例えば神託のように、何らかの方法があるかも知れませんが、現段階で、私はその方法を知りません」
んー。シリーでも知らないか。
「何か神に確かめなければならない事が有ったのですか」
「いや、大したことでは無いのだけれど、司祭はこの世界の事実をどこまで知っているのかと思って」
「そうですか」
シリーが知らないなら仕方ないか。最終的には鑑定で探し出すことができるかもしれないが、その場合、何を鑑定すればいいのだろうか。この世界全体か? どれだけMPが必要になることやら。別にそこまでして知りたい情報ではない。
そういえば、ここを創造した神はどこで何をしているのだろう。
「シリー、ここを創造した神とは連絡取れないの」
「行方知らずです」
「え」
「どこにいるか分かりません」
さいですか。
部屋で一服すると、気がかりだった、枢機卿の孫、ラン司祭のことを思い出す。
「ねえシリーちょっとお願いしたい事が有るのだけれど」
「何でしょうお嬢様」
「この世界の神様に連絡を取ることは出来る?」
「この世界に神はいません」
「えっ、神様が居ないの?!」
私は驚いて目を丸くします。ぜんぜん丸くないって。言葉の綾です。
「前に加護について聞いたとき、この世界を作った神がいるようなこと言ってなかった」
「この世界を創造した神はいました。ですが、この世界は既に放置され、所謂メンテナンスも更新も行われていません。神が管理していないんです。ですからこの世界に神はいません」
「そんなはずは無いわ。司祭は神託を使って神の声を聞いてるのよ」
「それはプログラムです」
「プログラム?」
「その司祭が聞いているのは、神の声ではなくプログラムからの情報です」
どういうこと? 私は首を傾げる。
「人工知能からの声と言った方が分かりやすいでしょうか」
「その人工知能、この場合神工知能かな? それは神では無いということ」
「そうです。神が作り、一見神の様に振る舞まっていても、作られた物は神ではありません。前世でも人が作った人工知能は人ではなかったでしょ」
「まあそう言われればそうなのかな」
あまり納得はいかないけれど、知りたいのはそこではないので話を進める。
「そうするとそのプログラムやら人工知能と連絡を取ることは出来ない」
「現状の私では無理です。例えば神託のように、何らかの方法があるかも知れませんが、現段階で、私はその方法を知りません」
んー。シリーでも知らないか。
「何か神に確かめなければならない事が有ったのですか」
「いや、大したことでは無いのだけれど、司祭はこの世界の事実をどこまで知っているのかと思って」
「そうですか」
シリーが知らないなら仕方ないか。最終的には鑑定で探し出すことができるかもしれないが、その場合、何を鑑定すればいいのだろうか。この世界全体か? どれだけMPが必要になることやら。別にそこまでして知りたい情報ではない。
そういえば、ここを創造した神はどこで何をしているのだろう。
「シリー、ここを創造した神とは連絡取れないの」
「行方知らずです」
「え」
「どこにいるか分かりません」
さいですか。
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