43 / 80
第二章
第42話 講師
しおりを挟む
ヒロインの騒動が片付き、周囲が落ち着いてきたころ、狙いすましたかのように前方のドアから講師とおもわれる3人の男女が講義室に入ってきた。
「はい皆さん、席に着き注目してください」
一番年配の男性が声を上げる。
「私がこの学年の主任担当のパッカー=サウス=ロートである。皆さん宜しく。因みに南の公爵は兄にあたる。法律経済の講義も担当する。」
赤みがかった茶髪のちょっとでっぷりした感じの中年紳士である。
「隣にいるのが、副担当のセリーネ=ビヤンコ侯爵夫人とニコラス=アウラン子爵である」
中年紳士の紹介を受けて、夫人にしてはまだ若い黄色みがかった金髪の女性が自己紹介する。
「紹介を受けたセリーネ=ビヤンコです。主に女性の方の生活指導を担当します。困ったことがあったら何でも相談してくださいね。礼節作法とダンスも担当します」
にこやかに微笑みながら語り掛けるような話しぶりだ。
続いてその隣に立つ男性が話し出す。
「ニコラス=アウラン子爵だ、新任だがよろしく頼む、主に男共の生活指導を担当する。専門は地理歴史だ」
少し横柄な感じにこう挨拶した緑色の髪をした男性は、その耳の先が少し尖っている。エルフの特徴を色濃く残している。
この世界には昔、エルフやドワーフ、獣人といった亜人がいたが、人族との交流が進み、純粋な亜人は居なくなってしまった。しかし、時たま亜人の特徴を持つ子供が生まれることがある。そんな子供は差別の対象となったり、逆に、祀り上げられたりと、良くも悪くも特別扱いされることが有るので大変である。
私はこの新任講師を知っている。彼は、私が6歳の時から5年間、公爵家で家庭教師をしていたのだ。住み込みで私や弟の勉強を見る傍ら、従者の様な仕事をしていたのである。
そして、彼はゲームの攻略対象者の一人であった。
そんなことを考えている内にも中年紳士の説明は続いていく。
「一日の時間割は、前半D3、D4トキが書記 算術 歴史地理 法律経済 作法礼節の講義、大体がこの講義室で行われる。昼休みのD5トキを挟んで、後半D6、D7トキが魔法やダンス、体術剣術、護身術の実習となる。場所はその時々で異なるから掲示板でよく確認するように」
前半D3、D4トキというのは前世でいう、午前9時から正午までに当たる。
昼の間が D1からD8トキ。
夜の間がN1からN8トキ。
1トキ約1時間半。
1トキは8タイム。1タイム約11.25分である。
「それと、その日何の講義や実習が行われるかは、一週間の予定が掲示板に張り出されるので、これも確認しておくように。なお、前半の講義は全て受けなくてはならない必須だが、後半の実習は選択で、必要なものだけを受ければよい」
1週間は8日、普通は5日学んで 3日休みである。
「一年間の主な予定は、第2月、3月が前期、第4月が夏休み、第5月、6月が後期、第1月が冬休みだ」
なんとこちらの世界、一年は6か月しかない。ただし、一月は8週間もある。計算すると一年は384日有り、前世より長い。
これらの知識も、講義室の前に立つ新任講師に教わったことを思い出し、思わず苦笑いが浮かぶ。学問無双できると思っていたのに出鼻をくじかれたかんじだった。
「なお、3年目の夏休みには迷宮実習が予定されているので、参加希望者はよく鍛えておくように」
この迷宮実習が、私の人生を決める大切なターニングポイントになる。それまでに準備を確実に進めなければ。
その後も中年紳士からは、細かい諸注意が続いていた。私はこれからどの様に準備を進めようか考えていた。
「以上だ。質問がなければ終わりにする」
質問を受ける気があるのか疑いたくなる勢いで中年紳士が退出していく。続いて残りの二人も退出する。退出間際に新任講師がこちらに苦笑いを浮かべながら手を振っていた。何故苦笑い?
「お嬢様、余りに睨み続けますと講師の方々がお可哀想ですよ」
「別に睨んでなんかいないは、ちょっと考え事をしていただけよ」
リココに要らぬ疑いを掛けられてしまった。まさか、中年紳士が逃げるように出ていったのは私のせいではないわよね。
今日は前半のオリエンテーションで終了、後半の実習は無いとのこと。私は帰宅に向け、リリコを従え講義室の後ろの扉から外に出た。
私たちが学院正面の昇降口に辿り着くと、そこには既に迎えの馬車が着いて……まだ着いていなかった。迎えの馬車を手配するのはシリーの役目である。シリーのやつ使えん。
「リココ、ちょっと馬車の待機所まで行って、迎えが来ていないか見て来てくれる」
私の指示にリココが少し考えた素振りを見せる。
「ですが、お嬢様をお一人にするわけには……」
「大丈夫よ、ここはまだ学院内だし、一人でも危険はないわ」
「そうですか。分かりました。では直ぐ見て参ります」
「よろしくね」
速足に待機所に向かうリココを目で追うと、後ろから声を掛けられた。
「やあ、イライザ嬢久し振り、8年振りくらいかな。僕だよ。当然分かるよね?」
振り向いた私の瞳に映ったのは、オレンジ色の髪をした少年だった。
「これは、ラン司祭お久しぶりです」
攻略対象者の一人、枢機卿の孫のラン=マホンだ。最近司祭になったと聞いている。
「僕が司祭になったこと分かるんだ。流石に何でもお見通しだね」
別に鑑定で知ったわけではないが、敢えてそのことには触れない。
「ところで、今日はどのようなご用件でしょうか」
「そんなに警戒しないでよ。これから同じ学院で学ぶ事になったから、挨拶に来ただけだから。神様にも言われてるんだよね。君とは敵対しないようにって」
彼の使える魔法は支援系魔法、その中でも異質な『神託』が使える。
「それより見てたよ。流石に女の子を土下座させるなんて、見た目が良くないよ」
「あれは私がさせていたわけではありません」
「あの子が『世の理』なのかな?」
「流石司祭様、難しいことを仰るのですね。私には分かりかねます」
『世の理』とは何のことだろう? たぶんヒロインを指しているのだろうが、そんな言葉初めて聞いた。
「またまた、白を切るのがうまいね」
「何のことやら」
こいつどこまで知っているのだろう。彼を『鑑定』すべきだろうか。
「睨むの止めて貰えるかな。流石に僕でも君に睨まれたら、ここで土下座しかねない」
凝視し過ぎたか。私は彼から目を背ける。
「ふー。まあ、こちらはそちらと敵対する積もりは無いから。それは覚えて置いて貰えると助かるかな。そういうことだからよろしくね」
それだけ言い残すと、彼は帰宅を急ぐ人混みの中に紛れて行った。
神はどこまで事実を彼に伝えているのだろう。シリーに聞けば分かるかしら?
考え込んでいるとリココが戻ってきた。
「お嬢様、やはり迎えの馬車はまだ着いていないようです」
「そう、シリーがまたサボっているのかしら。仕方ないわね。学院内のカフェで少し時間を潰してきましょう」
私はリココを引き連れてカフェに向かうのでした。それがイベント強制力だとは知らずに。
「はい皆さん、席に着き注目してください」
一番年配の男性が声を上げる。
「私がこの学年の主任担当のパッカー=サウス=ロートである。皆さん宜しく。因みに南の公爵は兄にあたる。法律経済の講義も担当する。」
赤みがかった茶髪のちょっとでっぷりした感じの中年紳士である。
「隣にいるのが、副担当のセリーネ=ビヤンコ侯爵夫人とニコラス=アウラン子爵である」
中年紳士の紹介を受けて、夫人にしてはまだ若い黄色みがかった金髪の女性が自己紹介する。
「紹介を受けたセリーネ=ビヤンコです。主に女性の方の生活指導を担当します。困ったことがあったら何でも相談してくださいね。礼節作法とダンスも担当します」
にこやかに微笑みながら語り掛けるような話しぶりだ。
続いてその隣に立つ男性が話し出す。
「ニコラス=アウラン子爵だ、新任だがよろしく頼む、主に男共の生活指導を担当する。専門は地理歴史だ」
少し横柄な感じにこう挨拶した緑色の髪をした男性は、その耳の先が少し尖っている。エルフの特徴を色濃く残している。
この世界には昔、エルフやドワーフ、獣人といった亜人がいたが、人族との交流が進み、純粋な亜人は居なくなってしまった。しかし、時たま亜人の特徴を持つ子供が生まれることがある。そんな子供は差別の対象となったり、逆に、祀り上げられたりと、良くも悪くも特別扱いされることが有るので大変である。
私はこの新任講師を知っている。彼は、私が6歳の時から5年間、公爵家で家庭教師をしていたのだ。住み込みで私や弟の勉強を見る傍ら、従者の様な仕事をしていたのである。
そして、彼はゲームの攻略対象者の一人であった。
そんなことを考えている内にも中年紳士の説明は続いていく。
「一日の時間割は、前半D3、D4トキが書記 算術 歴史地理 法律経済 作法礼節の講義、大体がこの講義室で行われる。昼休みのD5トキを挟んで、後半D6、D7トキが魔法やダンス、体術剣術、護身術の実習となる。場所はその時々で異なるから掲示板でよく確認するように」
前半D3、D4トキというのは前世でいう、午前9時から正午までに当たる。
昼の間が D1からD8トキ。
夜の間がN1からN8トキ。
1トキ約1時間半。
1トキは8タイム。1タイム約11.25分である。
「それと、その日何の講義や実習が行われるかは、一週間の予定が掲示板に張り出されるので、これも確認しておくように。なお、前半の講義は全て受けなくてはならない必須だが、後半の実習は選択で、必要なものだけを受ければよい」
1週間は8日、普通は5日学んで 3日休みである。
「一年間の主な予定は、第2月、3月が前期、第4月が夏休み、第5月、6月が後期、第1月が冬休みだ」
なんとこちらの世界、一年は6か月しかない。ただし、一月は8週間もある。計算すると一年は384日有り、前世より長い。
これらの知識も、講義室の前に立つ新任講師に教わったことを思い出し、思わず苦笑いが浮かぶ。学問無双できると思っていたのに出鼻をくじかれたかんじだった。
「なお、3年目の夏休みには迷宮実習が予定されているので、参加希望者はよく鍛えておくように」
この迷宮実習が、私の人生を決める大切なターニングポイントになる。それまでに準備を確実に進めなければ。
その後も中年紳士からは、細かい諸注意が続いていた。私はこれからどの様に準備を進めようか考えていた。
「以上だ。質問がなければ終わりにする」
質問を受ける気があるのか疑いたくなる勢いで中年紳士が退出していく。続いて残りの二人も退出する。退出間際に新任講師がこちらに苦笑いを浮かべながら手を振っていた。何故苦笑い?
「お嬢様、余りに睨み続けますと講師の方々がお可哀想ですよ」
「別に睨んでなんかいないは、ちょっと考え事をしていただけよ」
リココに要らぬ疑いを掛けられてしまった。まさか、中年紳士が逃げるように出ていったのは私のせいではないわよね。
今日は前半のオリエンテーションで終了、後半の実習は無いとのこと。私は帰宅に向け、リリコを従え講義室の後ろの扉から外に出た。
私たちが学院正面の昇降口に辿り着くと、そこには既に迎えの馬車が着いて……まだ着いていなかった。迎えの馬車を手配するのはシリーの役目である。シリーのやつ使えん。
「リココ、ちょっと馬車の待機所まで行って、迎えが来ていないか見て来てくれる」
私の指示にリココが少し考えた素振りを見せる。
「ですが、お嬢様をお一人にするわけには……」
「大丈夫よ、ここはまだ学院内だし、一人でも危険はないわ」
「そうですか。分かりました。では直ぐ見て参ります」
「よろしくね」
速足に待機所に向かうリココを目で追うと、後ろから声を掛けられた。
「やあ、イライザ嬢久し振り、8年振りくらいかな。僕だよ。当然分かるよね?」
振り向いた私の瞳に映ったのは、オレンジ色の髪をした少年だった。
「これは、ラン司祭お久しぶりです」
攻略対象者の一人、枢機卿の孫のラン=マホンだ。最近司祭になったと聞いている。
「僕が司祭になったこと分かるんだ。流石に何でもお見通しだね」
別に鑑定で知ったわけではないが、敢えてそのことには触れない。
「ところで、今日はどのようなご用件でしょうか」
「そんなに警戒しないでよ。これから同じ学院で学ぶ事になったから、挨拶に来ただけだから。神様にも言われてるんだよね。君とは敵対しないようにって」
彼の使える魔法は支援系魔法、その中でも異質な『神託』が使える。
「それより見てたよ。流石に女の子を土下座させるなんて、見た目が良くないよ」
「あれは私がさせていたわけではありません」
「あの子が『世の理』なのかな?」
「流石司祭様、難しいことを仰るのですね。私には分かりかねます」
『世の理』とは何のことだろう? たぶんヒロインを指しているのだろうが、そんな言葉初めて聞いた。
「またまた、白を切るのがうまいね」
「何のことやら」
こいつどこまで知っているのだろう。彼を『鑑定』すべきだろうか。
「睨むの止めて貰えるかな。流石に僕でも君に睨まれたら、ここで土下座しかねない」
凝視し過ぎたか。私は彼から目を背ける。
「ふー。まあ、こちらはそちらと敵対する積もりは無いから。それは覚えて置いて貰えると助かるかな。そういうことだからよろしくね」
それだけ言い残すと、彼は帰宅を急ぐ人混みの中に紛れて行った。
神はどこまで事実を彼に伝えているのだろう。シリーに聞けば分かるかしら?
考え込んでいるとリココが戻ってきた。
「お嬢様、やはり迎えの馬車はまだ着いていないようです」
「そう、シリーがまたサボっているのかしら。仕方ないわね。学院内のカフェで少し時間を潰してきましょう」
私はリココを引き連れてカフェに向かうのでした。それがイベント強制力だとは知らずに。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
家族内ランクE~とある乙女ゲー悪役令嬢、市民堕ちで逃亡します~
りう
ファンタジー
「国王から、正式に婚約を破棄する旨の連絡を受けた。
ユーフェミア、お前には二つの選択肢がある。
我が領地の中で、人の通わぬ屋敷にて静かに余生を送るか、我が一族と縁を切り、平民の身に堕ちるか。
――どちらにしろ、恥を晒して生き続けることには変わりないが」
乙女ゲーの悪役令嬢に転生したユーフェミア。
「はい、では平民になります」
虐待に気づかない最低ランクに格付けの家族から、逃げ出します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる