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二年目、六歳
第74話 山神様なの。
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無法者の砂漠の民達を追い返すことに成功したレイニィは、サニィとウォーミィを正気に戻すと、先程の山神について説明した。
「つまり、あれは、霧に映し出された私の影だったということ?」
「そういうことなの。この照明を使って、ほら。なの」
レイニィは、手に持った照明で、サニィを照らす。その影が、魔法で発生させた、霧に映し出され、先程の山神が再現させる。所謂、ブロッケン現象だ。
サニィは、今度は落ち着いて見られるようだ。手を上げたり下げたりして影の動きを確かめている。
「ですが、あの天罰は、偶然ではないですよね?」
「あれは私が魔法で発生させたの」
「あれが魔法! これからは、レイニィお姉神様と呼ばせていただきます」
ウォーミィがレイニィを拝み始める。
「何なの? その変な呼び方――。それに拝むの禁止なの!」
(こっちの世界では、神様に変な名前を付けるのは普通のことなのかしら?)
『希少世放神』なんて変な名前の称号を付けられたレイニィはそんなことを考えていた。
まさか、その称号に、(信者:一人)と書き加えられていたとは、夢にも思っていなかった。
その後は、アイス達護衛を救護し、魔法で魔力を少し抜いてやったら、すぐ動けるようになった。
それから、熱気球で城塞都市セットに戻ったのだった。
勿論、雷神鳥とその卵は、ちゃんと神の封筒に入れて持ち帰った。
城に戻ってから雷神鳥の話となり、黒焦げの雷神鳥を出すと大騒ぎとなった。
討伐依頼が出されていたようで、レイニィは多額の報償金を受け取ることとなった。
その際、ウォーミィがレイニィのことを何度も『お姉神様』と呼んでいたため、翌日には周囲の人々までもが、レイニィのことを『尾根神様』と呼びようになった。
そしてその次の日には、レイニィが街を散策していると、住民達がレイニィを見て噂するようになった。
「あの子が雷神鳥を倒して、尾根神様になったレイニィ様だよ」
「何でも雷神鳥を雷で倒したとか――」
「雷神を雷でか? それは本物の山神様だな」
そして、さらに次の日には、若い女性達がレイニィに手を振って黄色い歓声を上げるようになった。
「ほら。レイニィ尾根神様よ」
「本当だ。山神様だ」
「こっちを見ないかしら。尾根神様ー」
「山神様ー。キャー! こっちを見たわ!」
「山神様。カワイイー!!」
「レイニィ、何か向こうで騒がれてますわよ」
「そ、そうなの?」
「レイニィお姉神様、手を振り返してあげてください」
「え、でも……」
「そうよ。手を振ってあげればいいわ。人気者なのだから!」
サニィはどこか不機嫌だ。
「そうですよ。お姉神様の信者が増えますよ」
ウォーミィはニコニコだ。
「そうなの。なら、少しだけ――って、信者って何なの?!」
「キャー! 手を振り返してくださったわ」
「すごーい。オーラが出てたよ。ご利益があるかな」
「……」
レイニィは困り顔で、声を出すこともできなかった。
城塞都市セットには一週間ほど滞在し、山の自然を堪能した。
この世界でも、山の天気は変わりやすいと、改めて確認するレイニィであったが、知らない間に信者は二けたに上っていたのだった。
「つまり、あれは、霧に映し出された私の影だったということ?」
「そういうことなの。この照明を使って、ほら。なの」
レイニィは、手に持った照明で、サニィを照らす。その影が、魔法で発生させた、霧に映し出され、先程の山神が再現させる。所謂、ブロッケン現象だ。
サニィは、今度は落ち着いて見られるようだ。手を上げたり下げたりして影の動きを確かめている。
「ですが、あの天罰は、偶然ではないですよね?」
「あれは私が魔法で発生させたの」
「あれが魔法! これからは、レイニィお姉神様と呼ばせていただきます」
ウォーミィがレイニィを拝み始める。
「何なの? その変な呼び方――。それに拝むの禁止なの!」
(こっちの世界では、神様に変な名前を付けるのは普通のことなのかしら?)
『希少世放神』なんて変な名前の称号を付けられたレイニィはそんなことを考えていた。
まさか、その称号に、(信者:一人)と書き加えられていたとは、夢にも思っていなかった。
その後は、アイス達護衛を救護し、魔法で魔力を少し抜いてやったら、すぐ動けるようになった。
それから、熱気球で城塞都市セットに戻ったのだった。
勿論、雷神鳥とその卵は、ちゃんと神の封筒に入れて持ち帰った。
城に戻ってから雷神鳥の話となり、黒焦げの雷神鳥を出すと大騒ぎとなった。
討伐依頼が出されていたようで、レイニィは多額の報償金を受け取ることとなった。
その際、ウォーミィがレイニィのことを何度も『お姉神様』と呼んでいたため、翌日には周囲の人々までもが、レイニィのことを『尾根神様』と呼びようになった。
そしてその次の日には、レイニィが街を散策していると、住民達がレイニィを見て噂するようになった。
「あの子が雷神鳥を倒して、尾根神様になったレイニィ様だよ」
「何でも雷神鳥を雷で倒したとか――」
「雷神を雷でか? それは本物の山神様だな」
そして、さらに次の日には、若い女性達がレイニィに手を振って黄色い歓声を上げるようになった。
「ほら。レイニィ尾根神様よ」
「本当だ。山神様だ」
「こっちを見ないかしら。尾根神様ー」
「山神様ー。キャー! こっちを見たわ!」
「山神様。カワイイー!!」
「レイニィ、何か向こうで騒がれてますわよ」
「そ、そうなの?」
「レイニィお姉神様、手を振り返してあげてください」
「え、でも……」
「そうよ。手を振ってあげればいいわ。人気者なのだから!」
サニィはどこか不機嫌だ。
「そうですよ。お姉神様の信者が増えますよ」
ウォーミィはニコニコだ。
「そうなの。なら、少しだけ――って、信者って何なの?!」
「キャー! 手を振り返してくださったわ」
「すごーい。オーラが出てたよ。ご利益があるかな」
「……」
レイニィは困り顔で、声を出すこともできなかった。
城塞都市セットには一週間ほど滞在し、山の自然を堪能した。
この世界でも、山の天気は変わりやすいと、改めて確認するレイニィであったが、知らない間に信者は二けたに上っていたのだった。
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