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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件
5. 両親
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悪役令嬢役を引き受けたら異世界に飛ばされ、そのうえ、子供に戻っていた。
困惑していると、部屋のドアが開き誰かが入って来た。
「マリー、どうした何があった!」
入ってきたのは黒髪のイケメン男性だった。スタイルもバッチリ。
「あなた、マリーは無事なの?!」
少し遅れて、金髪碧眼の美人もやってきた。
そして、その美人は、そのまま、私に抱きついてきた。
「マリー、意識が戻ったのね。よかったわ。突然倒れて、意識が戻らなかったから心配したのよ」
私、意識不明だったのか? 何があったのだろう?
それよりこの二人は誰だ? 私はこの二人を知らない。
状況から見て、私がマリーで、この二人はマリーの両親だろうか?
「お母様?」
「なあに、マリー」
「お父様?」
「なんだ、マリー」
やはり、両親で間違いないようだ。
そして、両親の服装だが、二人の後からやって来て、様子を窺っている人たちとは明らかに違う。
後から来た人たちは、執事服やメイド服だが、二人の衣装は、いかにも高級そうだ。
ここがプロヂューサーが言っていた公爵邸なら、二人は公爵と公爵夫人で間違いないだろう。
そうすると、私は公爵令嬢ということになるのだが……。
私が、受けたのは悪役令嬢役だ。
もしかして、既に劇は始まっているのだろうか?
だが、プロデューサーは準備期間が七年あると言っていた。
説明がないまま放り出されて、わけがわからないことだらけだ。
そうだ、こちらにいるマネージャーに詳しい事は聞けと言われたんだった。
「あのー。マネージャーは?」
「マネージャー? 何のことだい?」
あれ? マネージャーは? マネージャーはどこ!
マネージャーがいないことには、この後、何をすればいいかわからないじゃない。
何処で油を売っているのやら。使えないマネージャーだわね!
ああ、せめて、台本が読めれば、いくらか現状を推測できるのだろうが……。
台本はしっかりと枕元に置いてあった。
マネージャーはあてにならないから、これは、文字を覚えて、台本を読むのが最優先事項だわね。
そういえば、両親がしゃべっているのは日本語じゃないけど、意味がわかる。
プロデューサーのあれで、言葉を授かったということなのだろうか?
「あら、マリー、顔が赤いわよ」
プロデューサーから、額にキスをされたことを思い出して頬を染めてしまったようだ。
お母様が、私の額を触って熱を確かめながら心配している。
「もう少し寝かせておいた方がいいだろう」
「そうね。マリー、もう少し寝ていなさい」
「はい、わかりました」
私が素直に頷くと、お父様が、私を抱き上げベッドに寝かせてくれた。
困惑していると、部屋のドアが開き誰かが入って来た。
「マリー、どうした何があった!」
入ってきたのは黒髪のイケメン男性だった。スタイルもバッチリ。
「あなた、マリーは無事なの?!」
少し遅れて、金髪碧眼の美人もやってきた。
そして、その美人は、そのまま、私に抱きついてきた。
「マリー、意識が戻ったのね。よかったわ。突然倒れて、意識が戻らなかったから心配したのよ」
私、意識不明だったのか? 何があったのだろう?
それよりこの二人は誰だ? 私はこの二人を知らない。
状況から見て、私がマリーで、この二人はマリーの両親だろうか?
「お母様?」
「なあに、マリー」
「お父様?」
「なんだ、マリー」
やはり、両親で間違いないようだ。
そして、両親の服装だが、二人の後からやって来て、様子を窺っている人たちとは明らかに違う。
後から来た人たちは、執事服やメイド服だが、二人の衣装は、いかにも高級そうだ。
ここがプロヂューサーが言っていた公爵邸なら、二人は公爵と公爵夫人で間違いないだろう。
そうすると、私は公爵令嬢ということになるのだが……。
私が、受けたのは悪役令嬢役だ。
もしかして、既に劇は始まっているのだろうか?
だが、プロデューサーは準備期間が七年あると言っていた。
説明がないまま放り出されて、わけがわからないことだらけだ。
そうだ、こちらにいるマネージャーに詳しい事は聞けと言われたんだった。
「あのー。マネージャーは?」
「マネージャー? 何のことだい?」
あれ? マネージャーは? マネージャーはどこ!
マネージャーがいないことには、この後、何をすればいいかわからないじゃない。
何処で油を売っているのやら。使えないマネージャーだわね!
ああ、せめて、台本が読めれば、いくらか現状を推測できるのだろうが……。
台本はしっかりと枕元に置いてあった。
マネージャーはあてにならないから、これは、文字を覚えて、台本を読むのが最優先事項だわね。
そういえば、両親がしゃべっているのは日本語じゃないけど、意味がわかる。
プロデューサーのあれで、言葉を授かったということなのだろうか?
「あら、マリー、顔が赤いわよ」
プロデューサーから、額にキスをされたことを思い出して頬を染めてしまったようだ。
お母様が、私の額を触って熱を確かめながら心配している。
「もう少し寝かせておいた方がいいだろう」
「そうね。マリー、もう少し寝ていなさい」
「はい、わかりました」
私が素直に頷くと、お父様が、私を抱き上げベッドに寝かせてくれた。
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