若松2D協奏曲

枝豆

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バレンタインデイ

優と北斗

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「これ。」
俯いて優が差し出したのは、歪な形のクッキーだった。

「これ?優が作ったの?」
「…うん。恥ずかしいけれど。忍さんに習った。」

従姉妹ねえちゃんでかした!よくやった!褒めて遣わす!!

バレンタインに手作りスィーツなんて優には絶対無理だと思ってた。

可愛らしい女の子らしいことから徹底的に逃げて来た優。
だからバレンタインそのものを無視してもおかしくないし、やってくれたとしてもウケを狙った市販品を買って来ておしまいだと思ってた。

嬉しい、マジ嬉しい。

「ありがとう…ホント嬉しい。」
やべっ、泣きそうだ。

こんな事で泣くなんて俺らしくない。
カッコ悪いところ優には見せたくない。

「大げさだよ。」
って優は言うけれど、そういう問題じゃないんだ、俺には。

優が恥ずかしがってなかなか見せてはくれない、女の子らしいところを見せてくれた、それが俺の為だってところがとにかく嬉しいの!!

「後、これね。」
もうひとつの包みは見たことがある。
優の家の近くにある洋菓子店の。

「こっちがちゃんとしたバレンタインね、さっきのはオマケ。」

「うん、ありがとう。どっちもちゃんと食べる。」

こっちも優らしい。恥ずかしいのを誤魔化すために保険をかけている…。

俺にとって大きいのはさっきのクッキーで、オマケはこっちなんだけど。
どっちも優の気持ちがこもってるから、ちゃんと嬉しい。





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