210 / 242
新年
2回戦
しおりを挟む
俺、アイツのこと知ってた。
ポツリと漏らした富田の言葉に一番驚いたのは新田だった。
「なんで?」
「…和津が過剰反応してたから。」
廊下ですれ違う時とか、さりげなく山本が見えないように視線を覆ったり、アイツを睨んでいたりしてたから…。
「良く気付いたな。」
俺は翠に対しては聞いていたから知ってたけど、新田に対しては気付いてなかったのに。
「…剣道してるから、だと思う。ちょっとした不自然な動きとか、探るような目付きとか、そういうのはわかる。
だから、和津に聞いたんだ。アイツ何なの!?って。」
「あー、だからか。
いきなり和津が「貴行になんかされてねーか?」って聞いてきたから、おかしいなって思ったんだよね。」
新田にも腑に落ちるところがあったらしい。
疾風に問いただされて、新田は和津に全部話した。疾風に富田に全部話してもらえるように頼んだ。
「そうしたら和津と富田が貴行から私を守ってくれる事になった。」
「で、仁志には言わなかったのは?」
新田が俯く。話し辛いことがあるみたいだ。
それは富田が話した。
「俺が、頼んだ。」
「なんで?理由は?」
「新田は好きな人に元彼とのゴタゴタを知られたくはないだろうって思ったのと、アイツなんか粘着質っぽいから、ターゲットが俺になれば良いかな、って思った。」
はあ、やっと見つけた、コレだ。
絵里も驚いて富田を見つめてるし、仁志に至っては堂々と?ため息まで吐いた。
「あー、何やってんだよ。要らない配慮とかしてんじゃねーよ。
あのな、絵里は友達!絵里にとっても俺は友達!友達が悩んでるのに何も知らされないって寂しいだろう?
秘密があるから絵里だって俺に対しておかしな態度になるだろう!?」
仁志の言葉に富田が牙を剥いた。
「友達!?お前それは酷くねー?新田の気持ち考えてやれよ!」
やっぱり気付いてないか。
「…酷いのはお前だ、富田。」
挟んじゃいけないのかもしれないけれど、挟まずにはいられなかった。
「勝手な思い込みで、新田の気持ちを決めつけるんじゃない。」
「だって…靴箱に鳩の死体入れるよーなヤツだよ?そんな奴に絡まれてるなんて、きっと仁志には知られたく無いし、知らされても仁志が危険に巻き込まれるだけだ。」
「まあ、そうだな。俺は富田みたいには出来なかった。いてまえ打線には参加は出来ねぇ。
だから言われた通りにベンチで大人しくしてたと思う。でも絵里からは離れなかった。」
仁志の言葉に富田は黙り込んだ。
「仁志に何も伝えなかったのは、貴行のターゲットをお前に集めるためだった、とりあえずそれでいいか?」
違うだろう…?そう聞きたいけど話が進まなくなる。
富田にはまだ覚悟が無さそうな気がした。
うん、と3人は頷いた。
よし、次。
ポツリと漏らした富田の言葉に一番驚いたのは新田だった。
「なんで?」
「…和津が過剰反応してたから。」
廊下ですれ違う時とか、さりげなく山本が見えないように視線を覆ったり、アイツを睨んでいたりしてたから…。
「良く気付いたな。」
俺は翠に対しては聞いていたから知ってたけど、新田に対しては気付いてなかったのに。
「…剣道してるから、だと思う。ちょっとした不自然な動きとか、探るような目付きとか、そういうのはわかる。
だから、和津に聞いたんだ。アイツ何なの!?って。」
「あー、だからか。
いきなり和津が「貴行になんかされてねーか?」って聞いてきたから、おかしいなって思ったんだよね。」
新田にも腑に落ちるところがあったらしい。
疾風に問いただされて、新田は和津に全部話した。疾風に富田に全部話してもらえるように頼んだ。
「そうしたら和津と富田が貴行から私を守ってくれる事になった。」
「で、仁志には言わなかったのは?」
新田が俯く。話し辛いことがあるみたいだ。
それは富田が話した。
「俺が、頼んだ。」
「なんで?理由は?」
「新田は好きな人に元彼とのゴタゴタを知られたくはないだろうって思ったのと、アイツなんか粘着質っぽいから、ターゲットが俺になれば良いかな、って思った。」
はあ、やっと見つけた、コレだ。
絵里も驚いて富田を見つめてるし、仁志に至っては堂々と?ため息まで吐いた。
「あー、何やってんだよ。要らない配慮とかしてんじゃねーよ。
あのな、絵里は友達!絵里にとっても俺は友達!友達が悩んでるのに何も知らされないって寂しいだろう?
秘密があるから絵里だって俺に対しておかしな態度になるだろう!?」
仁志の言葉に富田が牙を剥いた。
「友達!?お前それは酷くねー?新田の気持ち考えてやれよ!」
やっぱり気付いてないか。
「…酷いのはお前だ、富田。」
挟んじゃいけないのかもしれないけれど、挟まずにはいられなかった。
「勝手な思い込みで、新田の気持ちを決めつけるんじゃない。」
「だって…靴箱に鳩の死体入れるよーなヤツだよ?そんな奴に絡まれてるなんて、きっと仁志には知られたく無いし、知らされても仁志が危険に巻き込まれるだけだ。」
「まあ、そうだな。俺は富田みたいには出来なかった。いてまえ打線には参加は出来ねぇ。
だから言われた通りにベンチで大人しくしてたと思う。でも絵里からは離れなかった。」
仁志の言葉に富田は黙り込んだ。
「仁志に何も伝えなかったのは、貴行のターゲットをお前に集めるためだった、とりあえずそれでいいか?」
違うだろう…?そう聞きたいけど話が進まなくなる。
富田にはまだ覚悟が無さそうな気がした。
うん、と3人は頷いた。
よし、次。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
トップランカーの戦場 1
二ノ宮翼
青春
地味で目立たず、冷めた雰囲気の中学三年生、五十嵐勝一。
その正体はどんなジャンルにおいても頂点に君臨する、ゲーム界のトップランカー「IS」!微妙に冷めたトップランカーと彼を取り巻くゲームの話。
1はパズルゲーム編です。ゲーム好きな人、僕もゲームが好きだよ。よろしくね。
デートリヒは白い結婚をする
毛蟹葵葉
恋愛
デートリヒには婚約者がいる。
関係は最悪で「噂」によると恋人がいるらしい。
式が間近に迫ってくると、婚約者はデートリヒにこう言った。
「デートリヒ、お前とは白い結婚をする」
デートリヒは、微かな胸の痛みを見て見ぬふりをしてこう返した。
「望むところよ」
式当日、とんでもないことが起こった。
令嬢は辺境伯領で、涙が枯れても手放せないほど……愛おしい世界を見つけた
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が突然事故で他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して、領のことなど右も左もわからない。そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の4人のこどもたち(14歳男子、13歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、貴族のマナーなど全く知らないこどもたちに貴族のマナーを教えたり、女心を教えたり(?)とにかく、毎日が想像以上に大変!!
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※設定はゆるめです(たぬきち25番比)
※胸キュンをお届けできたらと思います。
※タイトル変更しました(旧題:人を好きになるのがこんなにつらいって……誰か教えてよ)
幽子さんの謎解きレポート~しんいち君と霊感少女幽子さんの実話を元にした本格心霊ミステリー~
しんいち
キャラ文芸
オカルト好きの少年、「しんいち」は、小学生の時、彼が通う合気道の道場でお婆さんにつれられてきた不思議な少女と出会う。
のちに「幽子」と呼ばれる事になる少女との始めての出会いだった。
彼女には「霊感」と言われる、人の目には見えない物を感じ取る能力を秘めていた。しんいちはそんな彼女と友達になることを決意する。
そして高校生になった二人は、様々な怪奇でミステリアスな事件に関わっていくことになる。 事件を通じて出会う人々や経験は、彼らの成長を促し、友情を深めていく。
しかし、幽子にはしんいちにも秘密にしている一つの「想い」があった。
その想いとは一体何なのか?物語が進むにつれて、彼女の心の奥に秘められた真実が明らかになっていく。
友情と成長、そして幽子の隠された想いが交錯するミステリアスな物語。あなたも、しんいちと幽子の冒険に心を躍らせてみませんか?
【本当にあった怖い話】
ねこぽて
ホラー
※実話怪談や本当にあった怖い話など、
取材や実体験を元に構成されております。
【ご朗読について】
申請などは特に必要ありませんが、
引用元への記載をお願い致します。
【完結】偽りの告白とオレとキミの十日間リフレイン
カムナ リオ
青春
八神斗哉は、友人との悪ふざけで罰ゲームを実行することになる。内容を決めるカードを二枚引くと、そこには『クラスの女子に告白する』、『キスをする』と書かれており、地味で冴えないクラスメイト・如月心乃香に嘘告白を仕掛けることが決まる。
自分より格下だから彼女には何をしても許されると八神は思っていたが、徐々に距離が縮まり……重なる事のなかった二人の運命と不思議が交差する。不器用で残酷な青春タイムリープラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる