90 / 242
優しい北斗七星
約束
しおりを挟む
「なんかキャラじゃないなぁ…。」
つい口をついた言葉。
「何が?」
「男の子に心配してもらうの。」
「優ちゃんはツヨガリサンだからなぁ。」
「うわ、ムカつく。北斗のくせに。」
…ドキっとした。
強がりさん…って。そんな可愛いキャラじゃないから!
「ねぇ、ゴールデンウィーク何してる?」
「…部活だけど。北斗達もでしょう?」
「まあ、そうだけど。全部じゃないし。ねぇいつ休み?」
「あー、確か3日と6日。」
「じゃあ、3日空けてよ。6日は試合なんだ。」
「…翠と約束してる。」
「だよな…。疾風もその日は狙ってる。」
「ねぇ、みんなで遊びに行かない?」
北斗が言い出した。
「なんで?」
「疾風と翠ちゃんのため…?
ほら、俺バスレクでキレちゃったから疾風に引かせちゃったでしょ?こう見えて俺、気にしちゃってるんだよね。」
「あの時の北斗は悪くなかったよ。」
そして思い出すのは吊橋…。
煩悩を頭の片隅に振り払う。
「俺か疾風から誘うからさぁ、仕方ないなぁって感じで一緒に付き合ってくんない?」
手のひらを合わせて北斗が拝んでくるから、断りにくい。
誘ってくれてありがとう、楽しみ。
そう可愛くは言えない。
我ながら面倒だな、っとは思うけど、そういうキャラだから仕方ない。
「仕方ないなぁ。」
北斗の顔が嬉しそうに破顔した。
「そうそうそんな感じで。頼りにしてるよ優ちゃん。」
「作戦考えような、たくさん。」
「作戦?」
「疾風と翠をくっつけよう!大作戦。」
「うわー、なにそのセンスのないネーミング。」
「えー!」
たわいのない話が沈みかけた気持ちを優しく浮き上がらせてくれる。
「北斗、やっぱりいいヤツだね。」
「ん?なんか言った?」
「…何も。」
「ねえ、どこ行こうか…。」
これは翠のため、翠のため、翠のための計画。
間違えちゃいけない。
そんなの私のキャラじゃない。
つい口をついた言葉。
「何が?」
「男の子に心配してもらうの。」
「優ちゃんはツヨガリサンだからなぁ。」
「うわ、ムカつく。北斗のくせに。」
…ドキっとした。
強がりさん…って。そんな可愛いキャラじゃないから!
「ねぇ、ゴールデンウィーク何してる?」
「…部活だけど。北斗達もでしょう?」
「まあ、そうだけど。全部じゃないし。ねぇいつ休み?」
「あー、確か3日と6日。」
「じゃあ、3日空けてよ。6日は試合なんだ。」
「…翠と約束してる。」
「だよな…。疾風もその日は狙ってる。」
「ねぇ、みんなで遊びに行かない?」
北斗が言い出した。
「なんで?」
「疾風と翠ちゃんのため…?
ほら、俺バスレクでキレちゃったから疾風に引かせちゃったでしょ?こう見えて俺、気にしちゃってるんだよね。」
「あの時の北斗は悪くなかったよ。」
そして思い出すのは吊橋…。
煩悩を頭の片隅に振り払う。
「俺か疾風から誘うからさぁ、仕方ないなぁって感じで一緒に付き合ってくんない?」
手のひらを合わせて北斗が拝んでくるから、断りにくい。
誘ってくれてありがとう、楽しみ。
そう可愛くは言えない。
我ながら面倒だな、っとは思うけど、そういうキャラだから仕方ない。
「仕方ないなぁ。」
北斗の顔が嬉しそうに破顔した。
「そうそうそんな感じで。頼りにしてるよ優ちゃん。」
「作戦考えような、たくさん。」
「作戦?」
「疾風と翠をくっつけよう!大作戦。」
「うわー、なにそのセンスのないネーミング。」
「えー!」
たわいのない話が沈みかけた気持ちを優しく浮き上がらせてくれる。
「北斗、やっぱりいいヤツだね。」
「ん?なんか言った?」
「…何も。」
「ねえ、どこ行こうか…。」
これは翠のため、翠のため、翠のための計画。
間違えちゃいけない。
そんなの私のキャラじゃない。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。
紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。
アルファポリスのインセンティブの仕組み。
ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。
どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。
実際に新人賞に応募していくまでの過程。
春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)
【本当にあった怖い話】
ねこぽて
ホラー
※実話怪談や本当にあった怖い話など、
取材や実体験を元に構成されております。
【ご朗読について】
申請などは特に必要ありませんが、
引用元への記載をお願い致します。
幽子さんの謎解きレポート~しんいち君と霊感少女幽子さんの実話を元にした本格心霊ミステリー~
しんいち
キャラ文芸
オカルト好きの少年、「しんいち」は、小学生の時、彼が通う合気道の道場でお婆さんにつれられてきた不思議な少女と出会う。
のちに「幽子」と呼ばれる事になる少女との始めての出会いだった。
彼女には「霊感」と言われる、人の目には見えない物を感じ取る能力を秘めていた。しんいちはそんな彼女と友達になることを決意する。
そして高校生になった二人は、様々な怪奇でミステリアスな事件に関わっていくことになる。 事件を通じて出会う人々や経験は、彼らの成長を促し、友情を深めていく。
しかし、幽子にはしんいちにも秘密にしている一つの「想い」があった。
その想いとは一体何なのか?物語が進むにつれて、彼女の心の奥に秘められた真実が明らかになっていく。
友情と成長、そして幽子の隠された想いが交錯するミステリアスな物語。あなたも、しんいちと幽子の冒険に心を躍らせてみませんか?
【完結】偽りの告白とオレとキミの十日間リフレイン
カムナ リオ
青春
八神斗哉は、友人との悪ふざけで罰ゲームを実行することになる。内容を決めるカードを二枚引くと、そこには『クラスの女子に告白する』、『キスをする』と書かれており、地味で冴えないクラスメイト・如月心乃香に嘘告白を仕掛けることが決まる。
自分より格下だから彼女には何をしても許されると八神は思っていたが、徐々に距離が縮まり……重なる事のなかった二人の運命と不思議が交差する。不器用で残酷な青春タイムリープラブ。
天織灯(あまおりあかり)のあくまな怪盗生活〜敵の成分を奪うが何故か出会った女性の心も奪ってしまった〜
麻莉
青春
本作は灯ちゃんが様々な出会い、交流と戦闘を通して成長・変化していく物語。友だちになった女の子が灯ちゃんに夢中になっていく。ゆくゆくは女だけのハーレム?ができるかも。
灯ちゃんは時々、性格や言動が一変する体質。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ある小学校のクラス31人が忽然と、姿を消した。
10年後の現代社会では、〈〈怪人人形ソドールがあなたの願いを叶えます〉〉の都市伝説が民衆に広まりつつある。それと同時に動植物と無機物が融合した人間サイズの怪人が出没し欲望の限り暴れ回っていた。
そんな謎の怪人【ソドール】を人知れず退治しているのは怪盗で高校2年生の天織灯(あまおりあかり)。灯は「クラス30人が人体実験で異形の怪物になり、蒸発して1体の怪物から人形が2個出現した」という記憶以外、過去の記憶を失っている。そんな灯には、灯がない記憶を保持している別人格の2人、悪魔であり相棒兼師匠でもあるクロと科学者の天織璃子(りこ)と暮らしている。灯は「みんなの魂だけでも救う」の使命のもと60体のソドール成分を回収している。戦闘中は採取した能力をマガジン型アイテムに変換し、自身を強化して日夜、戦っていた。
そして、少女は自分の運命を変えた者と手を貸した悪魔7体を潰すと誓う。
「貴方の成分、頂きます!」
~1年という限られた時間をお過ごしてください~
トップランカーの戦場 1
二ノ宮翼
青春
地味で目立たず、冷めた雰囲気の中学三年生、五十嵐勝一。
その正体はどんなジャンルにおいても頂点に君臨する、ゲーム界のトップランカー「IS」!微妙に冷めたトップランカーと彼を取り巻くゲームの話。
1はパズルゲーム編です。ゲーム好きな人、僕もゲームが好きだよ。よろしくね。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる