若松2D協奏曲

枝豆

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ジャズ演奏

延長し過ぎ

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音響室を拓実くんと、若菜先輩達と3人で暗譜に集中していた。
若菜先輩はコンクールで同じパートを吹く。
ミニバンドを組んでいる若菜先輩はバンドの練習が終わってから合流した。

コンコンっ
扉を叩く音がする。
扉を開けるとそこには皇子くんと和津くんがいた。
「すみません、体育館の使用時間過ぎてるんで、撤収お願いします。」

ふふっ、若菜先輩がいるからか、敬語になってる。
目があった皇子くんと和津くんは少し照れていそうに見えた。

…って時間!
気付けば18時半。30分も過ぎていた。
「あー、ごめんなさい。すぐ出ます!」
慌てて楽譜を集めて、楽器をケースに戻した。

「随分頑張ってたじゃん。」
出口に向かいながら和津くんが話しかけてくれる。
「え?音漏れてた?」
「ううん、漏れてないよ。
じゃなくて。翠は時間とかきっちり守る方だから、こんなにオーバーしてるの珍しいと思っただけ。」
「初見だから、ワクワクしちゃった。」

「ねえ、翠。その子体育祭の太鼓の子だよね。」
突然会話を割って若菜先輩が聞いて来た。
「ええ、はい。」
「D組の、良かったよ。私がやりたかったくらい。」
ねえ、と拓実くんに振った。
「はい、そうですね。」

「2人いい雰囲気だったけど、仲良いの?」
「最近やっと付き合い始めたんですよ。」
迷う間もなくあっさり答えたのは皇子くんだった。
「えっ!もしかして応援団切っ掛け?」
若菜先輩のイジリが加速し始めた。

「も、もうやめて下さい…。」
私はみんなから離れて小走りで音楽室に
向かった。

背後から若菜先輩と皇子くんが笑う声が追いかけてきてた。


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