上 下
1 / 20

1.婚約破棄ですか、分かりました受け入れます

しおりを挟む
「全くお前は駄目なやつだ」

魔法学院でのテストの結果を見てのレルト様の一言。
全教科100点なのですが、これ以上どうしろと?

「はぁ、お前はどうしてそんなに魅力がないんだ」

社交会が終わった後のレルト様の一言。
そんなこと言われたって私が知りたいですよ。

「はっ、お前のような出来損ないとは一緒にいられない、本日をもって婚約を破棄させて貰う」

いきなり呼び出してきて、ドレスを身に纏った女性を抱きしめながら言ったレルト様の一言。
そうですか。ご自由にどうぞ。

————————————————————

私の名前はマルリ=ローレス。
どうやら私は聖女様の娘らしいです。
ですが、私の両親は私を産んですぐ後に原因不明の爆発事故により亡くなってしまいました。
そのため私は、シュールト公爵家の方々に育てられました。
でも、あまり幸せとは言えません。
家族からは悪口を言われ、反抗すれば殴られたり蹴られたり。
一体何のためにシュールト公爵家の皆様は私を引き取ったのでしょうか。

月日は経ち、私の元に王家から婚約のお話が来ました。
どうやらお相手は、第一王子であるレルト様でした。
両親は喜んでその話を承諾しました。
しかし、私は正直嬉しくありませんでした。
レルト王子は言動や行動が荒く、すぐ手を挙げる事で有名だったからです。
ですが、私に拒否権などありません。
私たちは婚約することになりました。

案の定、レルト様は噂通りの人でした。
レルト様はなにかと私に嫌味を言ってきます。
私のする事を全て否定してきます。
勉強をしていれば、

「フッ勉強ばかりして面白みない奴だ」

と言い。友達との交流を深めていたら、

「そのようなくだらん事ばかりやっていないで勉強をしたらどうだ」

と言われます。
一体私は何をすればいいのでしょう?

挙げ句の果てには、会うたびに挨拶のように出来損ないと言ってくるようになりました。

もう私の手には負えません。
ですが、頼れる人もいません。
私に出来る事は「努力」それだけです。
私は常に努力し続けました。



そして努力した結果は「婚約破棄」、そして家からの追い出し。
私は貴族ではなくなりました。
人々は、私を哀れだと言いました。



ですが、勝手に哀れまないでいただきたい。
誰も私のことは縛れません、自由なのです。
努力し続けた結果、自由を手に入れられたのならば良い結果と言えるでしょう。

それでは皆さんさようなら。
今日から私は平民です、あなた方とは一切関係ありません。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生国主興国記

hinomoto
ファンタジー
四十歳回った独身で病気持ち、仕事なし。 そんな男も死んで第二の人生が始まる! 「記憶あるよね?」

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。

精霊に好かれた私は世界最強らしいのだが

天色茜
ファンタジー
普通の女子高校生、朝野明莉沙(あさのありさ)は、ある日突然異世界召喚され、勇者として戦ってくれといわれる。 だが、同じく異世界召喚された他の二人との差別的な扱いに怒りを覚える。その上冤罪にされ、魔物に襲われた際にも誰も手を差し伸べてくれず、崖から転落してしまう。 その後、自分の異常な体質に気づき...!?

戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。

隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。 婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。 しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……

魔力無しの聖女に何の御用ですか?〜義妹達に国を追い出されて婚約者にも見捨てられる戻ってこい?自由気ままな生活が気に入ったので断固拒否します〜

まつおいおり
恋愛
毎日毎日、国のトラブル解決に追われるミレイ・ノーザン、水の魔法を失敗して道を浸水させてしまったのを何とかして欲しいとか、火の魔道具が暴走して火事を消火してほしいとか、このガルシア国はほぼ全ての事柄に魔法や魔道具を使っている、そっちの方が効率的だからだ、しかしだからこそそういった魔力の揉め事が後を絶たない………彼女は八光聖女の一人、退魔の剣の振るい手、この剣はあらゆる魔力を吸収し、霧散させる、………なので義妹達にあらゆる国の魔力トラブル処理を任せられていた、ある日、彼女は八光聖女をクビにされ、さらに婚約者も取られ、トドメに国外追放………あてもなく彷徨う、ひょんなことからハルバートという男に助けられ、何でも屋『ブレーメンズ』に所属、舞い込む依頼、忙しくもやり甲斐のある日々………一方、義妹達はガルシア国の魔力トラブルを処理が上手く出来ず、今更私を連れ戻そうとするが、はいそうですかと聞くわけがない。

転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~

深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。 ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。 それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?! (追記.2018.06.24) 物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。 もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。 (追記2018.07.02) お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。 どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。 (追記2018.07.24) お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。 今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。 ちなみに不審者は通り越しました。 (追記2018.07.26) 完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。 お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!

家族に辺境追放された貴族少年、実は天職が《チート魔道具師》で内政無双をしていたら、有能な家臣領民が続々と移住してきて本家を超える国力に急成長

ハーーナ殿下
ファンタジー
 貴族五男ライルは魔道具作りが好きな少年だったが、無理解な義理の家族に「攻撃魔法もろくに使えない無能者め!」と辺境に追放されてしまう。ライルは自分の力不足を嘆きつつ、魔物だらけの辺境の開拓に一人で着手する。  しかし家族の誰も知らなかった。実はライルが世界で一人だけの《チート魔道具師》の才能を持ち、規格外な魔道具で今まで領地を密かに繁栄させていたことを。彼の有能さを知る家臣領民は、ライルの領地に移住開始。人の良いライルは「やれやれ、仕方がないですね」と言いながらも内政無双で受け入れ、口コミで領民はどんどん増えて栄えていく。  これは魔道具作りが好きな少年が、亡国の王女やエルフ族長の娘、親を失った子どもたち、多くの困っている人を受け入れ助け、規格外の魔道具で大活躍。一方で追放した無能な本家は衰退していく物語である。

魔法使いに育てられた少女、男装して第一皇子専属魔法使いとなる。

山法師
ファンタジー
 ウェスカンタナ大陸にある大国の一つ、グロサルト皇国。その国の東の国境の山に、アルニカという少女が住んでいた。ベンディゲイドブランという老人と二人で暮らしていたアルニカのもとに、突然、この国の第一皇子、フィリベルト・グロサルトがやって来る。  彼は、こう言った。 「ベンディゲイドブラン殿、あなたのお弟子さんに、私の専属魔法使いになっていただきたいのですが」

処理中です...