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数か月後

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 それから葵と佳代子は結婚式を挙げた。仲良く幸せそうに寄り添う二人を見て誰もが心からのお祝いの言葉を述べた。互いの両親も嬉しそうに笑う。佳代子の友人も笑っていて中には泣く人もいた。それでも明るく綺麗なものに終わろうとしていた。

二次会が終わりかけた頃、「佳代子!」と来てくれた人たちが互いに話している中、一人の人物が声をかけた。佳代子は高校の時の友人と話している時だった。彼女の周りにいた人たちもキョロキョロとあたりを見渡したが誰も見えなかった。だが、もう一度彼女たちがテーブルを向き直ると佳代子の姿が無かった。

 それからすぐ、佳代子の友人は顔を青ざめながらも誰にも聞こえないよう新郎に告げた。葵は目を見開き、あたりを探したが見つからなかった。

「大事にしないほうがいいわよ。二人で抜け出したってことにすればいいじゃないかしら?」

佳代子の友人の一人がそう囁いた。「だけど…」葵は彼女を心配しつつも周りの目も気にしていた。

「どうした?」その場の雰囲気が尋常じゃないことを察した黒井は声をかけやって来た。佳代子の友人たちが口々に話すと黒井はあたりを見渡しもう一人の人物がいないことに気づいた。結局佳代子の両親、葵の両親も彼らの様子に気づき、何があったのかを聞いた。

「すみません…」

頭を下げて謝る葵は頭の中が真っ白だった。どうしてこんなことになってしまったのか、彼女の傍にずっといなかったからだ。葵の顔は青くなっていく。
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