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葵
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(繋がらない)
葵はスマホを握ったまま呆然としていた。何か失礼なことをしてしまっただろうか。あいつだってふざけたことをしている。だったら、今日、どこか行こうかと誘おうと思ったが連絡の手段がなくなり、ソファーに腰を下ろした。
「うまくいったか?」誰かが部屋に入ってくるなり葵に聞いた。2人の時間にしてやろうと別の部屋へ行っていたのだった。
「いや、繋がらなかった」小さくそういう葵に
「まさかお前、怖くなって一回切っちゃったんじゃねえのか?」と肘でつつきながら言った。
「そ…そんなこと…」嘘ついているのが分かると黒井は思った。繋がったはずなのに自分からわざと切ったんだなと確信した。
「でも、その後から繋がらなかったんだ」と下を見ながら言った。
「それは着拒されたんじゃねぇの?」と小山も出てきて言った。
「そんなこと…。僕は何かしたかなぁ…」頭を抱え、事故険悪に陥る。葵のいつもの癖だ。二人の友人は黙ってそれを見ていた。
「それじゃ、また夜に見に行ったりしようぜ」
黒井は面白がって葵の背中を叩いた。どうせ電話をそもそも掛けなかったんだろうと黒井は思った。カギを握りしめしょぼくれてる葵の手を引いて外へ向かった。
葵はスマホを握ったまま呆然としていた。何か失礼なことをしてしまっただろうか。あいつだってふざけたことをしている。だったら、今日、どこか行こうかと誘おうと思ったが連絡の手段がなくなり、ソファーに腰を下ろした。
「うまくいったか?」誰かが部屋に入ってくるなり葵に聞いた。2人の時間にしてやろうと別の部屋へ行っていたのだった。
「いや、繋がらなかった」小さくそういう葵に
「まさかお前、怖くなって一回切っちゃったんじゃねえのか?」と肘でつつきながら言った。
「そ…そんなこと…」嘘ついているのが分かると黒井は思った。繋がったはずなのに自分からわざと切ったんだなと確信した。
「でも、その後から繋がらなかったんだ」と下を見ながら言った。
「それは着拒されたんじゃねぇの?」と小山も出てきて言った。
「そんなこと…。僕は何かしたかなぁ…」頭を抱え、事故険悪に陥る。葵のいつもの癖だ。二人の友人は黙ってそれを見ていた。
「それじゃ、また夜に見に行ったりしようぜ」
黒井は面白がって葵の背中を叩いた。どうせ電話をそもそも掛けなかったんだろうと黒井は思った。カギを握りしめしょぼくれてる葵の手を引いて外へ向かった。
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