森野探偵事務所物語~1~

巳狐斗

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第23話 写真に埋もれた死体

第23話 写真に埋もれた死体

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【瀬人  杏沙美(せと  あさみ)】
23歳。
被害者とは大学時代からの付き合い。
過去に恋人を寝盗られている。



【浅田  茂(あさだ しげる)】
23歳。
瀬戸の元恋人。
被害者と浮気をしてから瀬戸と別れた。その後、被害者に貢ぐだけ貢いであっさりと捨てられた。
現在借金を抱えている。


【内田  崇(うちだ  たかし)】
29歳。
被害者の本命。
ホストクラブで働いていていつも奇抜なファッションである。口癖は
「アクセは俺の必需品」
彼女が別にいたため、毎回被害者からアプローチがあったが断っていた。



【崎島   ゆかり(さきしま   ゆかり)】
20歳。
職場の後輩。
被害者から散々いじめられており、『やめて欲しくば~』という理由で、お金を巻き上げられたり、特技の編み物の作品を作れと言われたこともあった。(因みに、その作品は被害者によって盗作されている。)


真己人から教わった人物は、ほとんどが大学生からの友人か、同じ職場の人間だ。
確かにどの人物も少なからず被害者に恨みを持っていて動機としても充分であった。


「現場には、ピアスが落ちていたんですよね?男物の…。」


「あぁ。それを考えると、内田崇ってのがくさいな。」

笠村が顎に手をやりながら呟いた。容疑者の写真を見ても、ピアス穴らしきものが空いているのは、崎島ゆかり、内田崇、ホテルにいた人物も容疑者に合わせるならば、小山内麻美子なのだ。

この状況下なら、疑うべきは内田だろう。


「住所もつきとめた。行くぞ。」


笠村が藍里にそう言ってガシッと手を少しだけ乱暴にとる。

「っ!?」

突然のことに頭がついていけない藍里は、テンパりながらも笠村の車に案内され、促されるまま車に乗り込んだ。

(いや!深い意味は無いハズ!きっとそうだ!)


藍里は、自らの両頬をペチン、ペチンと叩いて自分に言い聞かせた。




藍里と笠村を載せた車は、内田の家へと向かっていった。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






とあるマンションの最上階の10階の奥に向かうと、『内田』と言う表札が書かれたドアを見つけ、笠村がインターホンを鳴らす。


奥の方から『はーい。』と気だるそうな男性の声が聞こえる。

その声から数分も経たぬうちにドアが開くと同時に


「どなた~?」


と、点線眉にボサボサ頭の男が姿を現した。
男は、笠村と藍里を交互に見ると怪訝そうな顔で


「だれ?あんたら?」


と尋ねた。



「捜査一課の笠村だ。内田崇か?」


「………そーですけど?」



「え?この人が?」


笠村と内田のやり取りに藍里は思わず手に持っていた顔写真を見比べる。






写真の男は、金髪を逆立て、ピアスをしており、言わば最近のイケてる男性。しかし、目の前にいるのは、実年齢よりも20歳くらい老けて見える男性……。



全くの別人に見える。




「ケーサツがなんの用?」



「小野原めぐみを知ってるな?」


「あぁ。あのストーカー?が、どうかした?」



「……昨晩。何者かに殺された。少し話が聞きたい。」




「死んだって………は?まじ?」



内田は、目をまん丸にしてポカンと口を開けた。




「あぁ。悪いが、事情聴取しても構わねぇか?」


「いーけど。」


「協力感謝する。……まず、昨晩の22:00以降は何してた?」


「店にいましたよ。お客さん迎える為に髪の毛セットしたり、化粧したりで………。」


「……他に誰かいたか?」


「そん時、ライトさんと話しながらセットしてたから、ライトさんが証言してくれるっす。」


「ライト…?」


「うちの店のエースですよ。今はキャスト兼事務仕事してんですけどね、あの人のお陰で俺もNo.1になれたっつーか……。」


「そのライトとかいう奴は、何時頃なら店に来てる?」


「いやいやいや、刑事さん?もしかして、ライトさん疑ってんの?無駄っすよ。ライトさんはあのストーカーとは一切関わり持ってねぇし、だいたい疑うんならアイツのパパが怪しんだ方がいっすよ。」



「パパ?」


内田の言葉に、思わず藍里が聞き返す。


「パパって、めぐみさんの父親のこと?」

「あー、いやいや。そっちじゃなくてパパ活のパパ。君やってないの?パパ活。」


パパ活。昨日の昼頃に、陽菜から聞いた事だ。


「聞いたことはありますが、やっては無いです。」


「へぇ~?結構いい金入るらしいよ?あのストーカーが俺に出す金は全部パパ活で稼いだみたいだしよ。」


パパ活……確かに多く貰える時は多いと、陽菜は言っていたが、実際どれほどのものなのかは藍里はいまいちパッとしなかった。




「その被害者がお前に使った金の金額は?大まかでいい。」


笠村が、顔色一つ変えずに尋ねた。



「ん?んーー。確か260万だったかな?1ヶ月で。」


「1ヶ月ぅう!?」


うちだから出た多額の金額に思わず声が裏返った藍里。



「なに?この子?こーゆーきゃら?」


内田が、不思議そうな顔で藍里を指さしながら笠村を見ると笠村は、

「いい。気にすんな。それより、そのパパってのは誰かわかるか?」



と、話を戻した。



「さぁ?パパって単語を聞いただけだからなぁ。」


「そうか。その辺調べてみるか……。最後に1つ。これ、見覚えはあるか?」

笠村は、ポリ袋に入っている現場にあったピアスを内田に突きつけた。内田は、それをとってマジマジと見つめると


「なに?このだっせーピアス。」

と尋ねた。


「いや、知らねぇならいい。急に押しかけて悪かったな。それじゃあ。我々は失礼する。」


笠村がメモを閉じると

「行くぞ。藍里。」

と言って、藍里と共にその場から立ち去った。





内田は欠伸をひとつして扉を閉めようとした。





………が、そこでハッとなにかに気がついたかのように目を見開き、閉じかけた扉を再び開けてエレベーターに乗り込む2人を目で追いかけた。






「藍里……………もしかして、藍色の探偵………?アイツが?」







内田は、エレベーターに降りていった藍里を凝視していた。











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