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フラグ

その後の様子

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ハザード公爵家内

娘の音信不通により混乱が起きたが、流暢なことはしてられない。

様々な状況確認が行われた

「魔法の痕跡について調査しました。ですが、どのような魔法であり、何に利用されたのかは判明しませんでした。
原因は、ここ数日に起こった家内の魔力浮遊量の増加の可能性があります。
お家精霊に確認した所、数日で違和感が起きない程度に少しずつ上昇があったとのこと。」

お家精霊とは簡単に言えば、その家に取り付いた魂に魔力がこもった塊だ。

魔力が集まったものには魂が集まりやすく、ものに取り付くと、そのものに意思が生まれる。

年季が入っているものに見られたり、魔石に取り付き、周囲の物質に魔法を使ってゴーレムやダンジョンをうんだりもする。
また、魔力がこもった武器なんかにも、意思が宿り、使用者を選ぶこともある。

魔力自体は物質ではあるが、実体は見えないほど、粒子が細かく視覚化しにくい。

精霊を視れるのは魔力を視覚化出来る魔眼をもつものだけである。

また、精霊は魔力の塊なので、周囲の魔力濃度に大きく左右され、多少の過剰は精霊にとっては辛い。多すぎると、魔力酔いになり、思考が鈍くなり、暴走したり、少なすぎると、存在できない。

それが精霊だった。

そんな魔力だが、『木を隠すなら森の中』と言われるように、魔力濃度が上がっている所で魔法を使用すると、発動はするがその形跡を曖昧なものにする効果がある。

どれだけ魔力を小さくして、バレないようにしようとも、そういったものに敏感な者にはバレてしまう。

だが、この方法は、そんな人の感覚さえ鈍くし、かつ内容を曖昧にする効果があるため、有効な手段だとは言えるが、こんな現象は自然の力無くして、意図的な行うのは人の身では難しい。

このことを、

「魔霧現象か・・・
それは今も続いているのか?」
「はい。
原因についても発覚しております。」
「そうなのか?」
「調べさせたところ、地下の宝物庫内にある封印箱より魔力が漏れておりました。
近々、封印が解かれる可能性もあるかと。」
「「「!」」」

その言葉は皆を驚かせるには充分だった。
自分たちの先祖が封印した危険な魔物が、復活する可能性が出てきたのだから。

「そうか・・・
退治もしくは再封印しなければならんだろ。」
「マックス、その魔物についての文献を持ってきてほしい。そちらの件はお前とその部下でなんとかなるだろう。」
「わかりました、旦那様」

執事のマックスが一礼する

話終わると、少しの沈黙が流れた。
それぞれの表情にはどんな会話をしても、娘であるルチルへの安否への不安が浮かんでいた。

「あなた・・・」

一声名を呼ばれれば、妻が何かを悟ったような目を向けていた。 

その目を見て思い出す、過去にも見た目を。

二年前、あの寝室で話した、未来を。


妻が使えるスキル『未来予知』は未来を見て変えようとしない限り、変わらない。
ただし見れるのは、その者の人生の分岐点が起こったその未来。
分岐点とはつまり変わり目のことだ。その人の人生が180度変わる時のこと。
そんなものなかなか起きないため、見れるのは大体その人の死んだ後の姿。何処で死に、どのように死ぬのか。
それがわかるのが、妻のスキルだった。
万能ではないが、珍しく絶対的な未来を見れるため、この能力で様々な窮地を脱してきたある意味有名な能力。

それで見た未来を進んでいると言うのか

その早すぎる展開に頭が追いつかない。

そして生まれた矛盾する心にも

「あの子の未来は、穏やかに思えました。そして私たちの姿はそこにはありませんでした。私たちが探しても、見つからなかったのでしょう。見つかったら、あの子の未来を変えてしまう可能性も考えられます。
それでも私はあの子の母なのです。
だから・・・」

その先の言葉は私も、いや俺も同じだった。
あの子の安否を確認し、あの子に出来ることをしたい。あの子にきちんとした未来を進んでほしい。自分で選び、進んだ未来をと。

自分たちがしなければならないことは、その道をできる限り増やし、選べる権利を持てるように支えることだから。

子供たちに目を向けて、言う。

そのためにやることは・・・

「クリス、リアラ、二人に話さなければならないことがある。」


動き出す公爵家
その影響力は想像しえなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ふぅぅぅ~

脱出成功!

いんや~大変だった。

三年前から地道に計画を練って、そのために仲間を作ったり、力をつけたり・・・

その過程の中で発覚した、自分のスキル

『ダークマターの生成』

『Siri機能』

を駆使して色々やった結果結構すっごいことになっちゃったけど、これから独り身で生きていくには仕方がない!

心残りは、自分を生んでくれた親への申し訳なさだけど。

記憶を書き変えるべきかとも思ったけど、なんか調べたらうちの家、色んな噂が飛び回って怖いんだもん!

『アンタッチブル』何て言われてたりもするなんてなんしたのさ?!

怖いから色々念密に計算して、バレないようにしたし、その後のことも考えて、仲間に生活空間の確保もしてもらった。


周りに広がる自然に囲まれた村と、目の前にある大きめの家を見る。

これからは、ここで心置きなく自由に暮らせる!

スキルの応用で見た目を全く変えているのでバレる可能性もない!

前は、金髪にスカーレットのような色の瞳をしていたけど、茶髪に茶色の瞳にして落ちついたかんじにした。

「中へどうぞ、ルチル様」

ただ、名前だけはいいのが浮かばず、大丈夫だろうとそのままに。

「うん!エリア!」


すらっと背の高い美人のエリア、長い髪を高めパニーテールにしているのを見ると、完全秘書みたいだ。



新しい仲間と環境に身を弾ませるルチルだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

双方の思惑が浮かぶ

だか、公爵家はルチルを、ルチルは公爵家を、お互い履き違えていた。

それが交差するのは、さらに10年の時を経て、形となってからだった。




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