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第3章 学園入学

第17話 イリーナとの出会い

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「アレンはいるかの?戻ったと伝えとくれんか?」
「あっ、あなたは!かしこまりまた!直ぐに伝えて参ります」

数分後、

「どうぞお通り下さい、ご当主様と奥様がお呼びです。場所は当主の間です。」
「了解じゃ」


コンコン

「入ってくれ」
「ただいま帰ったぞい」
「お疲れ様です、それより、どうでした?」
「あの子は元気でしたか?」
「うむ、元気にしとったぞ」
「あぁ、早く会いたいわ!」
「君は会うことが出来るんだから、行ってきたらどうだい?」
「でも、あなたは会えないのに‥‥私だけなんて出来ないわ‥‥」
「‥‥、まぁ取り敢えず色々と聞かせてくれないか?あの子のことを。」
「承ったのじゃ、それと、メルクリアが謝っとったぞ」
「それはまた、どうして?」
「まぁ、順を追って説明していくとすルかのぅ」


────────────────────────────────

俺は今、森の中で魔物を狩っている。どの位たっただろうか、倒した魔物も一つ目のバックでは入りきらず、今は2つ目のバックを使っている。

(やっぱ沢山買っといて良かった~、それにしても魔物が多いな)

レイが倒した魔物は既に30に登る、いずれもE,F,Gランクの魔物だ
レイの周りには一つだけ光の玉が浮いている

(にしても、ちょっと不味いな)

レイは先程の会話を思い出していた

(負けたら奴隷も同然じゃないか、しかも)

ゴンズ
人族 職業 軽魔法戦士
ステータス
力 D/D 魔力 E/E 防御 F/F 俊敏 C/C
スキル
剣術Lv6 剣の扱いが上手くなる 自身の能力が微小
     向上 
火魔法Lv4

(これだ、思った程強くなくて拍子抜けだが‥‥)

レイ
人族 職業 剣王 
ステータス
力 D/A 魔力 D/A 防御 E/A 俊敏 D/A
スキル
剣術Lv3 剣の扱いが上手くなる
光魔法Lv4
弱点看破Lv1 自分よりステータスの低い相手の弱点が見える
鑑定Lv1 相手情報が見える


(このままじゃちょっと不味いな、力なんて殆ど上がらない‥‥ステータスが上がるほど次へは上がりにくくなるのかもな)

ドシンッドシンッ

(?なんだ?)

ガサガサッ
レイの前にある茂みが揺れたと思ったら
バッと、美しい銀髪を揺らしながら必死の形相のエルフの少女が飛び出してきた。

(お~、エルフって本当に森の中にいるんだ~)
「っ!!」
「うわっ!」

俺は襟首を掴まれ、引きずられる。

「ごめんね!説明は後でするから!」

そして俺の目の前では
ドシンッドシンッと木々が薙ぎ倒され、体長数メートルの巨大なヘビがこちらに向かって這ってきている

「うわっ、マッドスネーク!Dランクじゃん!」

俺は襟首を掴む手を振り払ってマッドスネークに向かっていく

「あっ!ちょっとまって!君じゃ危険だよ!あれは3年生の生徒でも手こずるんだよ!」
「大丈夫!」

俺は剣を引き抜き飛び上がる。
マッドスネークがこちらに気付き、名前の由来の土魔法、ストーンバレットを形成し放つ、俺は直ぐ様光の玉をぶつけた。

(よし!)

ストーンバレットは粉々に砕け、風に運ばれる。俺はもう一つ光の玉を生成し、マッドスネーク目掛け放つ。

「キシャーーー!!」

大絶叫と共にマッドスネークがのたうち回る、反動で周りの木々が薙ぎ倒さる。

(これでこっちは見えないだろ!)

俺はそのまま脳天目掛けて剣を振り下ろす
しかし、

「ぐあっ!?!?、っつっ‥‥!」

マッドスネークは尻尾で俺を叩き落とした。とっさに剣でガードしたが、地面にぶつかる衝撃はカバー出来なかった。

「いっつつ!こいつ、あの光の玉だけじゃ足りなかったか‥‥」

事実、レイの光の玉を食らい、目こそ潰されたマッドスネークだったが、ヘビは元来熱で獲物を捕まえるもの。マッドスネークの熱を探知する器官は生きていた。

「ちょっと!自信満々だったのにやられてるじゃない!」
「むっ、ちょっと油断しただけだ!怪我はしてない!」
「はぁー、援護してあげる。私は弓が使えるから!あなたが仕留めるのよ!」
「分かってる!」

俺は地面を強く踏み込むと、マッドスネーク目掛けて疾駆した。

「早!」
「キシャーー!!!」マッドスネークが尻尾を叩きつける
「もうそれは見たよ!」

俺は剣を先程の防御で付けた尻尾の傷に寸分違わず刃を滑らせる。肉と骨を断つゴリュッとした感触が手に響くと、俺は尻尾を切断した。

「ギシャーッ!!」

マッドスネークが大口を開けて絶叫する。

「口の中が疎かよ!」

そこへ、エルフの少女が放った弓が入り込む。

「おおっ!凄い!」
「感心してる場合じゃないでしょ!」

俺は走り出し、血を吐いて悶絶しているマッドスネークの首に刃を滑らせる。

「はー、つっかれたー!」
「あなた結構やるじゃない」
「おお、君も凄かったじゃないか」
「当然よ!なんせ私はエルフの王女様なんだから」
「どれどれ」

イリーナ=ルスティグ
エルフ族 職業 弓王
ステータス
力 F/C 魔力 F/B 防御 G/E 俊敏 E/A
スキル
弓術Lv2 弓の扱いが上手くなる 
精霊の加護Lv1 状態異常に弱耐性 魔法の扱いが     
        上手くなる
風弓Lv1 風魔法が使える 弓を操作可能 

(本当に王族っぽいな)
「なっ!なによ‥そんなにまじまじと見ないでよ‥‥///」
「あっああ、ごめん。でも本当に王族なんだね」
「?どう言うことよ?」
「あぁ、俺、鑑定魔法使えるから」
「ええっ!鑑定魔法が使えるのに戦闘も出来るの!?」
「そりゃ、戦闘職だもん」
「へぇ~、因みに何て職業?私のは見たんだもん、教えてくれるよね?」

イリーナがズイッと顔を寄せてくると、まるで花畑にいるかのような香りが俺の鼻を擽る。
(睫毛長‥‥、エルフって皆綺麗だな‥‥)

「わっ、分かったから!近いよ‥」
「あっ、ごめんなさい‥」
「俺の職業は剣王だ」
「へぇ~、私のと似てるわね!」
「そうだな」
「王が付くなんて、きっと私達の職業は凄いに違いないわ!」
「アハハ‥」
「ところで、何であれに追っかけられてたの?」
「ふぇ?そんなの決まってるじゃない!強くなりたいから強い魔物と戦うのよ!でもあいつ、表皮が硬くて鏃が通らなかったの‥‥」
「あー、それで逃げてきたわけね」
「逃げてないわ!戦略的撤退よ!」
「ものは言いようだね‥‥、これからどうするの?」
「矢の残りが少ないから帰るわ、あなたはって呼ぶのも何だか‥‥名前は?」
「レイだ」
「そう、鑑定で分かったと思うけど、私はイリーナ=ルスティグ、イリーナって呼ぶことを特別に許してあげるわ」
「ありがとう‥」
「ところでレイはこれからどうするの?」
「うーん、時間次第かな。目的は達成したし。3時からちょっと予定があるんだ」

イリーナが腕の時計を見る。

「じゃあもうそろそろ帰った方がいいわ、もうすぐ2時になるわ」

俺達は歩きだす

「やっぱり同じ一年生なんだね」
「あなたみたいな強い人がいるなんて驚きよ」
「俺はエルフを初めて見て驚いてるよ」
「人を珍獣呼ばわりなんて失礼しちゃうわ、では一つ教えてあげるわ。エルフの耳は無闇に触ってはダメよ」
「?なんで?」「どうしてもよ‥‥」「分かった」
「ところでさ、冒険者ギルドに寄る?」
「ええ、買い取りをお願いしたいわ」


冒険者ギルドにて
受付嬢のメガネがずり落ちる

「きっ、君達一年生ですよね?」

俺達は互いに顔を見合わせる

「そうですが?」
「そうですわ」
「何か不味いんですか?」
「いっ、いえいえ、そんなことは無いんですけどね!一年生は基本的に殆ど森に入らないので、しかも入ったとしてもG,Fランクの魔物がせいぜいで、こんなに沢山のEランクにしかもDランクのマッドスネークまで」
「?そこのEランクは私知らないわよ?」
「ああ、それは俺が一人で狩ったやつだ」
「えええぇっ!一人で!?あっ危ないよ君!」
「まぁ気を付けますよ。それより買い取りして頂けますか?」
「それは勿論です!少々お待ち下さいね」
受付嬢がバックを持って奧へ行った
「やっぱり私達がおかしいのかもしれないわね」
「分からない‥」

因みにその後、大量の金貨と銀貨が入ったバックを返され、俺は今まで見たことの無い金額に手が震えた。
冒険者ギルドを出て、

「じゃあまた会いましょう!」
「ああ、次は安全に狩りをしろよ」
「‥‥そうだわ!」
「どうした?」
「あなた、私と一緒に森へ入りましょ!」
「別に良いけど」
「じゃあ今週の土曜日の午前10時に森の入り口に待ち合わせよ」
「分かった」

俺達はそれぞれの目的地へ



レイ
人族 職業 剣王 
ステータス
力 C/A 魔力 D/A 防御 E/A 俊敏 C/A
スキル
剣術Lv4 剣の扱いが上手くなる
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弱点看破Lv1 自分よりステータスの低い相手の弱点が見える
鑑定Lv1 相手情報が見える
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