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第2章 いざバルウロワ学園へ

第10話 観光

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俺達は今、今日泊まる予定の宿屋の一階で昼食を食べている。

「美味し~!」
「確かに、この独特な風味が癖になりそうだ」

今食べているのは、鶏を一匹丸々に、ハーブなどの香辛料をふんだんに使い、焼き上げられたローストチキンだ。村では香辛料はアクセント程度で、少量しか使われないため、こんな料理は初めてだ。

「ニーナ、午後は自由時間だけど見に行きたい場所ある?」
「んー、初めてだからよく分かんないね」
「それならこの宿を出て右に歩いていくと大賢者の像があるのじゃが、あそこは色々と売店があっていつも賑わっておる。そこに行ってみてはどうじゃ?」
「確かに、それは良いかもしれませんね」

ここで重大な事実に気付く。

「あ、お金がない‥‥」
「私持ってるから大丈夫だよ、お母さんから貰ったの!」
「それは悪いよ‥どうしよう‥」

俺はここであることを思いつく。

「神父様」
「しょうがないの~」

神父さんは腰の袋から銀貨を取り出して僕に渡そうとする。

「あっ、違うんです!この間手に入れたこのスモールボアの魔石を売ろうと思ったので、それができるお店を聞こうと思ったんです‥」
「あぁそれだったら冒険者ギルドじゃな、じゃが冒険者ギルドは明日行くんじゃ、ワシが立て替えといてあげよう」

そう言って神父様は銀貨三枚を俺にくれた。
────────────────
銅貨=100円
銀貨=1000円
金貨=10000円
白金貨=1000000円   
────────────────
俺は神父さんに礼を言ってニーナと一緒に大賢者の像へ向かった。

「すっごい人だね」
「こんな光景村じゃ見れないよな」

俺達の目の前は多くの人によってごった返していた。
奥にはローブに大きな帽子を被った大賢者の像が見える。

「でかいな」
「ね!こんなのどうやって作るんだろう~」「実物はどんな人なんだろう」

今、大賢者はバルウロワ学園の学園長だ。そのうち会えるだろうか。

(この人なら勇者と会う方法を知ってるかもな)

その後俺達は売店で串焼きやクレープなる物を食べては互いに感想を言い合っていた。
今はアイスクリームを片手に観光中だ。
俺は観光しながらもこっそり町の人達を鑑定した。

(ほとんどの人がステータス上限Gだ、稀にFがいる程度か‥)

町の人の殆どは農民や平民だ。

(んー、強い人はいないみたいだな)
そんなことを考えながら歩いていると

「あいたっ!」

俺じゃなくてニーナが他人とぶつかった

「うおっ、冷てぇ!!!」
「あっ、あぁ、アイスが‥あっ、ごめんなさい!鎧が汚れちゃって‥‥」
(鎧?)

俺がその言葉に引っ掛かって顔を上げると

「‥‥」

スキンヘッドに加え、右の側頭部に大きな傷を持った、筋骨隆々のいかにもな人が立っていた。

「ボソッ)鑑定」

ライラット
人族 職業 剣士
ステータス
力 D/D 魔力 G/G 防御 D/D 俊敏 F/F
スキル
剣術Lv6 剣の扱いが上手くなる 自身の能力が微小
     向上
盾術Lv6 盾の扱いが上手くなる 自身の能力が微小
     向上

今日見た中で一番だ

(憂鬱だ‥‥)
「あちゃ~、お嬢ちゃん怪我は無かったかい?」
(おや?)「でも、おじちゃんの鎧が‥‥」ポロポロ
「あ~、泣くな、ほら、こんなの水で流せばすぐ落ちるさ、大丈夫だよ」

周りの大人からは

「あんな小さい子供を泣かして‥‥」「最低ね‥‥」

なんて声が聞こえてくる。

「ほら、ニーナ、食べかけだけど俺のをあげるから泣くな、このおじさんも困っちゃうだろ」
「うん‥‥」

そう言うとニーナが俺の食べかけのアイスを食べ始めた。

「すみませんでした」
「まぁ、気にすんな、足元を見てなかった俺も悪かったってことよ、アイス代、これで足りるかい?」

おじさんは銅貨5枚を俺に渡した。

「少し多いですよ」
「いいんだ、詫び料だと思ってくれ」

と言うとおじさんは歩いて行ってしまった。

「はい、ニーナ、これおじさんが返してくれたよ」
「あっ、ありがとう、でもこれはアイスくれたからレイ君にあげる!」
「別にいいのに」

日が沈み始め、辺りは少し暗くなってきた

「さて、暗くなってきたし、宿に戻るか!」
「うん!」
「あらあら」「ふふふっ、微笑ましいですね~」
「可愛らしいじゃない」

俺達は空いている手を繋いで来た道を戻った。




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