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幸せのモブおじさんの噂

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世の中には、モブおじさんが溢れている。

日によっては大量発生することもある。ただ、モブおじさんが好む18歳から30歳位の男性の人口と比べると、モブおじさんは少ない。
朝の情報番組のメインキャスターの阿久津アナのように、モブおじさん発生の日にはいつもアンアン言わされる人もいれば、特に襲われることなく過ごせる人もいる。モブおじさんにも好みがあるらしい。

僕、高橋春樹のような平凡な容姿は需要がないのか、大学生になって3ヶ月、モブおじさんに襲われたことはない。
モブおじさん大量発生の日には、大学でも多くの学生や教員、職員がモブおじさんにアンアン言わされている。慣れている人も多い。
大学だけじゃない、通勤電車や飲食店など、色んな場所にモブおじさんは出現する。それでも、僕はまだ無事だ。
「…っていうか、一生モブおじさんに襲われることはないと思うんだ」
学食のAランチ、今日は白身魚のフライ定食を箸でつつきながら、僕は言った。でも、一緒に学食に来た加賀ヒカルはそれどころじゃない。大量発生中のモブおじさんの膝の上に座らされ、下から突き上げられている。僕の席からは見えないけれど、お尻にはしっかりモブおじさんのアレが入っているのだろう。下から揺すられているヒカルは、まんざらでもない顔をしている。
ヒカルは高校生じゃなくなった4月1日にモブおじさんと遭遇したらしい。その後も色々なモブおじさんに遭遇し、今に至るとのことだ。
「…気持ちいいの?…それ?」
「…い…いいよ?最初は…ちょっとキツかったけど…」
「ふーん…」
「気になるなら…恋人作ったり…誰かにお願いすればいいじゃん…」
赤い顔のまま、ヒカルは言う。確かに、セックスをする方法はモブおじさんに襲われるだけじゃない。恋人を見つけたり、そういう店に行ったり色々方法はあるらしい。大学の場合は先生とセックスすれば単位を貰えるとか、社会人になったらセックスで契約が取れるとか、色々話は聞く。
だから、いずれはそういうことをするのかなとも思うけれど、別に急ぐ必要はないと思っている。
走行している間に、モブおじさんは目的を果たしたらしく、去っていった。用を終えたモブおじさんは、驚くほど存在感がなくなる。まるで幽霊みたいだ。

「そういえばさ、幸せのモブおじさんがいるって噂知ってる?」
そう口にしたのは、モブおじさんとのセックスが終わり、アイスコーヒーで一息ついているヒカルだ。
「何それ?」
「胸の辺りに星型の痣があるモブおじさんがいてさ、そのモブおじさんとセックスをすれば幸せになるって噂」
「幸せってなんだよ?」
「内容は人によって違うらしいけど、宝くじの1等が当たったとか、夢が叶ったとか色々あるらしいよ」
「ふーん。幸せねぇ」
僕は、アイスミルクティーを飲みながら、幸せについて考える。幸せって何だろう?とりあえず、今は無事に卒業して就職することかなぁって思ったけれど、もっと凄い幸せもあるんだろうなと思う。
「ヒカルは何を願うの?」
「うーん…。俺は幸せよりも…モブおじさんのが気持ちいいかどうか気になるなぁ」
「そこ!?」
「やっぱり気持ちいい方がいいじゃん」


あれから数ヶ月、ヒカルと比べ、僕の人生はずっと平平凡凡だ。
そんな僕は、頑張ってレポートを書いていたノートPCが突然壊れ、途方に暮れていた。
「ヤバいな…。今日提出しなきゃいけないのに…」
今日は講義が詰まっており、PCを直しに行く暇もない。何とか直らないかと、リュックの中に入れているが、何度触っても電源は入らず望み薄だ。
「しょっぱなから単位落としそうとか最悪だよなぁ…」
そう呟きながら歩く僕の目に入ったのは、星型の何かだった。
「…え?」
改めて見ると、構内の廊下に全裸のおじさんが立っていた。そのおじさんの胸に星型の痣があった。
「…あ、あれは…し、幸せのモブおじさん!?」
おれは、前にヒカルが言っていたことを思い出す。このモブおじさんとセックスをすれば、幸せになる…!そう思った瞬間、俺はモブおじさんに駆け寄っていた。
「…お、俺とセ…セックス…して下さい…」
「…え?」
モブおじさんが、きょとんとした顔で僕を見た。僕の知っているモブおじさんは、欲望に忠実でいつも臨戦態勢だ。でも、目の前のモブおじさんは、僕に対し欲望の色はなく、股間を見てもだらんと垂れ下がったままだ。
「…あ、…ああ…」
やっぱり、僕みたいな平凡な存在は、モブおじさんに相手にされないんだ。僕が幸せになることはないんだ…。そう実感をした。
「ごめんなさい…」
諦めてその場を離れようとした僕の手をモブおじさんが掴んだ。
「…え?」
「…こっち」
モブおじさんは、僕の手を引き、小さな部屋に入る。ちょっとした物置のような部屋だ。これまでに入ったことはない。モブおじさんは、手近にあった椅子を引き寄せ、そこに座る。
「セックスしたいなら、どうすればいいのかな?」
言いながら、モブおじさんは僕の前で足を広げる。股間のモノはだらんとしたままだ。
「…え、…えっと…」
僕はモブおじさんの前にひざまずき、恐る恐るそれに触れてみた。生まれて初めて、自分以外のモノに触れた。とりあえず、右手で竿を握り前後させてみる。すると、だらんとしていたソレは、気持ち程度反応した。
「が…頑張ります…!」
とりあえず、幸せのモブおじさんとできるチャンスがあるのなら、そう思って僕は覚悟を決めてそれを口に含む。生暖かく、なんとも言えない味が口に広がった。一瞬、咥えたことを後悔したけれど、手で触れた時よりもしっかりとした反応を感じることができた。そこで、必死に舌を這わせたり、手でしごいたりできることを試す。その結果、それは無事に臨戦態勢になる。
「…こ…、これで…できますよね…?」
モブおじさんのモノから口を話すと、涎か何かの液が糸を引いた。
そんな僕の顔を見て、モブおじさんは嬉しそうに笑った。
「君、経験は…?」
「…な、ない…です…」
「それなのに、セックスしたがったり、自分から舐めたりエッチな子だね」
言いながらモブおじさんは、僕を床に押し倒し、あっという間に下半身を裸にしていく。当たり前のように、僕の足をM字に開かせ、股間からその後ろを凝視していく。
「いいね、いいね。処女アナル」
言いながら、ボトルに入った液体を僕の股間に垂らす。冷たさにビクッとなったけれど、そのまま股間からお尻にかけてまさぐられ、違う間隔が襲ってくる。
「下のお口も勉強熱心かな?」
モブおじさんは、そう言いながら、僕のお尻に指を入れてくる。何度もモブおじさんを目撃しているから、何をされるかは分かる。でも、実際にそこを触られたり、これからセックスをされるのだと思うと、怖さや恥ずかしさなど色んな感情が込み上げる。そんな僕の気持ちなんてお構いなしに、モブおじさんは僕のお尻の中を指でかき回していく。
「指をどんどん飲み込んでいくよ?勉強熱心なお口だね」
「…ぼ、僕と…セックス…できますか…?」
「そうだね。とりあえず、ハメてみようか」
僕の腕を掴んだモブおじさんは、そのまま僕を四つん這いの姿勢にさせる。そのまま、僕のお尻に熱いモノを宛がう。一瞬の緊張の後、そのままナカに太くて硬いモノが入ってきた。
「…う、…あ…」
「おおお、…キツいね…。流石処女アナル…」
指とは違う衝撃に頭が真っ白になる。そんな僕のことなんてお構いなしと言わんばかりに、モブおじさんはゆるゆると腰を動かす。僕のナカを堪能するかのように。
「美味しそうに咥えて、本当に勉強熱心だ」
モブおじさんは、そう言うとゆっくり腰を引き、再び奥を突いてきた。そしてそれを何度も繰り返す。幸い痛みは殆どなかったけれど、ナカから違うものが押し寄せてくる。
「…お…お尻…気持ちいい……」
「いいね。なんて優秀なアナルなんだ」
気を良くしたのか、モブおじさんはパンパンと僕のお尻を犯していく。
気が付けば、胡坐をかいたモブおじさんの上に座らされていた。お尻にはまだアレが入ったままだ。そのまま下から突き上げられる。前に、ヒカルがされていたみたいに。
体勢が変わると、当たる場所が変わり、新鮮な刺激が押し寄せてくる。僕は、モブおじさんのなすがままで、気が付けばお腹の奥の大量の精液を出されていた。

「確か…高橋…春樹君だったね?」
モブおじさんは近くに置いてあった服を着ながら、僕に話しかける。
「…え?…名前…?」
「君は真面目に講義に出席していたからね」
言いながら、モブおじさんは髪を整え、服と一緒に置いてあった眼鏡をかけた。
その顔には見覚えがあった。
「…え!?斉藤教授…!?」
「何を驚いているのかね?分かっていて来たんだろう?」
言われて、頭がぐるぐるする。最初に見た時は、髪がぼさぼさで眼鏡もかけていなくて、さらに全裸でどう見てもモブおじさんだった。でも、身なりを整えると、見覚えのある教授だ。
「高橋君の前にも、レポートが間に合わないからセックスでって学生が来たばかりでね」
「…え」
「まぁ、彼は常習犯だけど、真面目な高橋君まで来るとは思わなかったよ」
教授はそう言うと、僕の頭を撫でた。
「…とりあえず、今回はこれで単位を約束しよう。また用があったらいつでも来たまえ。高橋君なら大歓迎だよ」
そう言って、教授は部屋を出ていった。どうやら、ここは教授専用の部屋だったらしい。

「…な、なんだよ…。幸せのモブおじさんじゃなかったかよ…」
と、僕は肩を落とす。それと同時に、お尻からは液体がこぼれる感触がした。
「でも単位約束して貰ったからそこは良かったのか…」
そう言いながら、バッグに手を伸ばす。何気なくPCに触ると、電源が入った。
「…あ。幸せのモブおじさんだったのかも…」
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