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出会い
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『あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
如月岬(享年?17歳)は悶絶していた。
その理由は、ついさっきヘタレ攻めと俺様受けのセックスを見てしまったためだ。
『何アレ!!!ヤバいんですけど!!!!』
誰にも届かない声をあげながら、岬は心の中で悶絶をする。その度に、今日はやめておこうと弱気になった攻めを見た時には、今日は最後までしないのかとヤキモキしたのだが、受けの男性がとても男前だった。もうこの男性が押し倒してヘタレな男性を抱いてもいいんじゃないかという感じなのだが、気弱になる男性をリードしセックスへと持ち込んだ。一つになった瞬間、岬は心の中で叫び声を上げた。
最初は受けがリードしていたのに、抱く側の男性が快楽に溺れたのか自信を持ったのか、自分からも積極的に攻めるようになり、最終的にはチェックアウトギリギリまでセックスを楽しむ形となった。
そんな駆け引きや、2人の関係の変化は岬の心を刺激した。
『ヤバい!!!創作をしたい!!!っていうか、誰かとこの気持ちを分かち合いたい!!!』
そう叫んでも、しょせんは心の中。実際の声とは違い、人に届くことはない。壁状態の岬では、SNSを使って人と気持ちを分かち合うこともできない。
転生をした時点では、最高と思っていた岬だが、人と語れないことが辛いと感じるようになってきていた。
『…もしかしたら、これって生き地獄なのかも!?』
そんな岬の絶望を打ち破ったのは『ううっ…』といううめき声だった。
最初岬は、他の部屋で誰かが呻いているのではないか、もしかしたら大人のおもちゃを入れられて放置プレイでもされているのではないかと心が躍った。とりあえず、美味しいことが行われているのであれば、しっかり確認しておきたいと必死で耳を澄ます。声の元を探ると、どうやら自分の背後から聞こえているようだった。
『隣の部屋でどんな美味しいことが…!!!』
そう思って必死で耳を澄ます。ただ、よく聞いてみると、声の主は女性のようだった。
『なんだ…。NLか…』
そう思うと、耳を澄ませる努力をする気も失せた。
ここは別に、ゲイ限定のラブホテルではないため、普通の利用者も来ることがある。ただ、男同士で使いやすいという噂が立っているためか、利用者の割合は圧倒的に男同士が多い。
普通のカップルは入りにくいと感じてしまうのか、それとも男同士が使っている部屋で致すことに抵抗を感じるのか。その両方か。
隣の部屋はどうやら女性がいるようだと思うと、耳を澄ます気も失せ、次のカップルが入ってこないかと待つ気分になる。部屋には清掃が入り、テキパキとシーツ交換や清掃作業を進めていく。その際に、岬の転生先となっている鏡も拭かれる。最初は、近づいてくるクロスに怯えを感じたが、拭かれても特に何かを感じることもなかった。それどころか、拭かれた後は心なしか視界が良くなったり、音が良く聞こえるような気がしたため、今は清掃が有難くて仕方ない。
『この清掃の人がもし腐女子なら、色んな妄想をしながら仕事をしているのかな。でも、清掃だとシーツの乱れとか、部屋の様子を見て妄想するしかできない。ううん。そういう妄想は妄想で素晴らしいものだけど、常に室内にいる私は現場を生で見ることができる!!一時は絶望しかけたけれど、やっぱりこの生活最高!!!』
岬の気持ちが右肩上がりになる。そんな岬の耳に今度は、すすり泣くような声が聞こえた。
『隣の部屋…どうなってるのかな…』
ただならぬ気配を感じ、関心が隣の部屋に移る。もし、何か起きてたとしても、岬には何もできない。そのもどかしさもある。ただ、その声に違和感を感じた。
『声の距離近くない?壁の傍で泣いているのかな?何?別れ話でもされたの?』
そう思って耳をそばだてる。
すると『ヤバい…。尊過ぎる…!幼馴染のケンカップルBL…!!なのに始まったらイチャイチャ甘々って…!最高かよ!!!』そんな声が聞こえてきた。
『な!!!!!!!!!幼馴染!!!』
岬は思ず大きな声を出す。すると『え?壁の向こうに誰かいる?っていうか、私の声聞こえる人がいるの!?』と、女性の声が聞こえた。
『…え?私の声も通じているの…???』
岬も驚いて聞き返す。
岬がこのラブホテルに転生して、初めて人と喋った瞬間だった。
如月岬(享年?17歳)は悶絶していた。
その理由は、ついさっきヘタレ攻めと俺様受けのセックスを見てしまったためだ。
『何アレ!!!ヤバいんですけど!!!!』
誰にも届かない声をあげながら、岬は心の中で悶絶をする。その度に、今日はやめておこうと弱気になった攻めを見た時には、今日は最後までしないのかとヤキモキしたのだが、受けの男性がとても男前だった。もうこの男性が押し倒してヘタレな男性を抱いてもいいんじゃないかという感じなのだが、気弱になる男性をリードしセックスへと持ち込んだ。一つになった瞬間、岬は心の中で叫び声を上げた。
最初は受けがリードしていたのに、抱く側の男性が快楽に溺れたのか自信を持ったのか、自分からも積極的に攻めるようになり、最終的にはチェックアウトギリギリまでセックスを楽しむ形となった。
そんな駆け引きや、2人の関係の変化は岬の心を刺激した。
『ヤバい!!!創作をしたい!!!っていうか、誰かとこの気持ちを分かち合いたい!!!』
そう叫んでも、しょせんは心の中。実際の声とは違い、人に届くことはない。壁状態の岬では、SNSを使って人と気持ちを分かち合うこともできない。
転生をした時点では、最高と思っていた岬だが、人と語れないことが辛いと感じるようになってきていた。
『…もしかしたら、これって生き地獄なのかも!?』
そんな岬の絶望を打ち破ったのは『ううっ…』といううめき声だった。
最初岬は、他の部屋で誰かが呻いているのではないか、もしかしたら大人のおもちゃを入れられて放置プレイでもされているのではないかと心が躍った。とりあえず、美味しいことが行われているのであれば、しっかり確認しておきたいと必死で耳を澄ます。声の元を探ると、どうやら自分の背後から聞こえているようだった。
『隣の部屋でどんな美味しいことが…!!!』
そう思って必死で耳を澄ます。ただ、よく聞いてみると、声の主は女性のようだった。
『なんだ…。NLか…』
そう思うと、耳を澄ませる努力をする気も失せた。
ここは別に、ゲイ限定のラブホテルではないため、普通の利用者も来ることがある。ただ、男同士で使いやすいという噂が立っているためか、利用者の割合は圧倒的に男同士が多い。
普通のカップルは入りにくいと感じてしまうのか、それとも男同士が使っている部屋で致すことに抵抗を感じるのか。その両方か。
隣の部屋はどうやら女性がいるようだと思うと、耳を澄ます気も失せ、次のカップルが入ってこないかと待つ気分になる。部屋には清掃が入り、テキパキとシーツ交換や清掃作業を進めていく。その際に、岬の転生先となっている鏡も拭かれる。最初は、近づいてくるクロスに怯えを感じたが、拭かれても特に何かを感じることもなかった。それどころか、拭かれた後は心なしか視界が良くなったり、音が良く聞こえるような気がしたため、今は清掃が有難くて仕方ない。
『この清掃の人がもし腐女子なら、色んな妄想をしながら仕事をしているのかな。でも、清掃だとシーツの乱れとか、部屋の様子を見て妄想するしかできない。ううん。そういう妄想は妄想で素晴らしいものだけど、常に室内にいる私は現場を生で見ることができる!!一時は絶望しかけたけれど、やっぱりこの生活最高!!!』
岬の気持ちが右肩上がりになる。そんな岬の耳に今度は、すすり泣くような声が聞こえた。
『隣の部屋…どうなってるのかな…』
ただならぬ気配を感じ、関心が隣の部屋に移る。もし、何か起きてたとしても、岬には何もできない。そのもどかしさもある。ただ、その声に違和感を感じた。
『声の距離近くない?壁の傍で泣いているのかな?何?別れ話でもされたの?』
そう思って耳をそばだてる。
すると『ヤバい…。尊過ぎる…!幼馴染のケンカップルBL…!!なのに始まったらイチャイチャ甘々って…!最高かよ!!!』そんな声が聞こえてきた。
『な!!!!!!!!!幼馴染!!!』
岬は思ず大きな声を出す。すると『え?壁の向こうに誰かいる?っていうか、私の声聞こえる人がいるの!?』と、女性の声が聞こえた。
『…え?私の声も通じているの…???』
岬も驚いて聞き返す。
岬がこのラブホテルに転生して、初めて人と喋った瞬間だった。
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