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生まれること
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「お茶をひとつ」
「ただいま」
ハタに会うため、浜守の村から出て早一週間。あれから旅僧には出会っていない。
今いる場所は長良山麓の村。ここにある登山道を使えば、長良山の奥に行ける。
「どうぞ」
お茶を受け取り、一口。はぁと息をはけば白く現れる。最近寒くなって来たなと実感した。雪が降る前に山に登り、降りてこないといけない。
「嬢ちゃん、こんな田舎に何の用だい?」
年老いたおじいさんが私の隣に座り、話しかけてきた。
「今から長良山を登ろうかと思いまして」
「やめといた方がいいと思うがね...。危ないよ」
私を見つめつつ、忠告をする。
おじいさんにもお茶が運ばれてきた。
「行かないわけにはいきません」
「こんな時期に登る理由があると?」
お茶をすすってから、噛みしめるように言うおじいさん。そこからは何か雰囲気が感じられた。
「人に会う予定がありますから」
「もしかして嬢ちゃん、気調士かい?」
目を見開いてこっちを見てくるおじいさん。
「はい。よく知っていますね」
「長いこと生きているからな。たくさんの気調士に会ったさ」
そう言って見つめてくるおじいさんの目は、真剣だった。私は何かを感じて問う。
「気を付けな。この村で気司怪の話をしない方がいい。何か聞かれたら旅のものとだけ答えるのが一番じゃ」
「ご忠告、ありがとうございます。......勘定を」
勘定を済ませて立ち上がった。
これから山を登る。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
登り始めて二時間弱。前来た時よりもはるかに草木が伸びたようだ。道にはみ出しているのが増えている。
「探しずらい……」
この登山道には、お地蔵さまがポツンとある。それが目印なのだが…。
「あっ」
見つけた。草のせいで頭しか見えない。次来やすいよう、後で草を刈っておくことに決めた。お地蔵さまの後ろ、そこからは獣道が続いている。
「これは……」
しばらく歩いていると、目の前に小さな気司怪が現れた。蜻蛉のような形をしていて、全体的に透けている。気司怪越しに後ろが見えた。
人差し指をピンと張って、近づける。
「留まった」
羽を震わせつつも飛び立とうとはしない。攻撃的ではないようだ。
以前来た時には、こんな気司怪はいなかった。
「あいつ…」
あそこまではあと少しだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あった。獣道の先、一軒の平屋だ。枯れていない野菜が植わっており、人がいるのがうかがえる。
「ハタ、いるの!」
「はい…。って夢さんじゃないですか」
入り口から出てきたのは、14歳くらいの少年。ぼさぼさの髪に崩れた服装。そうとうだらけた生活を送っていたみたいだ。それに右手には巻き切れていないほうたい。
「上がるよ」
「う、うん」
「どうぞ」
「ありがとう」
ハタが出してくれた水を一口。冷たさがのどを通り過ぎ、疲れを癒していく気がした。
「ねえ、ハタ」
私がゆっくり切り出すと、ハタは無言で見つめてくる。
「また使ったでしょ、右手」
「使ってないよ…」
口が引きつっている。嘘がバレバレだ。
「嘘をつかないで」
「ちょっ…」
ハタの右手首をつかみ、無理やりほうたいをはぎ取った。
その右手は、さっきの気司怪のように透けていた。触れようとすると、すーっとすり抜けてしまう。
「ほら…。もう触れないとこまで来てる……。前来た時にはいなかった気司怪も見たよ」
「……」
ハタは黙ったまま。
私は、初めて出会った時のことを思い出した。
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「ここか……」
やっと来れた。あいまいな情報だけではここに来るのが難しかった。ここは気調士の間で噂になっている人物が住む家。今回、私が代表して真偽を調べてくることになった。
今私は、草むらの中に隠れている。例の人物に見つからないようにするためだ。
「出てこない……」
ここに隠れて初めてもう数時間が経った。空を見れば真上に太陽がある。昼だというのに、朝から一回も外に出てきていない。
噂でしかなかったとあきらめて帰ろうとした時だ。
「っ…」
扉が開いた。でできたのは、
「少年…?」
情報では一人で住んでいると聞いた。でも少年だとは聞いていない。年齢十四といったところか。
「いい天気だ」
少年はそう言って、畑仕事を始めた。
「……」
黙って監視を続けた。しかし何も怪しい動きはない。そんなこんなでまた、家の中に入ってしまった。
あれから一回も出てこない。家の中まで入ることはできず、調査は難航している。
そんな時、
「っ…」
家の壁から何か出てきた。扉を開けたわけではない。すっとすり抜けてきたのだ。その何かは、ゆっくりと家から離れていく。これはあたりだと思い、後をつけることにした。
「これは……」
何かの後をつけた結果、不思議なところにたどり着いた。桜は満開、瓜草が地面に咲き誇り、たくさんの栗が落ちていて、黄梅が存在感を放っている。まさに春夏秋冬。
「今、春なのに……」
そう、今は春だ。こんな景色が存在しているわけない。
「あっ」
思い出した。以前聞いたことがあった。『一年中春夏秋冬を感じる場所』があると。そしてそれは気司怪の巣であると。
私は小刀を取り出し、さっきの何かを切りつけた。そうすると、落っこちて地面をのたうち回り、そして消えた。間違いない。ここは気司怪の巣だ。噂は本当だった。
確信を持って周りを見渡す。空中、葉っぱの裏、小川、至るとこにいる気司怪は八割強、見たことがないものだ。しかしすべてが透けている。まだ存在が希薄のようだ。生まれて間もないことが確実。
「戻ろう」
私はこの場をあとにした。
先ほどの家に戻ると、外に少年が出ていた。
ゆっくりと後ろに忍び寄り、捕まえる。
「痛た! 何するんだ!」
「それはこっちのセリフ、なぜ大量の気司怪を生み出してるの? 答えて」
私の言葉に、少年の抵抗が緩む。
「気司怪……、何それ?」
信じられないことを口にした。
「どうぞ」
「お構いなく」
私の前に水が出された。とりあえず飲まないことにする。どうやらこの少年、ハタというらしいが、気司怪のことを知らないみたいだった。
話が進まなくなってしまうので、軽く説明を済ませてある。
「私はあなたのことを調査に来たの。なぜだかわかる?」
「気司怪ってやつのことですよね?」
「そう。正直に答えてね」
語気を強めて少し脅す。
「……もし嘘ついたら?」
「しかるべき対応をするかな……」
「……」
私の言葉にひどくおびえている。
「正直に答えれば悪いようにはしないから」
「はい……」
「どうやって気司怪を生み出したの?」
「右手で書いたものがその気司怪ってやつになります」
そういって右手を見せてくれた。書いたものが気司怪になるなんて力、人間が持っていていいものではない。何かあるはずだ。
……え。
「あなた腕が気司怪化し始めてる……」
少年の腕はなんとなくだが透けていた。改めて確認すると、なんとなく気司怪の気配が感じられる。
「気司怪化?」
「このままあなたが能力を使い続けると、まず間違いなく人間じゃなくなる。人間の時の流れから外れてしまう」
私の言葉によって、流石に実感が湧いてきたのだろう。表情が苦しい。
「やめた方が良い。命を生み出すっていうのは、そんな簡単なことじゃないの」
「で、でも僕は簡単に...」
訂正しよう。まだ実感は湧いていなかった。
「あなたの腕を見てみてよ。その状態から察するに、自分を代償にしてる。とても危険なことをしているってことに気付いて」
「僕は...一人だった。数年前、おばあちゃんが死んでからずっと」
少年は私の言葉を聞いて語り出した。
「おばあちゃんが死ぬ前に教えてくれた。この右手のことを。言われた通り、適当に文字を書いてみた。そしたらそれが浮かび上がったんだ」
どうやらその能力を教えたのは、ひとりになってしまう孫のためだったようだ。
「おばあちゃんの教えてくれた能力。いきなりやって来たやつのことなんか聞くもんか!」
少年はまっすぐ私をみてくる。拳を振るわせながら。
「......おばあちゃんは、あなたがそう言ってくて嬉しいと思っているだろう。でも、自分が教えた能力で孫が危険にさらされるなんて悲しいと思うに違いないよ」
少年が目を見開いた。
「また様子を見にくるね」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「今ね、旅僧っていう集団が怪しい動きをしてるの。気司怪関係の人に対して、潰すとか言ってさ」
「っ...」
驚いたようだが、何も言わない。
「ここまで来るとは思わないけど、その能力がバレたら間違いなく危険。今後も、絶対に使っちゃダメだからね」
「分かった...」
やっと口を開いた。
「自分のためにも、おばあちゃんのためにも」
次回~「色欲の先」
「ただいま」
ハタに会うため、浜守の村から出て早一週間。あれから旅僧には出会っていない。
今いる場所は長良山麓の村。ここにある登山道を使えば、長良山の奥に行ける。
「どうぞ」
お茶を受け取り、一口。はぁと息をはけば白く現れる。最近寒くなって来たなと実感した。雪が降る前に山に登り、降りてこないといけない。
「嬢ちゃん、こんな田舎に何の用だい?」
年老いたおじいさんが私の隣に座り、話しかけてきた。
「今から長良山を登ろうかと思いまして」
「やめといた方がいいと思うがね...。危ないよ」
私を見つめつつ、忠告をする。
おじいさんにもお茶が運ばれてきた。
「行かないわけにはいきません」
「こんな時期に登る理由があると?」
お茶をすすってから、噛みしめるように言うおじいさん。そこからは何か雰囲気が感じられた。
「人に会う予定がありますから」
「もしかして嬢ちゃん、気調士かい?」
目を見開いてこっちを見てくるおじいさん。
「はい。よく知っていますね」
「長いこと生きているからな。たくさんの気調士に会ったさ」
そう言って見つめてくるおじいさんの目は、真剣だった。私は何かを感じて問う。
「気を付けな。この村で気司怪の話をしない方がいい。何か聞かれたら旅のものとだけ答えるのが一番じゃ」
「ご忠告、ありがとうございます。......勘定を」
勘定を済ませて立ち上がった。
これから山を登る。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
登り始めて二時間弱。前来た時よりもはるかに草木が伸びたようだ。道にはみ出しているのが増えている。
「探しずらい……」
この登山道には、お地蔵さまがポツンとある。それが目印なのだが…。
「あっ」
見つけた。草のせいで頭しか見えない。次来やすいよう、後で草を刈っておくことに決めた。お地蔵さまの後ろ、そこからは獣道が続いている。
「これは……」
しばらく歩いていると、目の前に小さな気司怪が現れた。蜻蛉のような形をしていて、全体的に透けている。気司怪越しに後ろが見えた。
人差し指をピンと張って、近づける。
「留まった」
羽を震わせつつも飛び立とうとはしない。攻撃的ではないようだ。
以前来た時には、こんな気司怪はいなかった。
「あいつ…」
あそこまではあと少しだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あった。獣道の先、一軒の平屋だ。枯れていない野菜が植わっており、人がいるのがうかがえる。
「ハタ、いるの!」
「はい…。って夢さんじゃないですか」
入り口から出てきたのは、14歳くらいの少年。ぼさぼさの髪に崩れた服装。そうとうだらけた生活を送っていたみたいだ。それに右手には巻き切れていないほうたい。
「上がるよ」
「う、うん」
「どうぞ」
「ありがとう」
ハタが出してくれた水を一口。冷たさがのどを通り過ぎ、疲れを癒していく気がした。
「ねえ、ハタ」
私がゆっくり切り出すと、ハタは無言で見つめてくる。
「また使ったでしょ、右手」
「使ってないよ…」
口が引きつっている。嘘がバレバレだ。
「嘘をつかないで」
「ちょっ…」
ハタの右手首をつかみ、無理やりほうたいをはぎ取った。
その右手は、さっきの気司怪のように透けていた。触れようとすると、すーっとすり抜けてしまう。
「ほら…。もう触れないとこまで来てる……。前来た時にはいなかった気司怪も見たよ」
「……」
ハタは黙ったまま。
私は、初めて出会った時のことを思い出した。
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「ここか……」
やっと来れた。あいまいな情報だけではここに来るのが難しかった。ここは気調士の間で噂になっている人物が住む家。今回、私が代表して真偽を調べてくることになった。
今私は、草むらの中に隠れている。例の人物に見つからないようにするためだ。
「出てこない……」
ここに隠れて初めてもう数時間が経った。空を見れば真上に太陽がある。昼だというのに、朝から一回も外に出てきていない。
噂でしかなかったとあきらめて帰ろうとした時だ。
「っ…」
扉が開いた。でできたのは、
「少年…?」
情報では一人で住んでいると聞いた。でも少年だとは聞いていない。年齢十四といったところか。
「いい天気だ」
少年はそう言って、畑仕事を始めた。
「……」
黙って監視を続けた。しかし何も怪しい動きはない。そんなこんなでまた、家の中に入ってしまった。
あれから一回も出てこない。家の中まで入ることはできず、調査は難航している。
そんな時、
「っ…」
家の壁から何か出てきた。扉を開けたわけではない。すっとすり抜けてきたのだ。その何かは、ゆっくりと家から離れていく。これはあたりだと思い、後をつけることにした。
「これは……」
何かの後をつけた結果、不思議なところにたどり着いた。桜は満開、瓜草が地面に咲き誇り、たくさんの栗が落ちていて、黄梅が存在感を放っている。まさに春夏秋冬。
「今、春なのに……」
そう、今は春だ。こんな景色が存在しているわけない。
「あっ」
思い出した。以前聞いたことがあった。『一年中春夏秋冬を感じる場所』があると。そしてそれは気司怪の巣であると。
私は小刀を取り出し、さっきの何かを切りつけた。そうすると、落っこちて地面をのたうち回り、そして消えた。間違いない。ここは気司怪の巣だ。噂は本当だった。
確信を持って周りを見渡す。空中、葉っぱの裏、小川、至るとこにいる気司怪は八割強、見たことがないものだ。しかしすべてが透けている。まだ存在が希薄のようだ。生まれて間もないことが確実。
「戻ろう」
私はこの場をあとにした。
先ほどの家に戻ると、外に少年が出ていた。
ゆっくりと後ろに忍び寄り、捕まえる。
「痛た! 何するんだ!」
「それはこっちのセリフ、なぜ大量の気司怪を生み出してるの? 答えて」
私の言葉に、少年の抵抗が緩む。
「気司怪……、何それ?」
信じられないことを口にした。
「どうぞ」
「お構いなく」
私の前に水が出された。とりあえず飲まないことにする。どうやらこの少年、ハタというらしいが、気司怪のことを知らないみたいだった。
話が進まなくなってしまうので、軽く説明を済ませてある。
「私はあなたのことを調査に来たの。なぜだかわかる?」
「気司怪ってやつのことですよね?」
「そう。正直に答えてね」
語気を強めて少し脅す。
「……もし嘘ついたら?」
「しかるべき対応をするかな……」
「……」
私の言葉にひどくおびえている。
「正直に答えれば悪いようにはしないから」
「はい……」
「どうやって気司怪を生み出したの?」
「右手で書いたものがその気司怪ってやつになります」
そういって右手を見せてくれた。書いたものが気司怪になるなんて力、人間が持っていていいものではない。何かあるはずだ。
……え。
「あなた腕が気司怪化し始めてる……」
少年の腕はなんとなくだが透けていた。改めて確認すると、なんとなく気司怪の気配が感じられる。
「気司怪化?」
「このままあなたが能力を使い続けると、まず間違いなく人間じゃなくなる。人間の時の流れから外れてしまう」
私の言葉によって、流石に実感が湧いてきたのだろう。表情が苦しい。
「やめた方が良い。命を生み出すっていうのは、そんな簡単なことじゃないの」
「で、でも僕は簡単に...」
訂正しよう。まだ実感は湧いていなかった。
「あなたの腕を見てみてよ。その状態から察するに、自分を代償にしてる。とても危険なことをしているってことに気付いて」
「僕は...一人だった。数年前、おばあちゃんが死んでからずっと」
少年は私の言葉を聞いて語り出した。
「おばあちゃんが死ぬ前に教えてくれた。この右手のことを。言われた通り、適当に文字を書いてみた。そしたらそれが浮かび上がったんだ」
どうやらその能力を教えたのは、ひとりになってしまう孫のためだったようだ。
「おばあちゃんの教えてくれた能力。いきなりやって来たやつのことなんか聞くもんか!」
少年はまっすぐ私をみてくる。拳を振るわせながら。
「......おばあちゃんは、あなたがそう言ってくて嬉しいと思っているだろう。でも、自分が教えた能力で孫が危険にさらされるなんて悲しいと思うに違いないよ」
少年が目を見開いた。
「また様子を見にくるね」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「今ね、旅僧っていう集団が怪しい動きをしてるの。気司怪関係の人に対して、潰すとか言ってさ」
「っ...」
驚いたようだが、何も言わない。
「ここまで来るとは思わないけど、その能力がバレたら間違いなく危険。今後も、絶対に使っちゃダメだからね」
「分かった...」
やっと口を開いた。
「自分のためにも、おばあちゃんのためにも」
次回~「色欲の先」
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