当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

文字の大きさ
上 下
290 / 433
センバでほのぼの?サバイバル

果物狩りへ 2

しおりを挟む
「無理だ」

夕食時、グイグイ姉妹の果物売りたい宣言を一言で却下したお父様。

「なんで?!」「儲かること間違いないのに?!」
お父様にもグイグイいく姉妹。

「お前達2人を連れて行ってもいいが、多分、お前達は収穫できんぞ?」

「だから、なんで?!」「私達が兄ぃと違って弱いから?!」
ライ様に比べたら、そりゃ弱いでしょうに。

「お前達が弱かろうが、周りがフォローすればそれは別になんとかなるが、
うーん、勇者イツキとあの果樹の主との契約?なんなんだろうな?
とにかく、年に1回1人1個しか採れん」

「「は?!」」

「しかも、この人に食わせたい!って思ってるヤツにしか採れない。
だから、プロポーズとか、出産祝いとか、喧嘩の仲直りとかに使われる」

「ええぇ?!!」「どうしよう!皇太子殿下に約束しちゃったじゃん?!」

「お前ら、安易に約束してくるなよ」
「確認は商売の基本でしょうに」
「しかも、皇太子って、なんでそんな面倒そうな立場の人間と約束なんてしてんの?」
「お前達らしくないな?」
お父様、お母様、チィちゃん、ライ様皆に責められてますわ。

「だって、お花畑が!」「クソ聖女もどきが!」「「2人の仲を引っ掻き回すから!」」

「なんだそりゃ?」
「えー?帝国で面倒事起きてるの?」
「愛憎どろどろ劇ですか?」
「…お前達に関係ないよな?」

「とにかく!!」「連れてっても大丈夫なら、連れて行って!!」
「「その果樹の主とやらに交渉するわ!!」」

「まぁ、連れてくのは良いけど、年に1回の行事だからな、
希望者を募って行くんだ。準備に時間がかかる。早くて来週。
ちなみに、行くのに丸1日かかるからな?果実を採って次の日の早朝帰る。
少なくとも2泊は野営だぞ?もたもたすればより時間がかかる。良いのか?」

「やってやるわ!」「約束を破るのは商人として信用を落とすもの!」

「はー、仕方ない、連れて行こう。
イチイとシラヌイはどうする?行くか?」

「ハイ!リオリア様に食べて頂くのです!!」
「ええ、リアに捧げます」

「お、おう、ありがとう?俺も行ってみたいけど、足手まとい確実だしなぁ」
お兄様が残念がっていますわ。

「チィちゃん、ライ様、帰ってきたら4人で一緒に頂きましょうね!
あらアカシア君にお裾分けしても良いのかしら?」

「アカシアは俺の女神と分けるから大丈夫だ。
勇者の再来が、自分の唯一に捧げる最初の果実だ、受け取ってやってくれ」
ウンウンとうなずきながら、チィちゃんとライ様がキラキラした顔でこちらを見ています。

お兄様の顔を見ると、あ、照れてますね?
「お、おおぅ、無理はするなよ?」
「ハイ!!!!」
チィちゃん、拝みながら鼻血出てるわ。

「ライ様も無事にお戻り下さいね?」
「任せろ」
そう言って、私の手を取ろうとしたのをめざとく見つけたお兄様に叩き落とされましたわ。
「エスコート以外でディの手を取るなど、8年早い」
あらあら。って、8年ですの?

「18歳になったら、なったら、ック…手を繋ぐのを許す、カモ、いや20歳までは?いや、ディが嫁き遅れと言われるなどあってはならんし、かといって、ディが、ディが嫁ぐだと?!いや、隣に家」「お兄様、私はここに居ますわ?」「ディ!」

「リオ君、戻って来なさい?!」「ッハ!」
お母様の呼び掛けで、我に返ったお兄様。

「イチイ、アレ、なんかすっごいシスコンだけど良いの?」
「ハイ!」
ミズキ様、最初からわかっていた事ですわ。

「兄ぃも、なんでブラコンから奪わないの?」
「ユラ、リアはリオが居るからリアなのだよ」
「…うん、常人には理解出来ない事がわかったわ」
ライ様!素晴らしい包容力ですわ!!

「とにかく!チィちゃんとライ様の採ってくる果物、期待していますわね!」
「もちろんです♪」「任せろ」

「あー、私達は殿下に手紙書かなきゃ」
「鳥、使わせてくれるかな?」
姉妹は姉妹で頑張ってくださいまし!
しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

病弱を演じていた性悪な姉は、仮病が原因で大変なことになってしまうようです

柚木ゆず
ファンタジー
 優秀で性格の良い妹と比較されるのが嫌で、比較をされなくなる上に心配をしてもらえるようになるから。大嫌いな妹を、召し使いのように扱き使えるから。一日中ゴロゴロできて、なんでも好きな物を買ってもらえるから。  ファデアリア男爵家の長女ジュリアはそんな理由で仮病を使い、可哀想な令嬢を演じて理想的な毎日を過ごしていました。  ですが、そんな幸せな日常は――。これまで彼女が吐いてきた嘘によって、一変してしまうことになるのでした。

すり替えられた公爵令嬢

鈴蘭
恋愛
帝国から嫁いで来た正妻キャサリンと離縁したあと、キャサリンとの間に出来た娘を捨てて、元婚約者アマンダとの間に出来た娘を嫡子として第一王子の婚約者に差し出したオルターナ公爵。 しかし王家は帝国との繋がりを求め、キャサリンの血を引く娘を欲していた。 妹が入れ替わった事に気付いた兄のルーカスは、事実を親友でもある第一王子のアルフレッドに告げるが、幼い二人にはどうする事も出来ず時間だけが流れて行く。 本来なら庶子として育つ筈だったマルゲリーターは公爵と後妻に溺愛されており、自身の中に高貴な血が流れていると信じて疑いもしていない、我儘で自分勝手な公女として育っていた。 完璧だと思われていた娘の入れ替えは、捨てた娘が学園に入学して来た事で、綻びを見せて行く。 視点がコロコロかわるので、ナレーション形式にしてみました。 お話が長いので、主要な登場人物を紹介します。 ロイズ王国 エレイン・フルール男爵令嬢 15歳 ルーカス・オルターナ公爵令息 17歳 アルフレッド・ロイズ第一王子 17歳 マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢 15歳 マルゲリーターの母 アマンダ パトリシア・アンバタサー エレインのクラスメイト アルフレッドの側近 カシュー・イーシヤ 18歳 ダニエル・ウイロー 16歳 マシュー・イーシヤ 15歳 帝国 エレインとルーカスの母 キャサリン帝国の侯爵令嬢(皇帝の姪) キャサリンの再婚相手 アンドレイ(キャサリンの従兄妹) 隣国ルタオー王国 バーバラ王女

【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる
ファンタジー
「あなたの石、屑石じゃないの!?魔力、入ってらっしゃるの?」 ええよく言われますわ…。 でもこんな見た目でも、よく働いてくれるのですわよ。 この国では、13歳になると学校へ入学する。 そして1年生は聖なる山へ登り、石場で自分にだけ煌めいたように見える石を一つ選ぶ。その石に魔力を使ってもらって生活に役立てるのだ。 ☆この国での世界観です。

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!

よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます

水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか? 私は、逃げます! えっ?途中退場はなし? 無理です!私には務まりません! 悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。 一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

プロローグでケリをつけた乙女ゲームに、悪役令嬢は必要ない(と思いたい)

犬野きらり
恋愛
私、ミルフィーナ・ダルンは侯爵令嬢で二年前にこの世界が乙女ゲームと気づき本当にヒロインがいるか確認して、私は覚悟を決めた。 『ヒロインをゲーム本編に出さない。プロローグでケリをつける』 ヒロインは、お父様の再婚相手の連れ子な義妹、特に何もされていないが、今後が大変そうだからひとまず、ごめんなさい。プロローグは肩慣らし程度の攻略対象者の義兄。わかっていれば対応はできます。 まず乙女ゲームって一人の女の子が何人も男性を攻略出来ること自体、あり得ないのよ。ヒロインは天然だから気づかない、嘘、嘘。わかってて敢えてやってるからね、男落とし、それで成り上がってますから。 みんなに現実見せて、納得してもらう。揚げ足、ご都合に変換発言なんて上等!ヒロインと一緒の生活は、少しの発言でも悪役令嬢発言多々ありらしく、私も危ない。ごめんね、ヒロインさん、そんな理由で強制退去です。 でもこのゲーム退屈で途中でやめたから、その続き知りません。

ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~

翡翠蓮
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……

処理中です...