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これぞ悪役?シスコン無双
砕け散ったのは
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「………」
穴が空いたコーティング土壁を前に
お兄様は額に手を当て天を仰ぎ、
フーティ様は頭を抱え、
イーリー様とヨーク様は肩を震わせ顔を背けています。
そして、殿下は、大口開けて凝視していましたが
「な、な、な、」
言葉が出てこないようです。
目をぱちくりしていた先生が、スタスタと歩きだし、コーティング土壁の前に立ち、色んな角度から眺めて、触ってから、
「ふむ。ただの土壁は大破しました。
でも、殿下の魔法が施された方は、キレイに穴が空いています。
強度が増している証拠ですね。
尚且つ、エアトル君のウィンド・ショットが、こう、回転するようにココを通り抜けた、という経過まで見てとれます。
殿下、すごいですよ、こんな風に形跡まで残せるほど固かったということです。
例えるなら?
溶け始めのアイスにスプーンをひねって入れても、普通に入れたのとあまり変わらない跡でしょうが
固いアイスなら、ひねって入れてぐぐぐってなった感じとか、すごーく力を入れて最後飛んでった感じとか、跡が残るでしょう?
アレですね!」
「「「ああーー…」」」
スッゴク想像しやすい例えですけれども!!なんですけれども!感心しづらいですわ!
「ちなみになんですが、この状態のものに、再度魔法をかけると、この状態が長く続くのでしょうか?
エアトル君に断られましたからね、放課後、魔法科の先生と、これを見ながら語り合いたいのですが、
ああ、2回重ね掛けも、してもらえば良かったですね!そしたら、さらに強度が増すのかの実証もしてみたかった。
いやはや、王家の固有魔法、興味はつきませんな!!」
「そ、そうか!!魔法科の先生と語る程のレベルか!!
やはりな、王家の固有魔法は素晴らしいのだ!!」
うんうんとうなずきながら語る先生に、殿下の機嫌は上向きになってきましたわ。
先生、素晴らしい手腕ですわ!
「ええ、素晴らしいです。王家の協力が得られれば、付与魔法の研究もはかどるかもしれません!」
え?付与とコーティングは違う気がするわ?
あら?中まで固くなってたって事は、コーティングじゃなくて、フレンチトースト?
「うん、ディ、黙ってよっか。めんどくさくなる気がする」
ええ、お兄様に従いますわ。
「あ、エアトル嬢がまだ魔法を披露してませんでしたね。
エアトル嬢、的打ち、行いますか?」
「辞退してもよろしいので?」
「かまいませ」「いや!ここは全員、平等に披露するべきだろう!1人だけ免除だなんて、本当は不得意なんだろう!!!」
え、殿下?私にも噛みつきますの?
「まぁ、確かに、あまり得意ではありません」
お兄様よりは。微調整が。方向付けが。
「不得意だからといって1人だけ特別扱いはズルいだろう!無様な姿だろうが、皆に披露するが良い!」
鼻息荒く、殿下が言います。
「女性に対して…」フーティ様達が、汚物を見る目になってますわ。
「ディ?小さくだよ、小さく。いい?イチイを思い出して?ね?」
お兄様が、くれぐれも、くれぐれも、と注意します。
ええ、小さくですね!
つまり、押すなよ!と同じ系ですね!
「ディのあの笑顔は、マズイ物を思い浮かべてる気がする?!」
マズくないですわ。飛べない鳥の倶楽部ですわ。
「では、御前失礼いたします」
定位置まで進み、両手を上に挙げてみました。
オラに元気を分けてくれ!!
「ディ!!!それは、ダメだ!!!校舎破壊するぞ?!ライ様ばりに語り継がれるぞ!!!」
「心配するのはソコじゃありません!!
まだ授業中です!!人的被害が出ます!!エアトル嬢!!魔力を散らしてください!!!」
あら?お兄様と先生が焦ってますわ。
なので、思いっきりお兄様の方を向いてしまいましたの。
あ。離れちゃった。
「ウィンド・ウォール!!ウィンド・ショット!!!」
ドゴォォォォンーーーー……
激しい土煙が上がります。
お兄様が、ウィンド・ショットで相殺してくださいましたわ。
あ、ついでに、フーティ様達もウィンド・ウォールで守ってくださいましたのね。
土煙が収まると、あ、お兄様、怒ってらっしゃる?
「ディ?小さくって言ったよね?!!」
「だって、、ちょっとイライラしてたの。お兄様の手を煩わせてごめんなさい」
「うん、ごめんなさい出来て偉いね」
お兄様が頭をなでてくれます。
「「謝るべきはソコじゃない!」ですわ!!」
あら、先生とフーティ様の声が揃いました。
「えーーっと?」周りを見渡して見ました。あら、私としたことが。
「先生の放課後のお楽しみを壊して、ごめんなさい」
コーティング改めフレンチトースト土壁が、粉々です。
「「ソコでもない!!」ですわ!!」
え?じゃぁ、どこですの?
穴が空いたコーティング土壁を前に
お兄様は額に手を当て天を仰ぎ、
フーティ様は頭を抱え、
イーリー様とヨーク様は肩を震わせ顔を背けています。
そして、殿下は、大口開けて凝視していましたが
「な、な、な、」
言葉が出てこないようです。
目をぱちくりしていた先生が、スタスタと歩きだし、コーティング土壁の前に立ち、色んな角度から眺めて、触ってから、
「ふむ。ただの土壁は大破しました。
でも、殿下の魔法が施された方は、キレイに穴が空いています。
強度が増している証拠ですね。
尚且つ、エアトル君のウィンド・ショットが、こう、回転するようにココを通り抜けた、という経過まで見てとれます。
殿下、すごいですよ、こんな風に形跡まで残せるほど固かったということです。
例えるなら?
溶け始めのアイスにスプーンをひねって入れても、普通に入れたのとあまり変わらない跡でしょうが
固いアイスなら、ひねって入れてぐぐぐってなった感じとか、すごーく力を入れて最後飛んでった感じとか、跡が残るでしょう?
アレですね!」
「「「ああーー…」」」
スッゴク想像しやすい例えですけれども!!なんですけれども!感心しづらいですわ!
「ちなみになんですが、この状態のものに、再度魔法をかけると、この状態が長く続くのでしょうか?
エアトル君に断られましたからね、放課後、魔法科の先生と、これを見ながら語り合いたいのですが、
ああ、2回重ね掛けも、してもらえば良かったですね!そしたら、さらに強度が増すのかの実証もしてみたかった。
いやはや、王家の固有魔法、興味はつきませんな!!」
「そ、そうか!!魔法科の先生と語る程のレベルか!!
やはりな、王家の固有魔法は素晴らしいのだ!!」
うんうんとうなずきながら語る先生に、殿下の機嫌は上向きになってきましたわ。
先生、素晴らしい手腕ですわ!
「ええ、素晴らしいです。王家の協力が得られれば、付与魔法の研究もはかどるかもしれません!」
え?付与とコーティングは違う気がするわ?
あら?中まで固くなってたって事は、コーティングじゃなくて、フレンチトースト?
「うん、ディ、黙ってよっか。めんどくさくなる気がする」
ええ、お兄様に従いますわ。
「あ、エアトル嬢がまだ魔法を披露してませんでしたね。
エアトル嬢、的打ち、行いますか?」
「辞退してもよろしいので?」
「かまいませ」「いや!ここは全員、平等に披露するべきだろう!1人だけ免除だなんて、本当は不得意なんだろう!!!」
え、殿下?私にも噛みつきますの?
「まぁ、確かに、あまり得意ではありません」
お兄様よりは。微調整が。方向付けが。
「不得意だからといって1人だけ特別扱いはズルいだろう!無様な姿だろうが、皆に披露するが良い!」
鼻息荒く、殿下が言います。
「女性に対して…」フーティ様達が、汚物を見る目になってますわ。
「ディ?小さくだよ、小さく。いい?イチイを思い出して?ね?」
お兄様が、くれぐれも、くれぐれも、と注意します。
ええ、小さくですね!
つまり、押すなよ!と同じ系ですね!
「ディのあの笑顔は、マズイ物を思い浮かべてる気がする?!」
マズくないですわ。飛べない鳥の倶楽部ですわ。
「では、御前失礼いたします」
定位置まで進み、両手を上に挙げてみました。
オラに元気を分けてくれ!!
「ディ!!!それは、ダメだ!!!校舎破壊するぞ?!ライ様ばりに語り継がれるぞ!!!」
「心配するのはソコじゃありません!!
まだ授業中です!!人的被害が出ます!!エアトル嬢!!魔力を散らしてください!!!」
あら?お兄様と先生が焦ってますわ。
なので、思いっきりお兄様の方を向いてしまいましたの。
あ。離れちゃった。
「ウィンド・ウォール!!ウィンド・ショット!!!」
ドゴォォォォンーーーー……
激しい土煙が上がります。
お兄様が、ウィンド・ショットで相殺してくださいましたわ。
あ、ついでに、フーティ様達もウィンド・ウォールで守ってくださいましたのね。
土煙が収まると、あ、お兄様、怒ってらっしゃる?
「ディ?小さくって言ったよね?!!」
「だって、、ちょっとイライラしてたの。お兄様の手を煩わせてごめんなさい」
「うん、ごめんなさい出来て偉いね」
お兄様が頭をなでてくれます。
「「謝るべきはソコじゃない!」ですわ!!」
あら、先生とフーティ様の声が揃いました。
「えーーっと?」周りを見渡して見ました。あら、私としたことが。
「先生の放課後のお楽しみを壊して、ごめんなさい」
コーティング改めフレンチトースト土壁が、粉々です。
「「ソコでもない!!」ですわ!!」
え?じゃぁ、どこですの?
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