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067 領主と会う

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俺の中で領主とは2通り。
王太子にペコペコするが、実は裏で犯罪じみた事をしているヤツ。
もしくは、気さくで市民からも尊敬されている出来た人。
このどっちかだ。(俺ラノベ調べ)

どちらにせよ、王太子が訪問すれば下手に出てくるのは間違いない。
偉そうにするバカは不敬罪になるのでいないだろうが。

さて、ここの領主。
どちらのタイプかと思ってたら、予想外だった。
なんと、同等の立場のような振る舞いなのだ!
ついでに言えば、女性でした。

案内されるがままに執務室っぽい所に入り、出会った感想でした。


「して、殿下。本日はどのような要件で? 忙しいのですがね?」
「まず“聖人様”を紹介しようと思ってね」
「聞き及んでいますよ。それで?」
「彼関係の用事だよ」
「ふむ……。それは少々困りますね」

うん、会話を聞いていても意味が判らない。
頭の良い人同士は会話も最低限で良いのだろうか?

ついでに、紹介されたけどチラリとも見られてない。
いや、注目されても困るんだけどね?


謎のまま会話は進んでいく。
俺に出来る事と言えば、部屋を見回すくらいだ。

わ~、机の上に書類のような物が一杯あるな~。
横の棚には読めないけど本が沢山あるな~。あっ、酒瓶発見。

「キョロキョロしてないで、会話に参加しろよ」
「えっ? あっ、俺に言ってる?」
「当たり前だろ?」
「いや、参加しろって言われても、理解出来ないんだけどさぁ……」
「どこから理解出来ない?」
「最初からだけど?」

あっ、王太子と領主さんが額に手を当てた。
ゴメンね、バカで。
でもさ、こっちは一般人だぜ?
政治っぽい会話とか、理解出来ると思うなよ!(ドヤッ!)

「何で偉そうな顔をしているのかは不明だが……聖人様に説明させていただこう」
「お願いします」

領主さんが説明してくるようだ。

「聖人様は各地の異常を調べていると城からの通達が来ている。
 それに協力しろとね。ここまでは判るかな?」

いや、そこまで子供じゃないんで。
知ってますよ。
まぁそれを言えば「なら判るだろ?」と言われても困るので、素直に返事をしておこう。

「はい、大丈夫です」
「その異常が悪魔に関する事なら、解決させるという事だが。
 間違い無いね?」
「はい」
「ではそれを踏まえて聞いて欲しい。
 この街での異常というのは『本来真水の出る場所では無いのに、掘れば真水が出る』というものだ。
 ありえない事、つまり異常なのだが、問題ではない。
 何故なら、それによって市民の生活が助かっているのだから。
 だが、聖人様はもしこの異常が悪魔によるものだった場合、解決させるという。
 この場合の解決とはどういう事なのか。
 水が出なくなる? 海水に戻る? どちらにしても、その事の方が困るのだよ。
 こちらとしては、解決とは『現状を維持したまま悪魔だけを連れて行く』というのが希望だが、可能なのかね?」

一気に説明されてしまった。
なるほど、確かに難しい問題だね。
悪魔の力(かもしれない)で便利になってるけど、連れてくのか?
連れて行くなら便利状態が無くなるのか? だとすれば領主としては許さないぜ? って事ね。

う~ん…………知らんがな!
俺に判るかけないじゃん!

判らない時は青色ロボッ……じゃなくて悪魔を召喚だよ!
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