レディース異世界満喫禄

日の丸

文字の大きさ
上 下
1,367 / 1,656

全然嬉しくねぇ!!

しおりを挟む
「さて・・・そろそろ行こうか」



コーリアスさん達も落ち着いたみたいだし、紅茶も飲んだしね。



あたしがそう言うと寛いでいた皆が立ち上がり真剣な顔で頷く。



「それじゃあ皆頑張るべ」



皆が頷いたのを確認した後あたしは【転移魔法】を使いルミナリアさん達が捕らわれていた牢へと転移した。





転移してすぐに辺りを見渡すと真っ暗で誰もおらず静まり返っていた。

一応【エリアサーチ】を使いこの辺りの様子を確認するとこの建物には誰もいない事がわかった。



「この建物は誰もいないみたいだね、コーリアスさんは此処が何処かわかるよね?ここからはコーリアスさんが案内してくれるかな?」



あたしがそう言うとコーリアスさんは真剣な顔で頷く。



「わかりました、出来るだけ人気のない所を通りますが戦闘になる事もありますのでそのつもりでいてください」



そん言葉にあたしは頷いて【アイテムボックス】から日光を取り出す。



「行こうか」



あたし達はコーリアスさんを先頭に建物を出た。





「こちらです」



人気のない廊下を音を立てないように走りながら【エリアサーチ】を使い周囲の確認をすると何人かの人はいるけどあたし達が通る場所には誰もいないのがわかった。



「第三王子・・・・国王のいる場所って分かってるの?」



走りながらコーリアスさんにそう聞くとコーリアスさんは前を見ながら口を開く。



「恐らく王の執務室でしょう、あそこにはいざという時の抜け道や結界魔法を付与してある魔道具が設置してあります、緊急時にはあそこにいる事となってますから」



一応アタリは付けてるんだね、ならそこに行こう!!





「誰だ貴様・・・・・・・コーリアス様?」



執務室のある建物に入ってすぐに騎士20人と鉢合わせをし、騎士達がコーリアスさんの事を見て驚いていた。



「シーリスか、お前もダサーノについたのか」



コーリアスさんが悲しそうな顔でそう言った。

シーリスと呼ばれた男とその周りの騎士達は視線を逸らし、シーリスは少し悔しそうに歯ぎしりをした後口を開く。



「申し訳ありません・・・・・家族を・・・・・攫われました」



その言葉にあたしは・・・・・いやこの場にいた王宮突撃メンバーは表で戦ってる奴等の中にもシーリスと呼ばれた男と同じような事をされてる奴がいる事を悟った。



「そんな奴等の言いなりになる事はないよ、あたしが第三王子を叩き潰してやる」



家族を人質にとる?ふざけるなよ?そんな事をするなんて人としてどうよ?王としてどうよ?



あたしがそう言うとシーリスと呼ばれた男があたし達【輝夜】の存在に気がついたのかあたしを凝視してきた。

そしてコーリアスさんもあたしを驚いたように見ていた・・・・が真剣な顔になり口を開く。



「シーリス、この方のお言葉を信じてはくれまいか?この方は神の寵愛を受けた使徒様なのだ」



・・・・・・・・・・・・・・コーリアスさん?別に『神の使徒』はいらなくね?コーリアスさんの言葉のせいで一気に怒りが消えちまったよ!!



「私達だけでここまで来ることは叶わなかったが使徒様のご助力のお陰でこうして此処まで来れた・・・・・だから其方等もこのお方を信じてくれ」



だから『使徒様』はいらないべ?もうやめて!!と考えてると10人の騎士全員があたしの前で跪く。



「これより我々は貴女様の剣となり戦わせていただきます」



・・・・・・・・・・・・・・・この人達も『使徒様』って言葉で言葉でこうなったんだろうな・・・・・・・・・・全然嬉しくねぇ!!



「皆立ちな、アンタ等はここに居たんだべ?第三王子が何処に居るかわかる?」



もう何を言っても無駄だと判ってるので本来の目的を果たす事にする!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界改革〜女神さまに頼まれたので味方を作って国を改革しちゃいます!!〜

ゆずこしょう
ファンタジー
北郷彩芽(30歳)は階段から滑って落ちて呆気なくこの世を去った。 去ったのだ。 しかし、目を開けると現れたのは女神と名乗る人。 なんと異世界に行ってほしいという。 しかしその世界は色々問題がある世界で…

あやかし居酒屋「酔」

キャラ文芸
|其処《そこ》は人に似て、人とは異なる者たちが住まう世界。ある日、気づくと|其処《そこ》にいた。 “綾”という名前以外、自身の記憶を全て失くして。記憶も、|還《かえ》る場所も失くした綾を鬼の統領・|羅刹《らせつ》は「異界の迷い人」とそう呼んだ。恐ろし気な肩書と裏腹に面倒見のいい羅刹に保護され、なんだかんだですっかり世界に馴染んだ綾は店をはじめた。その名も あやかし居酒屋「|酔《すい》」。個性豊かでギャップ強めのあやかしたち相手に今日も綾は料理を振る舞う。◆料理はおつまみ、ガッツリごはん系メイン。繋がりのある話もありますが、単体でもサクっと読めるのでお好きなメニュー部分だけでもお読み頂けます!ひとまず完結です。……当初の予定まで書ききったのですが、肉祭りや女子会も書きたいのでストックができればいつか復活する、かも?(未定)です。

冤罪で婚約破棄され、隣国に嫁がされそうです。そのまま冷遇されるお飾り王妃になるはずでしたが、初恋の王子様に攫われました。

櫻井みこと
恋愛
公爵令嬢のノエリアは、冤罪によって王太子から婚約破棄を告げられる。 どうやらこの婚約破棄には、国王陛下も関わっているらしい。 ノエリアを、隣国に嫁がせることが目的のようだ。 だが夫になる予定の国王にはもう妻がいて、ノエリアは血筋だけを求められるお飾りの王妃になる予定だった。 けれど結婚式直前に、ノエリアは忍び込んできたある男に攫われてしまう。 彼らの隠れ家に囚われているうちに、ノエリアは事件の真実を知る。

異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎは、転生前の知識とスキルで女性と客をもてなす~

きーす
ファンタジー
介護職の椎名守24歳が交通事故に巻き込まれたが、女神の計らいで宿屋を経営する両親を亡くした少年シーマへと転生することに。 残された宿屋と大切な女性たち?を守るために、現代の知識とスキルを駆使して異世界を魅了していく物語。 よくある異世界転生のチーレムもので、飯テロ要素も加えてます。 出来るだけですが、週4回くらいのペースで更新していく予定ですので、末永くご愛顧くださいますようお願いいたします。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムなどにも投稿されております。

聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!

幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23  女性向けホットランキング1位 2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位  ありがとうございます。 「うわ~ 私を捨てないでー!」 声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・ でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので 「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」 くらいにしか聞こえていないのね? と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~ 誰か拾って~ 私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。 将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。 塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。 私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・  ↑ここ冒頭 けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・ そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。 「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。 だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。 この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。 果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか? さあ! 物語が始まります。

よくある婚約破棄なので

おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。 その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。 言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。 「よくある婚約破棄なので」 ・すれ違う二人をめぐる短い話 ・前編は各自の証言になります ・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド ・全25話完結

噂好きのローレッタ

水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。 ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。 ※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです) ※小説家になろうにも掲載しています ◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました (旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)

最低の屑になる予定だったけど隣国王子と好き放題するわ

福留しゅん
恋愛
傲慢で横暴で尊大な絶世の美女だった公爵令嬢ギゼラは聖女に婚約者の皇太子を奪われて嫉妬に駆られ、悪意の罰として火刑という最後を遂げましたとさ、ざまぁ! めでたしめでたし。 ……なんて地獄の未来から舞い戻ったギゼラことあたしは、隣国に逃げることにした。役目とか知るかバーカ。好き放題させてもらうわ。なんなら意気投合した隣国王子と一緒にな! ※小説家になろう様にも投稿してます。

処理中です...