レディース異世界満喫禄

何も教えてくれなかったんだけど！！

あたしの言葉を聞き後ずさりするテオラさんを見て首を傾げる。



「テオラさん？」



あたしがそう声を掛けると慌てたように直立不動になり口を開く。



「これは失礼しました！！まさか【カグヤ商会】のような大商会とは思わず気安く声を掛けてしまい申し訳ない！！」



「へ？」



何でいきなり謝りだすのさ？意味が分からん！！



「あのさテオラさん？いきなりどうしたのさ？」



あたしがそう言うとテオラさんがバツの悪そうな顔で口を開く。



「私の所みたいな小さな商会と違い、【カグヤ商会】みたいな大商会を持つレン様は身分が違うといいますか・・・・・・」



そう言われてあたしは苦笑しながら口を開く。



「確かに【カグヤ商会】って大きくなったかもしれないけどあたしがそれを成し遂げた訳じゃないしねあたしは平民だよ？って言うか【カグヤ商会】ってそんなに大きな商会って事になってるの？」



初めて聞いたよ！！エルスさん達は何も教えてくれなかったんだけど！！



「え？オーナーなんですよね？」



信じられないって顔であたしを見るテオラさんにあたしは頷く。

っ言うかそんな事ななってるのがあたし的には信じられないんだけど！！！



「うん、でもさっきも言ったように人任せだから本当に知らなかったんだよ」



そんな事を話していたら受付嬢が戻って来てあたしに声を掛けて来た。



「レン様、空いている部屋を使う許可を得ましたのでご案内します」



・・・・・・・・・・何で『レン様』になってるの？



「ねえ？何で『様』付け？」



気になったので受付嬢に聞いてみると予想外の言葉を聞くことになった。



「グラマスが貴女様に関する事には『最優先』するようにと申し送りがありました」



あのおっさん何でそんな事すんのさ？そんな事してもらうほどの身分じゃないよあたし？



「まあいいか」



取り敢えず空き部屋を使わせてもらえるなら使わせてもらいましょう！！



あたし達は受付嬢に案内してもらって空いている部屋に案内してもらった。



その部屋は３０人は入る大きな部屋でアニマルズとドラゴンズものんびりできる部屋だったので皆に寛いでもらい、あたしはテオラさんと話をする。



「さて約束通りドラゴンの皮を渡すよ」



視線をミズキに向けるとミズキが頷き【アイテムボックス】から体の一部が無いドラゴンを取り出した。



「少しお待ちくださいね」



ミズキはそう言いながらナイフを使い皮をはぎ始め、それをあたし達は見守る。



「ではレン様このドラゴンの皮の料金なのですが・・・・金貨１００枚でどうでしょうか？」



・・・・・・どうでしょうかって言われても相場がわからないしお金をもらうつもりも無いんだよね。

だってこのドラゴン昨日のおかずに使った肉の残りなんだよ？そんな物を売ろうとか思わないじゃん？



「うーん・・・そうだ！！」



お金のことをどうするか考えてたらいい事を思いついた！！



「どうされまいたレン様？」



あたしがいきなり『そうだ！！」って言ったからテオラさんが驚いたみたいでそう聞いてきた。



「テオラさん、テオラさんの商会の本拠地って【ウォルム王国】の王都にあるんだよね？」



あたしがそう聞くとテオラさんが不思議そうな顔をしながら頷く。



「なら今度テオラさんの店にあたしの信頼してる人達を向かわせるからその人達と話してくれるかな？」



「は？」



エルスさんとメリオールさんにテオラさんの商会に行ってもらって商談してもらおうと思う。

確かテオラさんの商会は魔物の皮を使って財布を作ってるって言ってたからね、確か【カグヤ商会】じゃ財布とか扱ってなかったはずだし。



「って事でよろしく！」



あたしがそう言うとテオラさんが困惑した顔で口を開く。



「何を言っているかわかりません！！」



え？なんで？