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閑話 真夜中の来訪者
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「んじゃケインの所に行こいう」
レン様がアストレイ様にそういったので私とカロラは深々と頭を下げながら口を開く。
「「いってらっしゃいませ」」
その言葉を聞いた後にレン様とアストレイ様がメイシェル王国の王都へと転移していった。
「さてカロラさん、店に仕入れられる物のリストを作成しましょう」
「はい」
私達はこの街に出す支店を全てリッティさんに任せるつもりですが商品に関しては【カグヤ商会】で統一された商品を仕入れる事にしているのでリストアップしてリッティさんにどれをどれだけ仕入れるかを決めてもらうつもりだ。
その作業を暫くしているとドア越しにノック音がして作業を辞めてカロラと見つめ合う
私達はこの街に来て日が浅いためにこの家に来るような知り合いはいないはずなのだ。
カロラと視線を交わした後にカロラは護身用のナイフを取り出してノックのあった扉へと歩いていき扉の前で立ち止まり口を開く。
「どちら様ですか?」
その問いにすぐに扉越しに言葉が返って来た。
「先程は失礼した、其方の主と少し話がしたく参った」
聞こえてきた声にカロラは驚き私に視線を向ける。
私その視線を受けながらも驚いていた、扉越しに聞こえて来た声は先程・・・・数時間前に城に居た時に散々聞いた声だったからだ。
私は溜息をついた後に扉まで歩いていき扉を開けた。
「夜分遅くにすまないな」
私は更に驚いた、予想通りの人が立っていたのだが他に娘さんしかいなかった・・・・王族が護衛を連れずにここまで来た事にかなり驚いた。
「申し訳ありませんが主は留守にしておりまして、後日改めて私達が伺いたいと思うのですが」
私の言葉にしばらく考えてから陛下が口を開く。
「かまわないので少し話を聞いてもらえにだろうか?」
真剣な表情で言われたので私は内心で溜息をついた後に中へと招いた。
「申し訳ありませんが此処は仮の拠点となっていまして高貴な方々を招くような準備はしていませんのでご了承ください」
「いきなり訪れたのは我々の方でそれを気にすることはしないでほしい」
その言葉を聞き頷いてから椅子を進めて座ってもらった。
「それで陛下、レン様に何か御用でしょうか?」
私の問いに頷く陛下。
「今ここに来たのは王としてではなく一人の親としてここに来た・・・・・・一人の親として私の娘をレン殿に預けたく思いここに来た」
・・・・・・・・・・またも内心でため息をつく。
あの時の態度に憤慨してここ来た方が何倍も楽だと思う。
「それは先ほどレン様がお断り申し上げたはずです、あの方は一度言った事はあまり変えたりする方ではありませんよ?私共が帰宅した後に何があったのかは存じませんが」
それを聞いた陛下は頷く。
「少し話をしただけでもそうなのであろうと思わせる人物なのはわかってはいる、だがレン殿がティーナシアに言った言葉は事実でありティーナシアを心配しての言葉だった・・・・それを感じ私は娘の更生を頼むのはレン殿しかいないと思った、このままここに居たら変れる物も変われなくなる・・・この子の今後の為にも今かわらなければならん・・・・そしてそれをレン殿に頼みたい」
そう言った後に深々と下げる陛下を見て思わずため息が出た。
「言い方は悪いのですが、それはそちらの都合ですよね?我が主に何の関係もなく我が主の負担になる事を受けてくれると思いますか?」
「分かっている・・・・レン殿さえよければ我が国の貴族として受け入れようと思っている、爵位は子爵家で」
真剣な顔でそう言って来る陛下に私は額を手の平で抑えながらため息をつく。
「そう言う話ならあの方は確実にお断りしますよ」
何せ同じような話を何度も断って来てますからね、メイシェル王国の爵位だっていまだに言う機会を伺っている状態なのですから。
レン様がアストレイ様にそういったので私とカロラは深々と頭を下げながら口を開く。
「「いってらっしゃいませ」」
その言葉を聞いた後にレン様とアストレイ様がメイシェル王国の王都へと転移していった。
「さてカロラさん、店に仕入れられる物のリストを作成しましょう」
「はい」
私達はこの街に出す支店を全てリッティさんに任せるつもりですが商品に関しては【カグヤ商会】で統一された商品を仕入れる事にしているのでリストアップしてリッティさんにどれをどれだけ仕入れるかを決めてもらうつもりだ。
その作業を暫くしているとドア越しにノック音がして作業を辞めてカロラと見つめ合う
私達はこの街に来て日が浅いためにこの家に来るような知り合いはいないはずなのだ。
カロラと視線を交わした後にカロラは護身用のナイフを取り出してノックのあった扉へと歩いていき扉の前で立ち止まり口を開く。
「どちら様ですか?」
その問いにすぐに扉越しに言葉が返って来た。
「先程は失礼した、其方の主と少し話がしたく参った」
聞こえてきた声にカロラは驚き私に視線を向ける。
私その視線を受けながらも驚いていた、扉越しに聞こえて来た声は先程・・・・数時間前に城に居た時に散々聞いた声だったからだ。
私は溜息をついた後に扉まで歩いていき扉を開けた。
「夜分遅くにすまないな」
私は更に驚いた、予想通りの人が立っていたのだが他に娘さんしかいなかった・・・・王族が護衛を連れずにここまで来た事にかなり驚いた。
「申し訳ありませんが主は留守にしておりまして、後日改めて私達が伺いたいと思うのですが」
私の言葉にしばらく考えてから陛下が口を開く。
「かまわないので少し話を聞いてもらえにだろうか?」
真剣な表情で言われたので私は内心で溜息をついた後に中へと招いた。
「申し訳ありませんが此処は仮の拠点となっていまして高貴な方々を招くような準備はしていませんのでご了承ください」
「いきなり訪れたのは我々の方でそれを気にすることはしないでほしい」
その言葉を聞き頷いてから椅子を進めて座ってもらった。
「それで陛下、レン様に何か御用でしょうか?」
私の問いに頷く陛下。
「今ここに来たのは王としてではなく一人の親としてここに来た・・・・・・一人の親として私の娘をレン殿に預けたく思いここに来た」
・・・・・・・・・・またも内心でため息をつく。
あの時の態度に憤慨してここ来た方が何倍も楽だと思う。
「それは先ほどレン様がお断り申し上げたはずです、あの方は一度言った事はあまり変えたりする方ではありませんよ?私共が帰宅した後に何があったのかは存じませんが」
それを聞いた陛下は頷く。
「少し話をしただけでもそうなのであろうと思わせる人物なのはわかってはいる、だがレン殿がティーナシアに言った言葉は事実でありティーナシアを心配しての言葉だった・・・・それを感じ私は娘の更生を頼むのはレン殿しかいないと思った、このままここに居たら変れる物も変われなくなる・・・この子の今後の為にも今かわらなければならん・・・・そしてそれをレン殿に頼みたい」
そう言った後に深々と下げる陛下を見て思わずため息が出た。
「言い方は悪いのですが、それはそちらの都合ですよね?我が主に何の関係もなく我が主の負担になる事を受けてくれると思いますか?」
「分かっている・・・・レン殿さえよければ我が国の貴族として受け入れようと思っている、爵位は子爵家で」
真剣な顔でそう言って来る陛下に私は額を手の平で抑えながらため息をつく。
「そう言う話ならあの方は確実にお断りしますよ」
何せ同じような話を何度も断って来てますからね、メイシェル王国の爵位だっていまだに言う機会を伺っている状態なのですから。
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