レディース異世界満喫禄

日の丸

文字の大きさ
上 下
920 / 1,656

しっかりと応援せねば!!

しおりを挟む
今度はレコアさんが攻撃を仕掛けた。

懐に入りローキックを放ち、すぐさまサイドステップで右に動きトンファーで左右のラッシュ。

フロム選手が剣と鞘を使いその防ぎ、レコアさんの攻撃の合間を狙い蹴りや突きを放つけどやはり躱される・・・・どちらの攻撃・守備共にレベルが高い。

始まって20分すぎたけどお互いにクリーンヒットは一撃もなかった。









「シン、どっちが勝つと思う?」



舞台上を見ながらシンに聞いて見ると、しばらく考え込んでからシンが口を開く。



「レコア選手だと思います」



「理由は?」



「レコア選手は未だに本気を出してはいないと思われます」



え?さっきの高速戦かなり本気だったような気がするんだけど?



「仕掛けるみたいですよ」



あたしが考え込んでいたらシンがそう言ってので舞台上を見るとフロム選手が踏み込むところだった。







フロム選手がレコアさんに向い直線的に踏み込み、それをレコアさんがトンファーで迎撃しようとした直前にサイドステップで右に動きレコアさんのトンファーが宙を切る。

その時に出来た隙を狙い鞘による2段付きを放ち、よけ損ねたレコアさんの肩に当たり少し後ろに吹き飛ばした。



「チッ!」



レコアさんは思いっきり地面を踏みしめ後ろに行くのを止め、そのまま前に踏み込む。

今度はレコアさんんがステップワークを使い右、左、右、左とリズムを刻むように進んでいきフロム選手に接近しお互いの射程圏内に入った瞬間、レコアさんのスピードがさらに速くなった。



「チッ」



レコアさんを一瞬見失ったフロム選手が視線を彷徨わせ右に吹き飛ばされた。









「確かに本気になってなかったね」



レコアさんが見せた動きは単純。

接近する際に今までの速さで左右に動き接近した途端今までより数段速く右へと移動してトンファーで殴ったのだ。

しかも今までの速さで左右の動きをしていて、右に移動した後、更に右に移動したのも効いている、見失った後最初に左を確認した・・・・心理的にはついさっきまで見せられた左右の動き・・・・右に動いた後だから左に居ると思わせたのも凄いと思う。

さっきまでは戦略的な戦いはしていなかったから本気になったという事なんだろう。



「これは決まったかな?」



もろに受けて吹き飛んだからね。

そう思ってフロム選手を見ると仰向けに倒れたまま動かなかった。



「それまで!!勝者レコア・ラノア!!」



それを確認した審判さんが勝利宣言をすると、会場中が湧き上がった。



「シンの言う通りになったね」



「レコア選手の戦略勝ちという事ですね、これまでの試合は戦略も何もなく勝って来たのですから凄いですねあの方は」



確かにただ殴り合って勝った来たって言われると凄いと思うね。



「でも最初から本気になったいないのは減点だね、相手を舐めてるとしか思えない」



しかも一撃もらってやっと本気になるとかさ、実戦でもしその一撃が致命傷になっていたら死んだのはレコアさんなんだ。



「ガイルさっきも言ったけど油断や傲慢は命を落とすから覚えておきな、さっきの試合も実戦であの一撃が致命傷だったら死んでいたんだ」



「はい」



討伐者の仕事の中には『盗賊の討伐』も偶にある、魔物相手と違って人間は悪知恵が働く。

油断して返り討ちにあったなんてのはよく聞く話だからね。



そんな話をしていると司会者が舞台上に上がって来て口を開く。



「見ごたえのある試合でした!!続きまして第2試合セレーナ・アルフィード選手VSバッカス・ルイ選手の試合を始めたいと思います!!」



あ!セレーナの戦いだ!!しっかりと応援せねば!!



「では両選手に登場してもらいましょう!!もうここまで来たら説明は不要!!素晴らしい試合を期待しております!!」



その言葉の後に選手専用の出入り口から2人が出て来た。



セレーナの相手は格上の選手・・・・いったいどう戦うのか楽しみにしてるべ!!

しおりを挟む
感想 1,343

あなたにおすすめの小説

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

辺境の最強魔導師   ~魔術大学を13歳で首席卒業した私が辺境に6年引きこもっていたら最強になってた~

日の丸
ファンタジー
ウィーラ大陸にある大国アクセリア帝国は大陸の約4割の国土を持つ大国である。 アクセリア帝国の帝都アクセリアにある魔術大学セルストーレ・・・・そこは魔術師を目指す誰もが憧れそして目指す大学・・・・その大学に13歳で首席をとるほどの天才がいた。 その天才がセレストーレを卒業する時から物語が始まる。

誰にでもできる異世界救済 ~【トライ&エラー】と【ステータス】でニートの君も今日から勇者だ!~

平尾正和/ほーち
ファンタジー
引きこもりニート山岡勝介は、しょーもないバチ当たり行為が原因で異世界に飛ばされ、その世界を救うことを義務付けられる。罰として異世界勇者的な人外チートはないものの、死んだらステータスを維持したままスタート地点(セーブポイント)からやり直しとなる”死に戻り”と、異世界の住人には使えないステータス機能、成長チートとも呼べる成長補正を駆使し、世界を救うため、ポンコツ貧乳エルフとともにマイペースで冒険する。 ※『死に戻り』と『成長チート』で異世界救済 ~バチ当たりヒキニートの異世界冒険譚~から改題しました

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない

しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30) 小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。 ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。 それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。 そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。 とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。 ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。 冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。 今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。 「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」 降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決! 面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。 これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...