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取り敢えずお風呂だけは入りたい!!
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「・・・・・・貴女があの『姐御』なの?」
リリアナがそう言ってあたしを見たけど、あたしはリリアナの言葉に崩れ落ちた。
「なにさその『あの姐御なの?』って・・・・・・」
あたしはアズエルでなんて言われてんだべ?もうね・・・・・・聞くのが怖いよ!!
「え?アズエルのギルドに来て初めて聞かされたのが『姐御伝説』よ?」
待って!!何それ!!何でそんなの聞かされてんの!!つーかあたし何の伝説も作ってないよ!!
「ハイハイ!今日はそんな話をしている場合じゃないだろう!よし!これから交代で休みを取るぞ!まずD、Fランクで見張りをしてくれ、魔物が押し寄せたら拠点に控えているランカー達で対応してくれ、やばかったら迷わず応援を頼め、そうすれば休んでる討伐者達が参加するからな」
どうやらこの拠点を仕切ってるのはブロードのようだ、まあベテランのAランカーなんだから当然だね。
「あと姐御は家に戻れ、お前さんが一番働いてるからな」
「え?いいの?他の皆はここで野営するんでしょう?」
拠点の後ろって言うかアズエル側にテントがたくさん張っており、討伐者達が休むようになっているのだけど。
「かまわんさ、なあ皆?」
ブロードが周りを見てそう言うとここに居る討伐者達が頷く。
「当然だ!」
「姐御のおかげで楽が出来たんだ、少しは休んでください」
「お姉さま!寝不足はお肌の大敵ですよ!!」
「お姉さま私と一緒に寝ましょう!!」
「姐御任せてください!」
などととても好意的な言葉をいただいたので一度家に戻ることにした。
「やばかったらすぐに来るよ」
「頼む」
ブロードと言葉を交わした後街に向かい歩き出す。
何かあったら全速力で走れば10分もかからずここに来る事が出来る、取り敢えずお風呂だけは入りたい!!
「お待ちくださいレン様」
歩き出したらセイが声を掛けてきたので足を止める。
「どうしたのさセイ?」
真顔で見てくるセイに問いかけるとセイが思いもよらぬことを口にした。
「わたしはここに残りたいと思います」
「へ?」
セイの事だから一緒に行動するとばかり思っていたのだけど、セイが言ったことに驚く。
「レン様がゆっくりと休まれる為には魔物の進行を抑え込む必要があります、ならば私が残りその対応に当たります、そうすればレン様はしっかりと疲れを癒す時間を得る事が出来ます」
確かにセイの力をもってすればそれは可能かもしれない、けども!!
「それは嬉しいけどセイに負担が行き過ぎだべよ?セイがぶっ倒れちまう」
たしかにのんびりしたいけど、それはセイを犠牲にしてまでほしい事じゃない。
「お忘れですかレン様?私は頑丈なんですよ?」
たしかに元剣だから頑丈だけどそう言う事じゃないべ?
「レン、セイの提案を有難く受けなさい、彼女は貴女の為に頑張りたいと言ってるのよ」
2人のやり取りを見ていたアリーヌがもう見てられないとばかりに声を掛けてきて、アリーヌの言葉にセイが何度も頷く。
「・・・・・わかったよ、でもあまり無理はしないようにね?」
「畏まりました」
そう言った後セイが対策拠点に戻っていくのを見送った後、あたし達はアズエルへと戻る、
「アリーヌさっきはありがとう」
「え?」
アリーヌの顔を見ながらお礼を言うと『キョトン』とした顔であたしを見るので、その顔を見て笑いながらもう一度お礼を言う。
「ありがとう、さっきセイとの話し合いでアリーヌがセイの気持ちを言ってくれたから、傷つけずに済んだよ」
もしもあの子の思いを理解せず『一緒に帰る』を選んだら少なからず傷つけていたかもしれない。
「・・・・・・あれね、別にお礼は要らないいらないわ、早く家に帰ってご飯が食べたかっただけだから」
そう言いながら早足に歩いていくアリーヌの横顔が照れてるような気がした。
その言葉は照れ隠しだよね?本気じゃないよね?ねえアリーヌ?
リリアナがそう言ってあたしを見たけど、あたしはリリアナの言葉に崩れ落ちた。
「なにさその『あの姐御なの?』って・・・・・・」
あたしはアズエルでなんて言われてんだべ?もうね・・・・・・聞くのが怖いよ!!
「え?アズエルのギルドに来て初めて聞かされたのが『姐御伝説』よ?」
待って!!何それ!!何でそんなの聞かされてんの!!つーかあたし何の伝説も作ってないよ!!
「ハイハイ!今日はそんな話をしている場合じゃないだろう!よし!これから交代で休みを取るぞ!まずD、Fランクで見張りをしてくれ、魔物が押し寄せたら拠点に控えているランカー達で対応してくれ、やばかったら迷わず応援を頼め、そうすれば休んでる討伐者達が参加するからな」
どうやらこの拠点を仕切ってるのはブロードのようだ、まあベテランのAランカーなんだから当然だね。
「あと姐御は家に戻れ、お前さんが一番働いてるからな」
「え?いいの?他の皆はここで野営するんでしょう?」
拠点の後ろって言うかアズエル側にテントがたくさん張っており、討伐者達が休むようになっているのだけど。
「かまわんさ、なあ皆?」
ブロードが周りを見てそう言うとここに居る討伐者達が頷く。
「当然だ!」
「姐御のおかげで楽が出来たんだ、少しは休んでください」
「お姉さま!寝不足はお肌の大敵ですよ!!」
「お姉さま私と一緒に寝ましょう!!」
「姐御任せてください!」
などととても好意的な言葉をいただいたので一度家に戻ることにした。
「やばかったらすぐに来るよ」
「頼む」
ブロードと言葉を交わした後街に向かい歩き出す。
何かあったら全速力で走れば10分もかからずここに来る事が出来る、取り敢えずお風呂だけは入りたい!!
「お待ちくださいレン様」
歩き出したらセイが声を掛けてきたので足を止める。
「どうしたのさセイ?」
真顔で見てくるセイに問いかけるとセイが思いもよらぬことを口にした。
「わたしはここに残りたいと思います」
「へ?」
セイの事だから一緒に行動するとばかり思っていたのだけど、セイが言ったことに驚く。
「レン様がゆっくりと休まれる為には魔物の進行を抑え込む必要があります、ならば私が残りその対応に当たります、そうすればレン様はしっかりと疲れを癒す時間を得る事が出来ます」
確かにセイの力をもってすればそれは可能かもしれない、けども!!
「それは嬉しいけどセイに負担が行き過ぎだべよ?セイがぶっ倒れちまう」
たしかにのんびりしたいけど、それはセイを犠牲にしてまでほしい事じゃない。
「お忘れですかレン様?私は頑丈なんですよ?」
たしかに元剣だから頑丈だけどそう言う事じゃないべ?
「レン、セイの提案を有難く受けなさい、彼女は貴女の為に頑張りたいと言ってるのよ」
2人のやり取りを見ていたアリーヌがもう見てられないとばかりに声を掛けてきて、アリーヌの言葉にセイが何度も頷く。
「・・・・・わかったよ、でもあまり無理はしないようにね?」
「畏まりました」
そう言った後セイが対策拠点に戻っていくのを見送った後、あたし達はアズエルへと戻る、
「アリーヌさっきはありがとう」
「え?」
アリーヌの顔を見ながらお礼を言うと『キョトン』とした顔であたしを見るので、その顔を見て笑いながらもう一度お礼を言う。
「ありがとう、さっきセイとの話し合いでアリーヌがセイの気持ちを言ってくれたから、傷つけずに済んだよ」
もしもあの子の思いを理解せず『一緒に帰る』を選んだら少なからず傷つけていたかもしれない。
「・・・・・・あれね、別にお礼は要らないいらないわ、早く家に帰ってご飯が食べたかっただけだから」
そう言いながら早足に歩いていくアリーヌの横顔が照れてるような気がした。
その言葉は照れ隠しだよね?本気じゃないよね?ねえアリーヌ?
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