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助けるけどね!!
しおりを挟む「ようこそいらっしゃいまいたジャンヌ様」
あたしの目の前には50代のでっぷりとし頭のてっぺんが眩しい男が手もみをしながらニコニコしながら口を開いている。
「いきなり来てすいませんね、【ドラクーン】の部隊をこの街の前の平原に休ませてやりたいので許可をもらいたいのです」
あたしがそう言うと目の前の男が何度もコクコク頷いた後笑顔で『大丈夫ですよ』と言ってきた。
「むしろ街でお休みいただいてもかまいませんよ、手配いたしましょう」
とまで言ったのであたしは首を左右に振る。
「そこまで迷惑をお掛けするわけにはいいいません、平原で充分です」
そう言うとそれ以上言わなくなった。
「では貴女様だけでも我が街でお休みください、お話も聞きたいですし」
「ではお言葉に甘えます」
「今晩は我が家で晩餐といきましょう!楽しみにしておいてください、後で迎えを送りますのでそれまでおくつろぎください」
そう言って護衛と共に街中に戻っていった領主様・・・・そう今まで話していたのはこの街の領主ツッル・ダラスだ。
「ラッチさん予定通りに」
あたしの護衛としてラッチさんとガラムが後ろで控えていたので、ラッチさんにそう話しかける。
「判りましたお気を付けて」
そう言ってラッチさんとガラム、シンにカナデが街の外に歩いていき、それを見送った後にあたしは紹介された宿へとアニマルズとドラゴンズ、そしてアリーヌ、ライ、セイと歩いて行った。
因みにミズキは領主三人を纏めて護衛している。
「今夜の食事には申し訳ないのですが従魔の同行はご遠慮ください」
立派な馬車で迎えに来た執事さんがそう言ってきたので頷く。
「わかったよ、けど身の回りの世話係として2人連れて行く」
「畏まりました」
どうやら了承してもらえたのでアリーヌとセイを同行者として馬車に乗り込む。
そして馬車に揺られ走ること20分くらいして馬車が止まり御者が『着きました』と言ってきたので馬車を降りるとそこは何も無い・・・・・・・・・・・いや30人くらいの男共が待ち構えていた更地だった。
「へっへっへ!!」
「三人ともいい女じゃねえか」
「少しくらい楽しんでもいいよな」
などとお決まりのセリフを言って来る。
・・・・・・・・・・・・あたしはそれを見てため息を一つついた後口を開く。
「こうも思い通りに行くとは・・・・・・・・・・・本当にバカしかいねえ」
「「「「「「「「「「なに?」」」」」」」」
あたしは街の空を仰ぎ見た。
「ジャンヌ様ただいま帰りました」
「お帰り二人共!本当にご苦労様!」
森の伏兵撃退を終え帰って来た皆をねぎらった後報告を聞く。
「と言う感じです、それと捕縛した者たちから情報を得ました、その中でかなり重要だと思われるものがありましたので聞いていただきたいのですが」
シンがそう言ってきたので頷く。
「では・・・・連れてきてくださいライ」
その数分後ライが160センチくらいの男性を連れて戻って来た。
「この者から話をさせます」
利がそう言ったのであたしは頷きその男を見る。
「俺はリック・・・・旅をしながら討伐者をやっているんだがあの街・・・・ダラスに入り休んでいたら妹を浚われ・・・・・その翌日・・・・領主から『妹の為俺に尽くせ』と言う感じの手紙が来た」
「それって」
確か王都でAランカーやAランクパーティーを雇ったって情報があったけどこれと同様の事をされてたら本人の意思ではなく無理やり従わされてる人もいるって事だ。
「今回の待ち伏せ部隊に居た奴らのほとんどは誰かを浚われ従わされた、討伐者や住民だ」
本当に最悪だ・・・・ダラスの領主!!
「だから頼む!!【灼熱の聖女】様!!俺達の大事な家族を助けてくれ!!!」
・・・・・・・・・助けたいけどなんか【灼熱の聖女】って言われて少し萎えたべよ!!
助けるけどね!!
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