711 / 1,656
でもね!!
しおりを挟む「おっす!!元気にしてる?」
あたしは【銀狼の寝床】に朝から顔を出して、モンドに挨拶をする。
するとモンドがかなりいやそうな顔で何歩か後ずさりした。
「どうしたのさモンド?」
「お前がその笑顔をするときはろくなことが起きないんだよ」
「ひどっ!!」
満面の笑みで挨拶しただけなのになんかえらい言われようだべよ!!
「お前のやった事を思い出してからもう一度言ってみろ」
ジト目でそう言ってくるけどあたし何もしてないよね?って首を傾げると思いっきり溜息をつかれた。
何でさ!!って思ったけど口にすると何か言われそうだからやめておいた。
「新しい食材持って来たんだ」
その言葉にモンドの顔つきが変わる。
「どんな食材だ?」
「ククルって木の実だよそれを使った『ククル煮』って言うのを食べたんだけどめっちゃ美味かったよ」
「ほう」
やっぱりモンドは料理が好きなんだねぇ!あたしの話を聞いてから目を輝かせてるし!
「これがククルね」
【アイテムボックス】から現物を取り出してテーブルの上に置く。
「これが現物ね、かなりの量を持ってきたから好きにしていいよ」
「お前ククル煮って言ってたな?」
あたしを見ずに現物を見ながら聞いてきたので頷く。
「うん、イメージはカレーみたいな感じかな?味は全然違うけど」
あたしの言葉を聞き腕を組んで目を閉じて考え込んでたモンドがククルを持って厨房に行ってしまった。
「楽しそうだね」
あんな楽しそうな顔をしているのなら持ってきたかいがあるってもんだ!!
「あれ?オーナー?店長は?」
「厨房に行っちゃった」
そう言ったあと少し話してあたしは家に戻った。
「お帰りなさいませ」
カロラが笑顔で出迎えてくれた。
「エルスさんは?」
周りを見てみるとエルスさんとポーラがいないので聞いてみた。
「ポーラは子供達と出かけました、あとエルスさんはケネスダスに戻っています」
エルスさんも忙しそうだ・・・・・・・・あたしのせいだけどね!!
「カロラはこれからどうするの?」
「私はこれからエルセア王国に行って仕入れをしてきます」
昨日頼んだ事をこれからしにいくんだね、とても助かるよ。
「ん?カロラって【転移の腕輪】って持ってたっけ?」
うちの大人組には全員渡してあるけどカロラは入ったばかりだから渡していなかった気がするんだけど。
「テレスから借りました」
「テレスから借りたんだ?んじゃこれ」
【アイテムボックス】から【転移の腕輪】を取り出してカロラに渡す。
「・・・・・・・・・・・・・・」
何で固まるのさ?もう何回も【転移の腕輪】は見ているだろうに?
「レン様、、私を信じてくださるのは嬉しいのですが簡単にこの様な物を渡さないでください」
「へ?」
何で怒られたのさ?
「簡単って言うかカロラは絶対に悪用はしないでしょ?きちんと渡す人は考えてるよ」
そう言うとカロラは驚いた顔の後深々と頭を下げる。
「私をそこまで評価していただきありがとうございます、これからも私のすべてを持って貴女様に仕えさせていただきます」
「大袈裟だよのんびりと楽しくやっていこう」
あたしの望みは皆で楽しく過ごすことだよ?そんなに気合を入れなくてもいいんだよ?
「それでは私の気がすみません!!」
「あたしの話聞いてた?あたしはのんびりを望んでいるんだよ?」
そんなあたしの言葉にカロラは首を左右に振る。
「レン様、我々はそれぞれに得意分野が違うのです、私がレン様の為に出来ることは『商人』として働くことなのです、他の皆もそれぞれの分野でレン様の為に動いているのです、ですから私も出来ることで貴女のお役にたつために頑張らしていただきます」
笑顔でそう言われると何も言えなくるじゃん!!でもね!!
「あたしは皆と過ごすだけで嬉しいんだよ、それだけは覚えておいて」
無理して倒れたりするとかは嫌なんだからね。
114
お気に入りに追加
1,282
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
辺境の最強魔導師 ~魔術大学を13歳で首席卒業した私が辺境に6年引きこもっていたら最強になってた~
日の丸
ファンタジー
ウィーラ大陸にある大国アクセリア帝国は大陸の約4割の国土を持つ大国である。
アクセリア帝国の帝都アクセリアにある魔術大学セルストーレ・・・・そこは魔術師を目指す誰もが憧れそして目指す大学・・・・その大学に13歳で首席をとるほどの天才がいた。
その天才がセレストーレを卒業する時から物語が始まる。
誰にでもできる異世界救済 ~【トライ&エラー】と【ステータス】でニートの君も今日から勇者だ!~
平尾正和/ほーち
ファンタジー
引きこもりニート山岡勝介は、しょーもないバチ当たり行為が原因で異世界に飛ばされ、その世界を救うことを義務付けられる。罰として異世界勇者的な人外チートはないものの、死んだらステータスを維持したままスタート地点(セーブポイント)からやり直しとなる”死に戻り”と、異世界の住人には使えないステータス機能、成長チートとも呼べる成長補正を駆使し、世界を救うため、ポンコツ貧乳エルフとともにマイペースで冒険する。
※『死に戻り』と『成長チート』で異世界救済 ~バチ当たりヒキニートの異世界冒険譚~から改題しました
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~
細波
ファンタジー
(3月27日変更)
仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる…
と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ!
「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」
周りの人も神も黒い!
「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」
そんな元オッサンは今日も行く!
生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない
しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30)
小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。
ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。
それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。
そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。
とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。
ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。
冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。
今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。
「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」
降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決!
面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。
これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる