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でもね!!
しおりを挟む「おっす!!元気にしてる?」
あたしは【銀狼の寝床】に朝から顔を出して、モンドに挨拶をする。
するとモンドがかなりいやそうな顔で何歩か後ずさりした。
「どうしたのさモンド?」
「お前がその笑顔をするときはろくなことが起きないんだよ」
「ひどっ!!」
満面の笑みで挨拶しただけなのになんかえらい言われようだべよ!!
「お前のやった事を思い出してからもう一度言ってみろ」
ジト目でそう言ってくるけどあたし何もしてないよね?って首を傾げると思いっきり溜息をつかれた。
何でさ!!って思ったけど口にすると何か言われそうだからやめておいた。
「新しい食材持って来たんだ」
その言葉にモンドの顔つきが変わる。
「どんな食材だ?」
「ククルって木の実だよそれを使った『ククル煮』って言うのを食べたんだけどめっちゃ美味かったよ」
「ほう」
やっぱりモンドは料理が好きなんだねぇ!あたしの話を聞いてから目を輝かせてるし!
「これがククルね」
【アイテムボックス】から現物を取り出してテーブルの上に置く。
「これが現物ね、かなりの量を持ってきたから好きにしていいよ」
「お前ククル煮って言ってたな?」
あたしを見ずに現物を見ながら聞いてきたので頷く。
「うん、イメージはカレーみたいな感じかな?味は全然違うけど」
あたしの言葉を聞き腕を組んで目を閉じて考え込んでたモンドがククルを持って厨房に行ってしまった。
「楽しそうだね」
あんな楽しそうな顔をしているのなら持ってきたかいがあるってもんだ!!
「あれ?オーナー?店長は?」
「厨房に行っちゃった」
そう言ったあと少し話してあたしは家に戻った。
「お帰りなさいませ」
カロラが笑顔で出迎えてくれた。
「エルスさんは?」
周りを見てみるとエルスさんとポーラがいないので聞いてみた。
「ポーラは子供達と出かけました、あとエルスさんはケネスダスに戻っています」
エルスさんも忙しそうだ・・・・・・・・あたしのせいだけどね!!
「カロラはこれからどうするの?」
「私はこれからエルセア王国に行って仕入れをしてきます」
昨日頼んだ事をこれからしにいくんだね、とても助かるよ。
「ん?カロラって【転移の腕輪】って持ってたっけ?」
うちの大人組には全員渡してあるけどカロラは入ったばかりだから渡していなかった気がするんだけど。
「テレスから借りました」
「テレスから借りたんだ?んじゃこれ」
【アイテムボックス】から【転移の腕輪】を取り出してカロラに渡す。
「・・・・・・・・・・・・・・」
何で固まるのさ?もう何回も【転移の腕輪】は見ているだろうに?
「レン様、、私を信じてくださるのは嬉しいのですが簡単にこの様な物を渡さないでください」
「へ?」
何で怒られたのさ?
「簡単って言うかカロラは絶対に悪用はしないでしょ?きちんと渡す人は考えてるよ」
そう言うとカロラは驚いた顔の後深々と頭を下げる。
「私をそこまで評価していただきありがとうございます、これからも私のすべてを持って貴女様に仕えさせていただきます」
「大袈裟だよのんびりと楽しくやっていこう」
あたしの望みは皆で楽しく過ごすことだよ?そんなに気合を入れなくてもいいんだよ?
「それでは私の気がすみません!!」
「あたしの話聞いてた?あたしはのんびりを望んでいるんだよ?」
そんなあたしの言葉にカロラは首を左右に振る。
「レン様、我々はそれぞれに得意分野が違うのです、私がレン様の為に出来ることは『商人』として働くことなのです、他の皆もそれぞれの分野でレン様の為に動いているのです、ですから私も出来ることで貴女のお役にたつために頑張らしていただきます」
笑顔でそう言われると何も言えなくるじゃん!!でもね!!
「あたしは皆と過ごすだけで嬉しいんだよ、それだけは覚えておいて」
無理して倒れたりするとかは嫌なんだからね。
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