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閑話 とある国境での出来事
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「・・・・・・・・・なあ今は戦時中だよな?」
「そのはずですが」
【アラビアータ】の内戦が始まり第三師団が国境へと派遣されてから約一年、内戦が収束しすぐさま宣戦布告された。
・・・・・・・・・・・・・・・が!それからひと月経ったが未だ戦線は開かれてはいなかった。
俺は国境警備隊長に呼ばれて砦の最高指令室に呼ばれた。
「師団長わざわざ済まない」
俺に話を掛けてきたこの優男、190はある身長にガリガリの体で強そうには見えないが国内で10人の強者の中に入るほどの腕の持ち主で、名はルオード・ラァ―ド・・・国境警備隊の長を任されている男だ。
「いいさ、で?【アラビアータ】が動いたのか?」
「いいやちがう、王都から早馬で知らせが入った」
王都から?何か起きたか?それとも新しい情報が入ったか?
「何を言ってきた?」
「第4師団5000が此処に派遣される」
てことは戦争が本格化すると見たという事か。
「どれくらいで着くと?」
「1月かな?数がいるから時間はかかるだろうな」
そう言いながらテーブルの上においてある地図を見ながら話を続ける。
「さっき偵察に出ていたものが帰って来たが【アラビアータ】の軍はいまだに1000人くらいしかいなかったな・・・・後続部隊の手配に苦戦しているのかもしれんな」
内戦が終ってすぐに宣戦布告をしたのだ兵士の数はかなり減ってるはずだ。
「まあ俺達は第4師団が来るまでここを防衛するしかないという事さ」
ルオードが肩を竦めて言ったのを俺も笑って同意した。
第4師団が予想より少し遅れて到着し、早速最高指令室で俺とルオード、そしてソルティを今後の話し合いをすることとなった。
この時はもうアラビータが宣戦布告して4か月がたってる。
「・・・・・・・・・は?」
俺は陛下から俺宛に書かれた手紙を読み間抜けな声を上げてしまった。
「どうされた師団長?何が書かれている?」
ルオードが怪訝な顔で聞いてきたのでその手紙を渡す。
「は?」
同じように間抜けな声を上げるルオードにそういう反応になるだろうと俺は頷く。
手紙の内容はレン殿が【アラビアータ】に乗り込みその地で反国家組織を作り活動をしていると、そして俺達第3師団と第4師団はこのまま国境防衛にあたる事と書かれていた。
レン殿には一度会い、他にはアンヌシアとの戦闘を観戦したことがあるだけだ。
「レンちゃんの事だから面白い事をやってるわきっと」
王の手紙をソルティも読み笑いながらそう言い切った。
「だがそれなら納得できることもあるのだ」
俺はソルティのそう言い放つ。
「どういう事?」
「アラビアータ側の国境警備隊の増員があまりない、最初に1000来て、その後増えたのは2000人行かないのだ・・・・これは明らかにおかしい」
宣戦布告してきたのだから兵は大量に派遣されるはずなのだ、それがいまだに3000人行っていない、おかげで今日までアラビアータの軍は動かずにらみ合いのままなのだ。
「多分レンちゃんが何かをやってるのでしょうね、本当にあの子は面白いわ」
大笑いをしているソルティを見て俺はため息をつく。
「戦闘を見て化け物じみてると思ったがその他にも驚かされるとは思わなかった」
「あの子は我が国の『戦乙女』ですもの」
俺は苦笑するしかなかった。
「・・・・・・・・・なあ今は戦時中だよな?」
「そのはずよ?」
戦時中なのに国境警備隊は平和だった。
「そのはずですが」
【アラビアータ】の内戦が始まり第三師団が国境へと派遣されてから約一年、内戦が収束しすぐさま宣戦布告された。
・・・・・・・・・・・・・・・が!それからひと月経ったが未だ戦線は開かれてはいなかった。
俺は国境警備隊長に呼ばれて砦の最高指令室に呼ばれた。
「師団長わざわざ済まない」
俺に話を掛けてきたこの優男、190はある身長にガリガリの体で強そうには見えないが国内で10人の強者の中に入るほどの腕の持ち主で、名はルオード・ラァ―ド・・・国境警備隊の長を任されている男だ。
「いいさ、で?【アラビアータ】が動いたのか?」
「いいやちがう、王都から早馬で知らせが入った」
王都から?何か起きたか?それとも新しい情報が入ったか?
「何を言ってきた?」
「第4師団5000が此処に派遣される」
てことは戦争が本格化すると見たという事か。
「どれくらいで着くと?」
「1月かな?数がいるから時間はかかるだろうな」
そう言いながらテーブルの上においてある地図を見ながら話を続ける。
「さっき偵察に出ていたものが帰って来たが【アラビアータ】の軍はいまだに1000人くらいしかいなかったな・・・・後続部隊の手配に苦戦しているのかもしれんな」
内戦が終ってすぐに宣戦布告をしたのだ兵士の数はかなり減ってるはずだ。
「まあ俺達は第4師団が来るまでここを防衛するしかないという事さ」
ルオードが肩を竦めて言ったのを俺も笑って同意した。
第4師団が予想より少し遅れて到着し、早速最高指令室で俺とルオード、そしてソルティを今後の話し合いをすることとなった。
この時はもうアラビータが宣戦布告して4か月がたってる。
「・・・・・・・・・は?」
俺は陛下から俺宛に書かれた手紙を読み間抜けな声を上げてしまった。
「どうされた師団長?何が書かれている?」
ルオードが怪訝な顔で聞いてきたのでその手紙を渡す。
「は?」
同じように間抜けな声を上げるルオードにそういう反応になるだろうと俺は頷く。
手紙の内容はレン殿が【アラビアータ】に乗り込みその地で反国家組織を作り活動をしていると、そして俺達第3師団と第4師団はこのまま国境防衛にあたる事と書かれていた。
レン殿には一度会い、他にはアンヌシアとの戦闘を観戦したことがあるだけだ。
「レンちゃんの事だから面白い事をやってるわきっと」
王の手紙をソルティも読み笑いながらそう言い切った。
「だがそれなら納得できることもあるのだ」
俺はソルティのそう言い放つ。
「どういう事?」
「アラビアータ側の国境警備隊の増員があまりない、最初に1000来て、その後増えたのは2000人行かないのだ・・・・これは明らかにおかしい」
宣戦布告してきたのだから兵は大量に派遣されるはずなのだ、それがいまだに3000人行っていない、おかげで今日までアラビアータの軍は動かずにらみ合いのままなのだ。
「多分レンちゃんが何かをやってるのでしょうね、本当にあの子は面白いわ」
大笑いをしているソルティを見て俺はため息をつく。
「戦闘を見て化け物じみてると思ったがその他にも驚かされるとは思わなかった」
「あの子は我が国の『戦乙女』ですもの」
俺は苦笑するしかなかった。
「・・・・・・・・・なあ今は戦時中だよな?」
「そのはずよ?」
戦時中なのに国境警備隊は平和だった。
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