レディース異世界満喫禄

学生か！！

移動しようとしたらライが先にその場所に向かった。



「ジャンヌ様お待ちください」



ライが椅子とテーブルを出し、テーブルの上に料理を並べる。

今日は子供の為ってことで出された料理はハンバーグ、子供はハンバーグ大好きだよね。

あたしは大人だけどハンバーグ好きです！！

なにこれって不思議そうにハンバーグを見ている子供たちに説明してあげる。



「これはねハンバーグって言うんだ、すごく美味しいよ？遠慮しないで食べてね」



二人はフォークを使い一口食べて固まった後黙々と食べ始めた。

どうやらお気に召したようだ、よかった食欲はあるようなので一安心。

あたしは紅茶を飲みながらそれを見ていたらガラムが戻ってきた。



「おかえり、どうだった？」



ガラムがかなり厳しい顔で首を左右に振る。



「あいつらが此処を拠点にする際、大人しくさせる為に何人かを見せしめに切ったみたいでその中に」



「チッ！」



思わず舌打ちをしてしまった。

何だよ見せしめって・・・・・・・ろくでもない理由で人が死ぬなんて腹が立つ！！



「ガナムやっぱり広場にはいかない、捕まえた奴らは暫く見張りをつけて放置しておいて、それから２０人１チームにして見回りをさせて、今回みたいなことがあれば遠慮なく手を出していいから」



今広場に行ったら感情を抑えきれずに暴れる自信しかないからね、少し落ち着く為にも時間を空けたい。



「判った、他には？」



「あとアンタとラッチさんとアルベルトに集まってほしい、場所はあたしが寝ていた家に・・・・・あ！それとこの街の代表者も呼んでくれるかな？」



「判った」



ガラムが走っていくのを見送った後に子供達に視線を合わせて話しかける。



「お姉ちゃんと一緒に来てくれるかな？うちの子達と遊んでほしんだ」



そう言った後にアニマルズの方を見ると子供達もアニマルズを見てコクコクと頷いた。



「んじゃ行こう」



右手をお兄ちゃんであるオルシアと手をつなぎ、左手は妹であるテレシアと手をつなぎゆっくりと歩きだし、あたしが寝ていた家へと向かう。







「待たせたな大将」



ガラムがアルベルトとラッチさんを連れて来た。

あたしは庭先でテーブルと椅子を出し座って、アニマルズと戯れる子供達を見ながら待っていた。



「座って」



三人が椅子に座ったところで口を開く。



「あんた等に聞きたいアラビータ軍ってのはこんなのばっかなの？本当に盗賊と変わらないんだけど」



普通に考えれば『軍』と名乗っている以上統制はとれているはずなのだ、メイシェル王国では絶対にありえない事だ。

だけどそれがなくてこの国の軍はただの盗賊に成り下がっている。



「私が率いていた時はこんな事はありませんでした」



悔しそうにラッチさんが口を開いた後にそう言うとうつむく。



「大将・・・・もしかしてなんだが」



「ん？何かわかったの？」



ガラムが暫く考えこんだ後口を開いた。



「まともなトップがいなくなって、抑えがいないからはっちゃけたとか」



引率した先生がいなくなったからバカ騒ぎをしたって事？



「学生か！！」



思わず突っ込んだけどなんかありそうで、思わず納得してしまったべさ。



「何ですかいその学生ってのは？」



「あ・・・気にしなくていいべさ」



この世界の人に『学生』と言ってもわからないよね。



「あの・・・・・すいません」



二十歳くらいの美人と言うよりは美形って感じの女性が庭先であたしに声を掛けてきた。

身長は１８０位で、赤い髪をショートにして宝塚に出てきそうな美形さんだ。



「はい？なんだべ？」



「呼ばれたんで来たのですが」



美形さんが困ったような顔で言ってきたのを見てあたしを除いた三人が立ち上がり一礼する。



「へ？」



三人の態度にあたしが間抜けな声を上げ、それを見て微笑む美形さん。



「この方がサラッサルの領主様のマリアール・サラッサル様です」



アルベルトがそう言うとマリアールさんが優雅に一礼する。



「お初にお目にかかりますジャンヌ殿」



領主って言うから男の人だと思っていたべさ！！