レディース異世界満喫禄

日の丸

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本当に殴ったよ!!

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「お帰りなさいませ」



あたし達が野営地に戻るとシン達も野営の準備が終わっていたようで、寛いでいる所だった。



「レン様、お座りになってください、もう少しでできますから」



ミズキが視線を向ける所を見ると土窯が五個作ってあって、その中に何かを入れて焼いているみたいだ。



「ドラゴンズの皆様体を小さくして頂けますか?今回の料理はその方が楽しめますので」



ミズキの言葉にドラゴンズ達が小さくなる、この子達もうあたし達との食事に慣れ、多分生肉とかよりも調理された物の方が喜ぶようになってるんだよね。



「そろそろいいと思います、今取り出しますね」



土窯から取り出しテーブルの上に乗せられたのは大皿、その上に鎮座するのは、縦40㎝位で横30センチくらいの白い塊だった。



「これ・・・・・・・・・何?」



初めて見る料理なんだけど・・・・これに齧り付くの?



「今仕上げをします」



【アイテムボックス】から【ベルガ】を取り出して装備するミズキ。



「え?仕上げって料理の仕上げだよね?」



何で【ベルガ】を装備してんの?この白い塊と戦闘でもするの?斬新すぎるよミズキ!!

そんな事を考えていたらミズキの右腕がぶれて、白い塊が砕け散る。



「本当に殴ったよ!!」



白い塊が砕け散り今度はその中から灰色の塊が出て来た。



「これって?」



「モンドさんが考案したブラウンカウの塩焼きでございます」



そう言いながら灰色の塊をスライスしていくと中が真っ赤な肉の塊なのが判る。

もしかして塩焼きって、向こうで言う塩釜焼きじゃね?モンド考案って言ってたよね?やっぱりモンドって凄い料理人だべ!!



「アニマルズとドラゴンズの皆様の分もお替わりを焼いております、遠慮せずお召し上がりください」



切り分けられていく肉をせっせと皿に盛り付けて準備が終わった所で皆で食べはじめる。



「うっま!!」



塩の塩辛さとハーブがマッチし舌触りも滑らか!!これって白米が欲しくなる奴だよ!!

アニマルズとドラゴンズを見ると黙々と食べているのでお気に召したようだ、お替わり分も焼いているって言ったから、どんどん食べよう!!

皆が美味しそうに食べているときにカナデが箸を止めて森の方を見てあたしに声を掛けてきた。



「レン様・・・お客様です」



その言葉にあたしもカナデが見ている方向に視線を向ける。

そこには暗闇の中で琥珀色の光が二個輝いていた・・・・・・・・・・・あれ?あれって?



「大丈夫だよカナデあの子には敵意は無いから」



夕方会った魔物だ、あの時は警戒しながら見ている感じだったけど今は何をしてるのかって興味津々な感じで見ている感じがする。



「良かったらこっちに来なよ?騒がしくしているお詫びに食事をご馳走するよ?」



魔物はその言葉を聞きこっちにむかい歩き始めたので、ミズキに視線を向ける。



「ミズキ、用意をお願いしていいかな?」



「畏まりました」



ミズキは【アイテムボックス】から深皿を取り出して肉を盛りつけして魔物の前に置きあたしの下まで戻って来た。



「たべてみて?かなり美味いよ?」



魔物が深皿に盛ってある肉の匂いを嗅ぎ・・そしてかぶりつく。



「あたし達も食事を再開しよう」



ってアリーヌ!あんた魔物が来ても気にせずに食べてるってどんだけ腹が減ってたのさ!!



「え?レンが相手してるんだもの、心配するだけ無駄よ」



・・・・・・それは信頼してくれてんだよね?相手するのが面倒とかじゃなくって?ねえアリーヌ?



そんなやり取りをしていたらクロヒョウが食事を終えたのか立ち上がり森の中に戻っていく。



「今晩だけ我慢してね」



後姿のしっぽだけがゆらりと動きそのまま闇に姿を消していき気配が無くなった。



「いい子でよかったね」



無駄な戦闘はあまりしたく無いからね。

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