レディース異世界満喫禄

日の丸

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未来の為に

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「ガイル兄、今日も薬草の採取を受けるの?」



私は朝食が済み武器を手に出ていく自分の兄を呼び止める。



「ん?そうだよ?」



頷く兄にため息をつきながらギルドでの事を話しておく。



「ガイル兄、今ギルドの受付嬢がガイル兄をなんて言ってるか知ってる?『薬草好き』だよ?」



一週間前に登録して今日まで薬草の採取しか受けてない為そのような呼び名で呼ばれていた。



「薬草の採取をバカにするなよ?あの依頼は森の地理を覚えるのにもってこいなんだぞ?それに偶にゴブリンともやり合ってるから剣の稽古にもなるからな」



「な!だったら常駐依頼のゴブリン討伐の報告もしなさいよ!もったいないじゃない!!」



「え?あれって受けてから倒さないとカウントされないんじゃないの?」



私の言葉に驚いたように言ってくるガイル兄。



「そんな訳無いじゃない!倒した後耳の先っぽを切り取って持ってくれば一匹につき中銀貨1枚よ!ちなみにこれまででどれくらい倒したの?」



「うーん50匹位かな?」



中銀貨50枚も無駄にしてる!!信じられない!!



「ガイル兄!そこに座りなさい!!」



「え?」



おそらく気にしていないであろうギルドの決まりを教え込んでおかないといけないわ!!





「おはようございます!」



ガイル兄にギルドのの事を教えた後、私はギルドに出勤した。

私の使っている席は師であるエリアルさんと同じ部屋、つまり商業部ギルドマスターのへやだ。



「おはようシエラ、頼んでいた資料は出来てる?」



ギルドマスターであり私の師であるエリアルさんが聞いてきたので、私の席に行き纏めておいた資料を取りエリアルさんが座っている席まで持って行く。



「こちらです、今回のドラゴンの素材を買いたがっている商会を、欲しがっている素材別に分けてまとめてあります」



私が纏めた資料を真剣な目で見、読み進めていき頷くエリアルさん。



「よくできてるわ、これを【転写】を使えるダイナに渡して、そうね・・・・30部作ってもらいギルドの各部署に配ってくれるかしら?」



「はい」



「貴女の姉さんのお陰でギルドはかなり儲けることが出来たわ」



「レンお姉ちゃんは『うちの子達のおこずかいが増えたからよかったよ』って言っていましたよ」



レンお姉ちゃんが嬉しそうに言っていた姿を思い出し、笑ってしまう。



「あの子・・・ずれてるからね」



そこは否定できないけど私はそんな所を含めて尊敬しているのだ。



「じゃあダイナさんの所に行ってきます」



「頼むわ」



私は部屋を出てギルドの通常勤務者が仕事をしている事務エリアに行きダイナさんを探す。



「・・・・・・いた!ダイナさん!」



「ん?なんだシエラじゃないか、どうした?」



赤い髪をサイドで纏めスーツをびしっと着こなし出来る美人女性、それがこの部署でのこの人の評価だ。



「ギルマスからの頼みです、この書類を30部【転写】して関係部署に配って欲しいそうです」



先程の資料をダイナさんに渡すとそれに目を通し、頷く。



「わかったわ、しっかしよくもこれだけの商会が名乗りを上げたね」



「ここら辺ではドラゴンが出ない為とエリアルさん入ってましたが?」



「それもあるけど、討伐者が『アズエルで売るより王都で売った方が売値が上がる』と言ってアズエルでは売りたがらないんだよ」



確かに高く売れるのであればそっちで売った方がいいものね。



「だから貴女の姉さんにはアズエルのギルドは感謝してるんだよ」



「姉はアズエルのギルドには借りがあったからって言ってましたよ」



そう言って笑ったらダイナさんも笑っていた。



「シエラこれはやっておくから戻りな」



「はい、お願いします」



ダイナさんと別れ部屋に戻ると丁度休憩タイムだったらしくエリアルさんと様々な話をする。

商売に関する事、物流に関する事、そして人材に関する事、毎日この三つに関する事を教わり自分の物にしていく、後に自分の武器にする為に、見習いを卒業しレンお姉ちゃんの商会・・・【カグヤ商会】の役に立つ為に。



私の今の目標は【カグヤ商会】名を冠した自分の店を持つことだ、その為に今色んなことを学んでいる。



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