レディース異世界満喫禄

日の丸

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新たなる夢の為に

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明日僕は待ち望んでいた討伐者になることが出来る。

まだ小さいころから憧れて、家族と共に盗賊共に襲われ諦めた夢が明日叶う。





「レンお姉ちゃん」



リビングにあるソファーにスフィアを抱きかかえながらのんびりとしている僕がこの世界で一番尊敬している人・・・僕の姉に声を掛ける。



「ん?どうしたのガイル?」



僕の言葉にソファーに座りなおして僕を見るお姉ちゃん。



「明日ギルドに行って討伐者になる手続きをしてくる」



ニコニコしていたお姉ちゃんが真剣な顔になり僕を見て来る。

もしかして反対なのかな?前は応援してくれると言ってくれたのに。



「そこに座りなさい」



「はい」



向かいにあるソファーに座ってお姉ちゃんを見る。



「アンタにいくつか言っておくことがある」



「はい」



やっぱり反対だったのかな?少しショックだ。



「明日から討伐者になるんだったらいくつか覚えておきな、まず一つ目、危険だと思ったら逃げな、これは決して恥ずかしい事じゃないからね?命あっての物種だ、死んだらもうそこで終わりになる、悲しむ人もいっぱいいるしね、わかったかい?」



「はい!」



お姉ちゃんは反対してるんじゃなくって注意やアドバイスをしてくれるんだ!!



「でもここで気を付けな?仲間といるときに『逃げる』の選択をするとき見捨てず皆で逃げる事、決して仲間を裏切るな」



「はい」



僕はこれから色んな依頼を受けるけど、ソロだけじゃなくパーティーも組むことがあるかもしれない、決して仲間を見捨てないようにする!!



「もう一つアンタの力を決して無抵抗な人や街の人達には向けるな、アンタがその力を何の罪も無い人に向けた時もうアンタは『討伐者』じゃなくて『盗賊』と同族になるからな」



「はい!」



そうだ鍛えたのは街の人達に向ける為の力じゃないこの事をしっかりと頭に入れておかないと!!



「良し!あたしの言いたい事はそれだけだ!ガイルが憧れてた『討伐者』は楽な仕事じゃないけど無理はしないようにね?何か困ったことがあれば相談しなよ?分かったかい?」



「はい!」



僕の憧れてる討伐者であるレンお姉ちゃんに少しでも近けるようにがんばる!!



「お姉ちゃんはあんたを応援するよ!!」



最高の言葉を聴けてやる気がみなぎる。







「こんにちは」



僕はアズエルのギルドに入り、受付に並びやっと自分の番になった。



「はいこんにちは、今回はご依頼ですか?」



受付嬢のお姉さんが笑顔で聞いてきたので首を振り目的を話す。



「討伐者の登録に来ました、昨日14歳になりましたので」



「そうですか、ではこの書類を読んでください、決まり事、注意事項などが書いてありますので」



「わかりました」



書類を読んでいると後ろから肩を叩かれ後ろを振り向くと、見知った顔がこっちを見ていた。



「あ!おはようございますブロードさん!!」



「おう!何で此処に居るんだ?姐御の用事で来たのか?」



「昨日で14歳になったので登録に来ました!!」



僕の言葉に【銀の剣】の皆さんが笑顔になり『頑張れ』と言ってくれるのがとても嬉しい。



「あの・・・・ブロードさん?この子をご存知なのですか?」



「ん?そうかラテラは知らないのか、コイツ姐御の弟だぞ?」



「本当ですか!期待の新人じゃないですか!!」



僕は思いっきり横に首を振る。



「僕はそんなに強くないです!お姉ちゃんみたいに強くないです!!」



レンお姉ちゃんは凄く強いけど僕は足元にも及ばない、これから頑張って鍛えていくけどあの領域まで追いつくのはまだまだ先だ。



「そうですか、頑張ってくださいね」



ラテラさんが笑顔で言ってくれたので頷く。



「ガイル、困ったことがあれば相談しろよ?お前は俺達【銀の剣】の弟子でもあるからな」



「はい!」



とても嬉しい事を言ってもらえた!頑張んなきゃ!!

そして討伐者になって初めての依頼を受け付けボードから見つけ出し受付に持って行く。



「これをお願いします」



「薬草の採取ですか?てっきりゴブリンの討伐を受けるのかと思ってました」



「これでいいんです」



ブロードさんに『最初は薬草の採取とかを受けて森の中を歩き回れ、そうすれば森の中で何処に居るのかが分かるようになる、まあ『土地感がつく』と言ったほうが判りやすいか、この街にいる以上森の中に入る依頼がかなりあるからな最初のうちに森を知っておいた方がいい』と言われたので薬草の採取をしながら覚えたいと思う、これが新しい夢への第一歩。



僕の新しい夢、それは偉大で優しいレンお姉ちゃんに追いつく事だ。



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