レディース異世界満喫禄

エルスさ―――――ん！！

【獣達の楽園】を後にしたあたし達は行きと同じく帰りもアニマルズ達の背に乗り【エルセア王国】の王都へと早めに戻ることが出来た。

その足でたぶんギルドに居るであろうエルスさんとプレシアと合流すべくギルドに向かい中に入ると、丁度夕方の依頼報告ラッシュの時間帯で物凄く混んでいた。

因みにシン達とドラゴンズは外で待ってもらっている、いくら見えなくなっていても気が付く人がいるかもしれないから、目立たないような所で待ってもらっている。



「これじゃエルスさん達が何処に居るか分かんないじゃん」



ごった返して人を探せる状況じゃないよねこれ？どうしようかな？そう思っていたらギンガがこっちを見て『ガウ』と一吠えしてから歩き出し、少し進んだ後に止まって振り返りあたしを一度見た後進みだす。



「もしかしてエルスさん達の所まで連れて行ってくれるのかな？」



ギンガの後をついて行くと端の方に設置されているソファーに座り話をしている二人が見えた。

二人の下に最初にギンガが到着しこっちに振り向きそのまま座りしてあたしの到着を待つ。



「お帰りなさいませレン様、ご無事なようで安心いたしました」



「お帰りレン、無事でよかったわ」



「ただいま二人共」



あたしはギンガの頭を撫でながらソファーの空いている所に座りながら挨拶をする。



「どうだった？家と店は見つかったの？」



本来の目的である家と店舗の方がどうなったのかを聞いておいた方がいいと思い聞いてみる。



「流石商業国家と言うべきですね、家の方は小さな一軒家しかありませんでした、それと店舗の方も大手の商会に全て押さえられておりまして、小さな店舗しかなくその中で条件のいい物件を選びました」



まあ家に関しては【転移魔法】の為だけに買うようなものだから問題ないね、それに店に関してはエルスさんには悪いけどそんなに張り切ってやるものじゃないと思ってるから小さくてもいいと思うんだよね。



「その家はもう使えるの？」



「いえ一度業者に入ってもらい、きちんと見てもらった後入る事となります」



確認するともう手配はしてあるみたいだったので頷く。



「プレシア悪いんだけど家が使えるようになるまで、あの家を使わせてもらってもいいかな？」



何回も【エルセア王国】に来ることになるから購入した家が使えるようになるまではあそこを使わせてもらうしかない。



「もちろんいいわ、女王様からも許可は得ているから安心して」



それはありがたいね！！ありがとうエミリア！！



「それでは一度アズエルに戻りますか？」



エルスさんが立ち上がり移動しようとしこれからの事を聞いて来るのであたしは首を横に振る。



「プレシアを送りとどけないとね、その後にアズエルに帰ろう」



「畏まりました」



賑やかなギルドを出てシン達と合流して貴族街まで戻り朝転移して来た家に入りその後【バウダック王国】に転移してプレシアを送りその後にアズエルの家に戻った。



「レン様、明日も【エルセア王国】に行きますが貴女様はいかがいたしますか？」



明日はどうしようかな？あ！一応緊急依頼を受けたんだから向こうのギルドで依頼終了の手続きをした方がいいんじゃね？



「あたしも行くよ、依頼受けてたのに受付に顔出してなかったからね」



「畏まりました」



あと何か忘れてる事は・・・・・・・・あ！



「蒼天！もう魔法を解いていいよ」



「クワッ！！」



此処に戻るまでドラゴンズはおとなしくしていてくれたので騒ぎにならなかった、しっかりと約束を守ってくれたので安心しても大丈夫だろう。



「皆よく約束守ってくれたねありがとうね」



ドラゴンズ達の頭を撫でながらお礼を言って『ばたん』と音がしたので横を見るとエルスさんが倒れていた・・・・・直立不動の体勢で前に！！



「エルスさ―――――ん！！」



ああああああああ！何でいきなり気絶したのさ！！