513 / 1,656
こいつバカだね!!
しおりを挟む
「ハリムよ、俺は面白いものをお手に入れたのだ、これだがな」
デュナスさんが懐から一つの手紙を取り出す、そうあたしが渡した出兵命令書だ。
「『グリフォン】が羽ばたく時が来た、アステルの砦より500名を残し王都に向けて出兵を要請する、進軍しながら協力者たるガラジオ男爵の私兵とダメッス男爵の私兵と合流、盾を捕獲しつつ王都に向かわれたし』」
手紙の内容を読み上げるデュナスさんをあ然と見つめていたハリムが『はっ!』と我に返って慌てて言い出す。
「殿下!それは私を陥れようとしている何者かによる陰謀です!私はそんな事は指示しておりません!!」
・・・・・・・・・・こいつバカだね!!
「ほう?そなたを陥れようとしている陰謀とな?」
「その通りでございます!」
デュナスさんの問いに必死に頷くハリム。
「俺はこの手紙を読んだ時、そなたの名を出してはいないが?何故そなたが陥れらねばならん?」
「あ」
そうなんだよねぇ・・・・・手紙の内容を話しただけで最後の名前までは読んでいなかったんだよねぇ・・・・それなのにあんなに慌てて・・・・・・こいつやっぱりバカだ!!
「ハリムよ詳しく話を聞かせてもらう必要があるな、城までついてこい」
デュナスさんの言葉にハリムは一歩下がり右手をかざしながら叫ぶ。
「断る!!貴様等無能な王族なんぞに従うものか!!くらえ!【ファイヤー】・・・・ぶらばぁ!!」
魔法を完成させる前にあたしが思いっきり踏み込み右フックをハリムにプレゼント!また一メートルくらい飛んで・・・・地面に落ちたら動かなくなった、気絶したようだね!
「少しすっきりしたよ」
「であろうな、お前の顔、今すごくにやけてるぞ?」
デュナスさんに言われて慌てて顔を引き締める。
「すまんがこれをそっちの馬車に放り込んでくれ、それと御者が出来る奴は此処に居るか?」
デュナスさんが同行者を見渡しながら聞いているが誰も出来ないらしい。
「シン頼めるかい?」
あたしは振り向き、後ろに控えていたシンを見ながら頼む。
「畏まりました」
流石頼りになるね!!
「デュナスさん、うちのシンが御者をやるよ」
「助かる」
ハリムが乗って来た馬車にハリムを放り込んで城に向かい進み始めると、後ろから馬に乗った兵士がやって来てあたしとデュナスさんの乗った馬車の横でスピードを落として並走し声を掛けてきた。
「失礼します殿下!エミット様がらの伝言です!『西門の【グリフォン】は西に撤退、追撃はぜず、偵察部隊を後ろに付け放置、予想だがガイアスの砦に立てこもる可能性大・・・・と」
「ご苦労、戻りエミットに伝えてくれるか?城に来るように・・・と」
馬車に備え付けてある窓を開け兵士に言うと兵が頷きUターンして走って行った。
「で?あたしはいつの間にあんたと友達になったのさ?」
「む?ああ!さっきの会話か、なに、ただ俺はお前が気に入ったって話だ、着いたな降りるぞ」
どうやらお城に着いたようなので馬車から降りて周りを見渡すと数人の騎士がこっちに走って来るところだった。
「殿下!お帰りなさいませ!!」
「カリスンか、ご苦労!後ろの馬車に、逆賊が放り込んである、牢に入れておけ、決して逃がさす殺すなよ、自決もさせるな」
「は?畏まりました!・・・・・ハリム伯爵?」
馬車の覗いたカリスンって人がかなり驚いたように声を上げた。
「そいつはもう伯爵ではない、間違えるな」
かなり怒ってるね!気持ちはわかるよ!!
デュナスさんが懐から一つの手紙を取り出す、そうあたしが渡した出兵命令書だ。
「『グリフォン】が羽ばたく時が来た、アステルの砦より500名を残し王都に向けて出兵を要請する、進軍しながら協力者たるガラジオ男爵の私兵とダメッス男爵の私兵と合流、盾を捕獲しつつ王都に向かわれたし』」
手紙の内容を読み上げるデュナスさんをあ然と見つめていたハリムが『はっ!』と我に返って慌てて言い出す。
「殿下!それは私を陥れようとしている何者かによる陰謀です!私はそんな事は指示しておりません!!」
・・・・・・・・・・こいつバカだね!!
「ほう?そなたを陥れようとしている陰謀とな?」
「その通りでございます!」
デュナスさんの問いに必死に頷くハリム。
「俺はこの手紙を読んだ時、そなたの名を出してはいないが?何故そなたが陥れらねばならん?」
「あ」
そうなんだよねぇ・・・・・手紙の内容を話しただけで最後の名前までは読んでいなかったんだよねぇ・・・・それなのにあんなに慌てて・・・・・・こいつやっぱりバカだ!!
「ハリムよ詳しく話を聞かせてもらう必要があるな、城までついてこい」
デュナスさんの言葉にハリムは一歩下がり右手をかざしながら叫ぶ。
「断る!!貴様等無能な王族なんぞに従うものか!!くらえ!【ファイヤー】・・・・ぶらばぁ!!」
魔法を完成させる前にあたしが思いっきり踏み込み右フックをハリムにプレゼント!また一メートルくらい飛んで・・・・地面に落ちたら動かなくなった、気絶したようだね!
「少しすっきりしたよ」
「であろうな、お前の顔、今すごくにやけてるぞ?」
デュナスさんに言われて慌てて顔を引き締める。
「すまんがこれをそっちの馬車に放り込んでくれ、それと御者が出来る奴は此処に居るか?」
デュナスさんが同行者を見渡しながら聞いているが誰も出来ないらしい。
「シン頼めるかい?」
あたしは振り向き、後ろに控えていたシンを見ながら頼む。
「畏まりました」
流石頼りになるね!!
「デュナスさん、うちのシンが御者をやるよ」
「助かる」
ハリムが乗って来た馬車にハリムを放り込んで城に向かい進み始めると、後ろから馬に乗った兵士がやって来てあたしとデュナスさんの乗った馬車の横でスピードを落として並走し声を掛けてきた。
「失礼します殿下!エミット様がらの伝言です!『西門の【グリフォン】は西に撤退、追撃はぜず、偵察部隊を後ろに付け放置、予想だがガイアスの砦に立てこもる可能性大・・・・と」
「ご苦労、戻りエミットに伝えてくれるか?城に来るように・・・と」
馬車に備え付けてある窓を開け兵士に言うと兵が頷きUターンして走って行った。
「で?あたしはいつの間にあんたと友達になったのさ?」
「む?ああ!さっきの会話か、なに、ただ俺はお前が気に入ったって話だ、着いたな降りるぞ」
どうやらお城に着いたようなので馬車から降りて周りを見渡すと数人の騎士がこっちに走って来るところだった。
「殿下!お帰りなさいませ!!」
「カリスンか、ご苦労!後ろの馬車に、逆賊が放り込んである、牢に入れておけ、決して逃がさす殺すなよ、自決もさせるな」
「は?畏まりました!・・・・・ハリム伯爵?」
馬車の覗いたカリスンって人がかなり驚いたように声を上げた。
「そいつはもう伯爵ではない、間違えるな」
かなり怒ってるね!気持ちはわかるよ!!
99
お気に入りに追加
1,242
あなたにおすすめの小説
異世界改革〜女神さまに頼まれたので味方を作って国を改革しちゃいます!!〜
ゆずこしょう
ファンタジー
北郷彩芽(30歳)は階段から滑って落ちて呆気なくこの世を去った。
去ったのだ。
しかし、目を開けると現れたのは女神と名乗る人。
なんと異世界に行ってほしいという。
しかしその世界は色々問題がある世界で…
あやかし居酒屋「酔」
碧
キャラ文芸
|其処《そこ》は人に似て、人とは異なる者たちが住まう世界。ある日、気づくと|其処《そこ》にいた。
“綾”という名前以外、自身の記憶を全て失くして。記憶も、|還《かえ》る場所も失くした綾を鬼の統領・|羅刹《らせつ》は「異界の迷い人」とそう呼んだ。恐ろし気な肩書と裏腹に面倒見のいい羅刹に保護され、なんだかんだですっかり世界に馴染んだ綾は店をはじめた。その名も あやかし居酒屋「|酔《すい》」。個性豊かでギャップ強めのあやかしたち相手に今日も綾は料理を振る舞う。◆料理はおつまみ、ガッツリごはん系メイン。繋がりのある話もありますが、単体でもサクっと読めるのでお好きなメニュー部分だけでもお読み頂けます!ひとまず完結です。……当初の予定まで書ききったのですが、肉祭りや女子会も書きたいのでストックができればいつか復活する、かも?(未定)です。
冤罪で婚約破棄され、隣国に嫁がされそうです。そのまま冷遇されるお飾り王妃になるはずでしたが、初恋の王子様に攫われました。
櫻井みこと
恋愛
公爵令嬢のノエリアは、冤罪によって王太子から婚約破棄を告げられる。
どうやらこの婚約破棄には、国王陛下も関わっているらしい。
ノエリアを、隣国に嫁がせることが目的のようだ。
だが夫になる予定の国王にはもう妻がいて、ノエリアは血筋だけを求められるお飾りの王妃になる予定だった。
けれど結婚式直前に、ノエリアは忍び込んできたある男に攫われてしまう。
彼らの隠れ家に囚われているうちに、ノエリアは事件の真実を知る。
異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎは、転生前の知識とスキルで女性と客をもてなす~
きーす
ファンタジー
介護職の椎名守24歳が交通事故に巻き込まれたが、女神の計らいで宿屋を経営する両親を亡くした少年シーマへと転生することに。
残された宿屋と大切な女性たち?を守るために、現代の知識とスキルを駆使して異世界を魅了していく物語。
よくある異世界転生のチーレムもので、飯テロ要素も加えてます。
出来るだけですが、週4回くらいのペースで更新していく予定ですので、末永くご愛顧くださいますようお願いいたします。
※この作品は小説家になろう、カクヨムなどにも投稿されております。
聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!
幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23 女性向けホットランキング1位
2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位 ありがとうございます。
「うわ~ 私を捨てないでー!」
声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・
でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので
「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」
くらいにしか聞こえていないのね?
と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~
誰か拾って~
私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。
将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。
塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。
私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・
↑ここ冒頭
けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・
そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。
「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。
だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。
この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。
果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか?
さあ! 物語が始まります。
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
最低の屑になる予定だったけど隣国王子と好き放題するわ
福留しゅん
恋愛
傲慢で横暴で尊大な絶世の美女だった公爵令嬢ギゼラは聖女に婚約者の皇太子を奪われて嫉妬に駆られ、悪意の罰として火刑という最後を遂げましたとさ、ざまぁ! めでたしめでたし。
……なんて地獄の未来から舞い戻ったギゼラことあたしは、隣国に逃げることにした。役目とか知るかバーカ。好き放題させてもらうわ。なんなら意気投合した隣国王子と一緒にな!
※小説家になろう様にも投稿してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる