レディース異世界満喫禄

ミズキ達まで笑うとは思わなかったよ！！

ミズキと一緒に訓練場に行くと２０人ほどの子供と老人が待っていた。



「お待たせ」



「いえいえ、こちらこそいきなりすいません！直ぐにここを出ると伺ったのでお礼をせねばと思い、伺わしてもらいました、改めてありがとうございましたレン様」



代表者らしきお爺さんんの言葉と共にここに来ていた村人たちが一斉に頭を下げる。



「「「「「「ありがとうございました」」」」」」



何回言われても慣れないよ、あたしはただ我儘を通しただけなんだけどね。



「無事でよかったよ、皆これからどうするか決めてるの？」



あたしの質問に代表者にお爺さんが考え込んだ後『村に帰ってみます』と言ったけど、反応を見るに【ラリアス】と同じように若い男衆は【グリフォン】の手にかかってしまったのだろう。



「なら暫くはこの砦に滞在するといい」



「え？」



あたしの提案に戸惑いを見せる村人達、まあ気持ちはわかる。



「もう少ししたら辺境伯のディレスさんが此処に来ることになってるんだよ、あの人はまともな貴族だから相談に乗ってくれるよ」



あの人ならもしかして『俺の街に来るといい』と言ってくれるかもしれない。



「本当でございますか？」



「何だったらあたしの名前を使っていいよ、『レンに紹介された』と言ってくれれば話を聞いてくれるはずだよ」



ディレスさんとはかなり仲良くなったから、話くらいは聞いてくれるだろう。

それに彼の性格上何かしらの事はしてくれるはずだ。



「わかりました、重ね重ね私達をお救いいただきありがとうございます」



またもや深々と頭を下げる村人達を見て溜息をつく。



「頭を上げておくれ、まだ何も解決してないし大変なのもこれからなんだから」



「わかっております、ですが我々は貴女にお礼を言いたい、見ず知らずの我々の命を救い、そして今後の事を真剣に考えてくれる・・・・・こんなに嬉しい事はありません、ありがとう」



「もうわかったから頭を上げて、ほらっ皆でお茶でも飲もう！！」



あたしの言葉にミズキとカナデがお茶の準備を始め、シンとライが【アイテムボックス】から椅子とテーブルを出して並べ始める。

流石うちの子達あっという間に準備が終わったよ、でも何でアリーヌはあたしの隣でニヤニヤしながらあたしを見てるのかな？



「照れるレンを見るのはおもしろいわ」



アリーヌの言葉に此処に居る皆が笑い始める・・・・・・・ミズキ達まで笑うとは思わなかったよ！！

そんなほのぼのとした時間を村人達と過ごしていたら、兵士が一人走ってきた・・・・あの角刈りおやじだ。



「レン様、準備が終わりました、外で皆が待っています」



「わかったべさ、すぐ行くよ」



あたしが立ち上がると大人組が【アイテムボックス】に椅子とテーブルをしまいあたしの後ろに控える。



「じゃあ行ってきます」



「お気を付けて」



村人達に見送られ外に出ると兵士達が整列して待っており、一番前にハイラルとダナム、そして角刈りのおっさんが立ってあたしを見ている。



「待たせたね、今から【グリフォン】を潰しに行くよ！だけどあたしは集団戦の経験がない！なので今から隊を三つ作る！隊の隊長はハイラル・ダナム・角刈りのおっさん・・・・ごめん名前知らないだ」



ここで大笑いが起き角刈りのおっさんが名乗って来た。



「ウオーラル・エイジです、レン様！！」



「ハイラル・ダナム・ウオーラルの三人で部隊編成をしてくれ」



「「「応」」」」



良し！これで名前だけの頭になった！！やっぱりこんな大勢の指揮をとれるとは思えないもんね！！