レディース異世界満喫禄

日の丸

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思わず殴っちまった!!

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お替わりを頼んで追加した料理も完食して皆で食休みのティータイムをしていたらダルムが竪琴もどきを取り出しいた。



「あんたここで演奏するの?お店の迷惑になるよ?」



演奏はともかく歌声はね!!



「大丈夫だ、こんなおいしい食事を出してくれたこの店に対する礼を奏でるだけだから」



そして奏でられたのは静かなバラード・・・紅茶を飲みながら聞く・・・なんか優雅な気分だ。

そして演奏が終わり・・・・拍手が店内に響く・・・っていうか演奏に惹かれて店をのぞいていた人たちもいてその人たちも拍手をしている。



「外で聞いてくれていた皆様この店の料理はとても美味しいですよ、是非食べに来てください」



演奏とイケメンスマイルにやられて数人の女性が頼りない足取りで店に入って来て、それと入れ替わるようにあたし達は店を出る事にする。



「お客様にはお店の宣伝をしていただきましたので、値引きさせていただきます」



ダルムの会計の時女性の従業員さんがうっとりと言ってるのを見て『これを狙って演奏したのか!!』と思ったが流石に言葉にはしない、あたしだって空気は読めるんだよ!!

でも狙ってやったって事はダルムってけっこう腹黒だね!!



「さてとアンリもう少し街を見るかい?」



「もうそろそろお父様が宿に戻ってると思うので宿に戻ります、夜お父様とお食事の約束もしてますから」



そう言う事なら確かに宿に行って少し休んだ方がいいね。



「じゃあ宿に行こうか」



「はい!」



【精霊亭】の場所は聞いているのでそちらに向かい歩き出す・・・・・・って!!



「何でアンタも付いて来るのさ?」



「ん?俺もそっちに用事があるのさ」



あたし達が進む方向に指さして笑顔で言うダルムに胡散臭そうな視線を向けた後アンリと手をつなぎ歩き出して・・・・・・止まる。



「何でアンタも止まるのさ?」



「ん?そんな気分だから?」



どんな気分だよ!って言うか何で疑問形なのさ!!!



「あんた・・・もしかしてあたち達と同じ宿に行こうとしてない?」



「向かう先は【精霊亭】なのだろう?さっき話をしていた時に言ってたからね、俺も【精霊亭】に泊まってるから一緒に行こうと思ってな」



ニヤリとし話すダルムに少しイラッとしたけどあたしは大人の女!こんな事で怒ったりしないよ!!



「そんな嬉しそうな顔すんなよ」



「するかボケ!!」



あ!!思わず殴っちまった!!でも反省はしない!チャラ男は好きじゃなんだよ!!



「いきなり殴られるよは思わなかった・・・・・・」



左頬を押さえながらあ然とした顔でいるダルムに向かい少しにらみを利かせる。

自分がイケメンだからってうぬぼれるなよ?結局は人間顔より中身なんだよ、まだあたしみたいなタイプには出会った事が無いみたいだけど、世の中には通用しない人もいるんだぞ?



「あたしはアンタがかっこいいとは思わん、中身を磨いて出直しな」



あたしの言葉に『ビクッ』としたけど放置してアンリの手を引き歩き出す。

今度はついて来ないようだ。





ダルムからかなり離れた所でアンリがあたしの手を力強く握って来た後、真顔で声を張り上げる。



「レンお姉ちゃんかっこいい!!」



え?アンリ何でそんな目をキラキラさせて『かっこいい』って言うの?あたしとしては『可愛い』とか『美人』とか『綺麗』って言ってくれた方が嬉しいんだけど?ねえ聞いてるアンリ?



「私もレンお姉ちゃんみたくカッコ良くなる!!」



え?何ですかアンリちゃん?そのビミョーな宣言は?やめておいた方がいいよ?そんな宣言は!!



大人になった時『黒歴史』になるから!!
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