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閑話 王達の衝撃2
しおりを挟む「さてエルス、なんで呼ばれたかわかるよな」
レンが退室した後俺はエルスを見て質問した。
「【転移の腕輪】のことでございましょう?」
「うむ、あれが一般に流れるのはまずいぞ?」
「わかっております、あの方にはその危険性を30分かけて説明し『残りは』封印してもらいました」
「・・・・・・・まて、二個だけじゃないのか?」
エルスがため息をつきながら首を振る。
「全部で10個です」
ヤバい話が始まってすぐ頭が痛くなってきた。
「・・・・・・・すまんがメイシェル王よ・・・・話が見えんのだが」
ウォルム王が戸惑いながら俺に聞いてくる、判かる!何を言ってるの?って!だが【転移の腕輪】を持つ以上情報は共有しておいた方がいい。
「【転移の腕輪】はあいつの家の家宝じゃなくてあいつが作ったものですよ、ウォルム王よ」
「「は?」」
グラマスと共に俺の言葉が理解できないとばかりに固まる。
「あいつは優秀な討伐者であり優秀な付与魔法師でもあるのですよ、私も彼女から色々貰いましたから」
俺の言葉にウォルム王が厳しい顔つきになる。
「メイシェル王よ一つ聞きたい、そなたはレンを囲って無理やり従わせているのか?それは俺としては看破できぬことだが?」
この人も・・・この人もレンの事を友と思っているのだな・・・・これは得難い友を得る事となった。
「ウォルム王よあいつが大人しく囲われてると思うか?あいつが本気になったらそんな事は無意味なものとなるぞ?」
普段は抜けてるが嫌な事に関しては思いっきり抵抗するだろうさ、それにだ!
「あいつは国を救ってくれたのだ、囲う?するわけがないし、する奴が居たら俺が許さん」
【王】という肩書に臆せず接してくれ、家族にも良くしてくれる友に対してそんな事をするものか。
「・・・・・・済まぬ邪推だった」
頭を下げるウォルム王にい気にしないでくれと言い頭を上げてもらう。
「俺がレンに関する話をウォルム王にしたのは、ウォルムに居るときのあいつの後ろ盾となってほしいからだ、あいつは普通に過ごしたがってるが、能力が普通じゃない、見る奴が見たらいい獲物となるからな、その時はあいつを助けてほしいのだ」
「・・・・・アクスでいい、俺の事はアクスと呼んでくれ、そしてその願いは引き受けた、俺にとってもレンは恩人だからな」
「なら俺もケインと呼んでくれ、そして良ければ友となってほしい」
「喜んで」
おれはウォルム王・・・・・アクスと握手をして笑い合う。
「で、話を戻すがエルスよ残りは本当に表に出す気は無いのだな?」
「はい、説得に応じてくださいました、それと【転移の腕輪】はもう作らないと」
ふぅ・・・・・・これで少しは安心できるな。
「さてアクス、【転移の腕輪】をお互いに所持してるという事でいくつか決めてしまおう、まずメイシェル王国からの支援物資を【転移の腕輪】を使いウォルムに送りたいと思う」
せっかく【転移の腕輪】があるのだ使わない手はない、使う事によって我が国とウォルムに【転移の腕輪】があると周囲に知らしめることもできるしな。
「お話し中すいません【転移の腕輪】は使用者が一度行って場所にしか行けません」
エルスが詳しく説明してくれた、なるほどそういう制限があるのか。
「ふむ・・・・ならばこの後我がウォルムにケインを招待しようではないか、今日は呑もうぞ」
「それはいい!楽しみだ」
お互い笑い合ってふとアクスが真顔になり言葉を発す。
「レンが偶然ウォルムに来てくれなければ俺はこうして笑っていられなかったし、友を得る事も出来なかった、この偶然に感謝せねばならぬな」
そうだな偶然ウォルム行かなければ・・・・ん?・・・偶然?ふとある考えが頭をよぎりエルスに向き直り視線を向けると、エルスがため息をつきながら頷く。
「偶然ではありません」
「「「「は?」」」」
俺、アクス、ハンナ、それと新しいレンの仲間が声を揃えて聞き返した。
「神様・・・・・コラーナ様からレン様にウォルムに行くように言われたみたいです」
「「「「は?」」」」
・・・・・・エルスは胃薬と頭痛薬を持ってるかな?
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