レディース異世界満喫禄

日の丸

文字の大きさ
上 下
66 / 1,656

あたしはこういうのは駄目なんだよ!!

しおりを挟む
「エルスさん服もだけど、ほかに必要だと思った物はどんどん買っちゃいましょう、アイテムボックスがありますから荷物は気にしなくて済みますから」




「わかりました」




乙女の買い物の洗礼を受けてガイルとキースはぐったりしてベンチに座っている。

だらしないぞ二人共!たかが4時間服選びをしただけだよ!彼女が出来たら買い物に付き合うんだから今から慣れておきなさい!!

彼女か・・・・・どんな子を連れてくるんだろうね・・・・・変な子だったらお姉ちゃん許しませんよ!!

とか言うんだろうか・・・・ありそうだなぁ。




いい具合にお昼だから屋台のサンドイッチを買ってみんなで食べることにした。




「次は生活必需品かな?皆欲しい物があったら遠慮なく言いなさい、王都でしか買えないものもあるはずだしね」




「「「「「「「「はーい」」」」」」」」




さてサンドイッチ食べようか・・・・・・ん?

なんか視線を感じる気がする・・・どこ?・・・ギンガを見てるのかな・・・・違うあたしが見られてる気がする。

周りをさりげなく観察すると屋台の陰から女の子がこっちを見ていることに気ずいた。

これあたしを見てるんじゃなくて・・・・サンドイッチを見ている?

・・・・しゃーないか。




「腹減ったのかい?」




あたしは隠れていた女の子のとこまで歩いて行って声を掛ける。

女の子は驚いたようにあたしの顔を見てこくりと頷く。




「じゃあお姉ちゃんが奢ってあげよう!今日はいいことあったから機嫌がいいんだ」




「・・・・いいの?」




「おう!名前はなんていうんだい?」




「キリカ」




「そうかキリカっていうのか、じゃあキリカどのサンドが欲しい?」




「あれ・・・」




キリカが指差したのは肉入りサンド。




「わかったよ、おっちゃんそのサンドおくれ」




「まいどあり」




「ほらキリカ食べるといい」




「ありがとう・・・・」




でもキリカは食べようとせず持って帰るようだった。




「ん?腹減ったから食べるんじゃないの?」




気になったので聞いてみた。




「うん・・・・でも・・・弟もお腹がすいてるの・・・これは弟にあげる」




話聞いてエルスさんを見てそれからもう一度キリカに話かける。




「キリカどれくらいご飯食べてない?」




「・・・・2日」




「フィーナお金渡すから子供達と買い物の続きをして来て、エルスさん一緒についてきて」




「わかりましたお姉さま」




「かしこまりましたレン様」




キリカについて行って裏路地にある集合住宅地に到着、キリカの家に案内してもらう。

2階建ての建物の2階にある扉をくぐり3人で奥に歩いていく。

奥で壁に寄りかかるようにして座っている子供・・5歳くらいかな・・がこちらを見てニコリとして




「キリカお姉ちゃんおかえり」




「ジンご飯持ってきたよ!食べて!」




健気だ・・・・自分もお腹が空いて食べたいだろうに・・弟を優先させるなんて・・・・

あたしはこういうのは駄目なんだよ!!

涙が出そうだべ!!




「キリカとジンくん、もう少しだけ我慢できるかな?お姉ちゃんが美味しい物を今から作ってあげよう」




キリカの話だと2日まともに食べてないっぽいしお腹にやさしい物を作ってあげたい。

2人がこくこくうなずいたので【アイテムボックス】から食材を取り出し調理を始める。




「そうだ、エルスさんこの周りの住人からこの子達の親の事を聞いてきてくれませんか?」




「かしこまりました」




エルスさんが部屋を出て行ってからすぐに料理は完成した。

作ったのはミルクがゆ、それとそれを食べた後にすりおろしたリンゴをだすつもりだ。




「できたよ、2人共ゆっくり食べるといい」




木製の器にミルクがゆをよそい2人に渡す。

やはりお腹がかなり空いていたのか、2回おかわりをしてすりおろしりんごも完食した。




「2人共お腹いっぱいになったのならお昼寝をしなさい、起きるまではここにいるからね」




あたしの言葉に2人共素直に横になり寝息を立て始める。

2人だけで心細かったんだろうな・・・2人の頭を撫でながらそんなことを考えていた。




しおりを挟む
感想 1,343

あなたにおすすめの小説

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

辺境の最強魔導師   ~魔術大学を13歳で首席卒業した私が辺境に6年引きこもっていたら最強になってた~

日の丸
ファンタジー
ウィーラ大陸にある大国アクセリア帝国は大陸の約4割の国土を持つ大国である。 アクセリア帝国の帝都アクセリアにある魔術大学セルストーレ・・・・そこは魔術師を目指す誰もが憧れそして目指す大学・・・・その大学に13歳で首席をとるほどの天才がいた。 その天才がセレストーレを卒業する時から物語が始まる。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

誰にでもできる異世界救済 ~【トライ&エラー】と【ステータス】でニートの君も今日から勇者だ!~

平尾正和/ほーち
ファンタジー
引きこもりニート山岡勝介は、しょーもないバチ当たり行為が原因で異世界に飛ばされ、その世界を救うことを義務付けられる。罰として異世界勇者的な人外チートはないものの、死んだらステータスを維持したままスタート地点(セーブポイント)からやり直しとなる”死に戻り”と、異世界の住人には使えないステータス機能、成長チートとも呼べる成長補正を駆使し、世界を救うため、ポンコツ貧乳エルフとともにマイペースで冒険する。 ※『死に戻り』と『成長チート』で異世界救済 ~バチ当たりヒキニートの異世界冒険譚~から改題しました

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~

細波
ファンタジー
(3月27日変更) 仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる… と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ! 「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」 周りの人も神も黒い! 「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」 そんな元オッサンは今日も行く!

生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない

しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30) 小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。 ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。 それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。 そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。 とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。 ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。 冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。 今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。 「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」 降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決! 面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。 これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。

デッドエンド済み負け犬令嬢、隣国で冒険者にジョブチェンジします

古森真朝
ファンタジー
 乙女ゲームなのに、大河ドラマも真っ青の重厚シナリオが話題の『エトワール・クロニクル』(通称エトクロ)。友人から勧められてあっさりハマった『わたし』は、気の毒すぎるライバル令嬢が救われるエンディングを探して延々とやり込みを続けていた……が、なぜか気が付いたらキャラクター本人に憑依トリップしてしまう。  しかも時間軸は、ライバルが婚約破棄&追放&死亡というエンディングを迎えた後。馬車ごと崖から落ちたところを、たまたま通りがかった冒険者たちに助けられたらしい。家なし、資金なし、ついでに得意だったはずの魔法はほぼすべて使用不可能。そんな状況を見かねた若手冒険者チームのリーダー・ショウに勧められ、ひとまず名前をイブマリーと改めて近くの町まで行ってみることになる。  しかしそんな中、道すがらに出くわしたモンスターとの戦闘にて、唯一残っていた生得魔法【ギフト】が思いがけない万能っぷりを発揮。ついでに神話級のレア幻獣になつかれたり、解けないはずの呪いを解いてしまったりと珍道中を続ける中、追放されてきた実家の方から何やら陰謀の気配が漂ってきて――  「もうわたし、理不尽はコリゴリだから! 楽しい余生のジャマするんなら、覚悟してもらいましょうか!!」  長すぎる余生、というか異世界ライフを、自由に楽しく過ごせるか。元・負け犬令嬢第二の人生の幕が、いま切って落とされた! ※エブリスタ様、カクヨム様、小説になろう様で並行連載中です。皆様の応援のおかげで第一部を書き切り、第二部に突入いたしました!  引き続き楽しんでいただけるように努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!

処理中です...