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My Brother
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「なあ、遥、今日遥の兄ちゃん達来るのか?」
「…」
無視。
「なあ。あのかっちょいい兄ちゃん来るの?」
「…言ってない」
「なんで?去年の文化祭きてたじゃん。それにお前今回主役だろ?」
主役…俺は気分が重くなった。それが問題なのだ。
今日は高校の文化祭の日。俺達のクラスは劇をやることになっている。そして俺は不幸なことになぜかその主役になってしまった。俺はこの練習中ずっと暗くなっていた。そんな劇に兄ィちゃん達を呼ぶことなんてできなかった。
だが、しかしそれも今日で終わる。あの惨めな日々とは、おさらばだ。
その劇の名は…白雪姫…(泣)勿論主役といえば白雪姫。
なんで男の俺がなるかなぁ。やっぱり背が低いから?
俺はちらりと教室に掛かっている衣装を見た。ピンクのドレス。しかもレースのフリフリ。衣装合わせの時以来一度たりとも着たことがなかった。アレを着て大勢に見られるのだ。さ、最悪だ…。
「みんな~!!あと30分で始まるわよ。準備して!」
パタパタと女の子が走ってきてドアの所から叫んだ。
それが悪夢のはじまりの合図となった。
ちらりと舞台の袖から客席を見た。かなりいる。はぁ…ため息をついたとき、俺は見つけてしまった。前から3列目の真ん中。背の高い3人の男。目立つほどに格好いいその姿に俺は頭を抱え込んだ。
「なんでいるかなぁぁ。言ってないのにどうしてわかったんだろ」
俺の…兄ィちゃんだ。右端から眼鏡をかけてじっと舞台を見ているのは一番上の綾兄ィ(あやにぃ)、そしてコピーのようにそっくりで一卵性の双子の紫兄ィ(ゆかりにぃ)と、葵兄ィ(あおいにぃ)。俺の親は、俺が中学のときにパリに行って、デザイナーをしている。そして社会人になってる綾兄ィを中心に大学生の紫兄ィと葵兄ィと一緒に暮らしている。
ああ、なんで知っちゃたんだろう。絶対こんな姿見られたくなかったのに。
「おい、遥、始まるぞ」
そう言って俺の肩をたたくのは王子役の安藤。
俺も兄ィちゃん達や安藤のようにカッコ良くなりたかったな。
「ホラ、行ってこい」
背中を押され、俺はスポットライトの中に入った。
劇は順調だった。
そしてクライマックス。俺は安心しきっていた。これで何もかも終わる…と。
最後のキスシーン。
「ああ、麗しき姫よ。我が愛のくちづけで目覚めておくれ。姫の居ない世界など生きている意味はないのだから」
加藤のセリフの後、バサリとマントが翻る音がして…キス。
もちろん、フリ…のはずだったのに…なのに加藤は、ホントに俺にキスしやがった。
会場も舞台袖にもざわめきがないのは、加藤のマントと、ヤツの顔で隠れているせいだろう。
俺は、身動きできないまま早く終わることを祈った。兄ィ達の視線が気になって、抵抗らしい抵抗も出来ない。俺が抵抗できないことを良いことに加藤は、舌まで入れてきた。
やめろっっっっ!
俺の願いも空しく俺のと絡む。
せ、せめて、兄ィ達にばれていませんように。
劇は、最後まで終わった。なんとか動揺を隠して演技をし、俺は舞台を去った。
嫌がらせだ。俺は、昔からああいう嫌がらせをされたことがあった。こんなことなんとも…ない。大丈夫だ。自分に言い聞かせる。
そっかぁ、俺ってば加藤に嫌われていたんだ、俺なにかしたかな…。
今更ながらに俺はショックを受けていた。
「お帰り、遥」
俺が家に帰ると、ニコニコと笑顔の兄ィ達が玄関で出迎えた。
ズサッ…
俺は思わず後ずさったが、無情にも玄関の扉は閉まってしまい、阻まれた。兄ィ達が不自然なほどの満面の笑顔の時は危険なのだ。3人とも目が…笑ってない。
もしかして、いや、確実に、怒ってる?劇のこと言わなかったから?それとも帰りが遅くなったから?ま、まさか…キスが、ばれてるとか?
グルグルと頭をめぐる。
「どうした?遥?さぁ、入って。寒かっただろう?」
「あ、うん」
笑顔のままの綾兄ィに促されて、家に上がる。
さっ と、紫兄ィにかばんを取られ、葵兄ィにリビングへと導かれる。リビングの3人掛けのソファーの真ん中に座らされ、目の前には膝をつき視線を合わせる綾兄ィ。右側には葵兄ィ、左側には紫兄ィ…いつのまにか俺ってば囲まれてる?
もう身動きできない状況にいた。
「白雪姫よかったよ」
「ごめんなさい、劇のこと言わなくて!」
綾兄ィの言葉に俺は叫ぶように謝った。
「俊君のお母さんが教えてくれて慌てて行ったんだから」
「遥の白雪姫を見逃していたら後悔するとこだったよ」
葵兄ィと紫兄ィが後を続けた。
「ご、ごめんなさい。男なのに白雪姫なんてカッコ悪くて」
「可愛かったよ、遥の白雪姫」
紫兄ィが横から言った。
「でも、俺達に見せたくないほかの理由があったんじゃないのか?」
「えっ!?」
葵兄ィが横からささやいた。思わず、過敏に反応してしまった。
「例えば、王子様からの熱いキスとか…」
「あ、あれは、安藤が勝手に無理やり…」
俺は叫んだ…が、綾兄ィの鋭い視線。そして、両隣から発せられるの殺気に言葉を失った。
「へえ…やっぱり、ホントにキスしてたんだ」
綾兄ィが眼鏡をはずしながら一切の感情を押し殺した低い声で言った。
俺は後悔した。思いっきり後悔した。語るに落ちると言うやつだ。明らかに兄ィ達は怒っている。俺はたぶん、真っ青になっていたことだろう。
「あ、あのっ…」
「最初に、遥の口から事実を聞きたかったな」
「綾兄ィ…」
「まずは、俺達以外が触れた唇は消毒しなくちゃね」
言ったとたん綾兄ィがキスを仕掛けてきた。唇を舐め、舌を絡ませ、安藤の感触を拭い去るように、深く長いキス。
その間に、紫兄ィと葵兄ィが俺の服を脱がしていく。
「もちろん、彼には手を打つけど…、俺達の物だってわかってない遥にも、お仕置きが必要だね」
「遥が言ったんだよね。俺達のものになるって」
言った…。
父さん達が、パリに行ってから兄ィ達を独り占めしたくて、3人に誓った。そしてその日、俺達は結ばれ、休みの日には身体を重ねる日々が続いていた。でも、忘れていたわけじゃない。俺だって兄ィ達以外となんかしたくなかったのに…。
紫兄ィがはだけさせた胸をすかさず葵兄ィがキスの雨を降らす。
「ん、っんん…」
葵兄ィの舌が俺の乳首に触れるだけで俺の身体はびくびくと反応し、快感に身体を振るわせながら喘いだ。
葵兄ィが、乳首に歯を立てた。
「んっっっ!!」
痺れが走って、腰が跳ね上がった。それに乗じて紫兄ィは、俺のズボンを下着ごと脱がしていく。ソファーの布が直に肌に触れて羞恥心に真っ赤になるのがわかる。
綾兄ィが俺の唇を開放し、その代わりに俺の股間に顔をうずめ、紫兄ィは、俺の耳元や首筋に舌を這わせる。葵兄ィが、乳首に軽く歯を立てたり、舌で転がしたり愛撫してくる。
「…に、に…ぃ…やぁ…ゆるしてっ…」
口を開放されたと思ったら、全部一斉に弄られて、俺は身悶えて喘ぐ。
『遥…』
葵兄ィと紫兄ィの声が両側から響く。同じ調子で、そして同じ甘く艶やかな声。双子の利点を思いっきり活用したステレオ効果と言うべきか、俺はこれに弱い。もう、俺は、降参だった。身体がすでに蕩け出してる。
『まだだよ。夜はこれからだ・か・ら…』
二人の声が、真っ白になった頭ん中に響いた。
俺はどこに意識を向けていいのかわからなくなっていた。3カ所を責め立てられ、そのどれもが強い快感を伴っている。
「…にぃ…やぁぁ…」
俺が快感から逃れるように空に手をやると、いつも必ず誰かが俺の手を握ってくれる。今日は紫兄ィ。
紫兄ィは俺の手を取るとぎゅっと握り返し、そして俺の指に舌を這わせた。熱くて濡れた感覚が、敏感になった俺の身体をさらに震わせた。
その時綾兄ィが、俺のもっとも奥に指を伸ばした。
「や…っ、ひぃあっ」
かき混ぜられて俺は涙をこぼした。だんだんと本数が増えていく。
「…兄ィ、や…やだぁ…」
「ここで止めたらお仕置きにならないだろう?」
葵兄ィが俺の胸の突起を甘噛みしながら言った。
俺の所為じゃないのに。俺はいつだって兄ィ達が一番なのに。
俺は、紫兄ィに手を取られ四つん這いの格好になった。
「遥、口を開けて」
紫兄ィのモノが俺の目の前に来る。
「ン…ッ…」
紫兄ィの大きなソレで俺の口いっぱいになる。舌と絡ませ、
「ちぇっ…紫に先越されたか」
葵兄ィが呟いて綾兄ィと交代する形で俺のモノを含んだ。
「いくよ、遥」
綾兄ィがさっきまで指でならしたトコに硬いモノを当てた。
「息吐いて、楽にして。遥」
ぐぅっっという圧迫感に耐える。何度やってもこの挿入の瞬間は怖い。それを知ってるから兄ィ達も慎重になっているのがわかる。
「んぁっ…」
全て入れて、そして、綾兄ィが動き出す。中が熱い。俺の意識が追いつけない快感が一気に俺を襲った。
「…あ…や、だ、いっ…ちゃう…」
俺は葵兄ィの口の中に放っていた。
綾兄ィはさらに腰を使って俺を攻める。一度放ったというのに、その刺激で再び持ち上がっていく。
「遥」
綾兄ィの掠れた声で、限界が近いのだと悟る。俺も一緒になって体を動かし、快感を紡いでいく。
「…くっ…」
綾兄ィの熱いしぶきを身体の奥で感じると、一緒にまた俺は果てた。その際思わず、口の中の紫兄ィのモノに歯を立ててしまった。
「ばっ…痛っう」
紫兄ィが叫んだと同時に中のモノが一気に大きくなり熱いモノが口に広がった。
「けっ。三人で楽しみやがって。次俺ね」
葵兄ィが口を拭いながらバトンタッチ。
綾兄ィとの繋がりが解かれる。ずるりとした感覚が背中に響く。
はじめの挿入も好きじゃないけど、毎回引き抜かれるときも好きじゃない。
「遥、好きだよ」
葵兄ィが囁いて、そして一気につく。一度した後は、入れるのも楽。最初から快感を伴ってくる。
「葵兄ィ…」
葵兄ィの熱で身体がおかしくなってくる。
すでに身体には力が入らない。頭ン中も真っ白。でも、まだ解放されない。多分このお仕置きは、今日中には終わらない…。
俺は葵兄ィの動きに合わし、綾兄ィと紫兄ィの愛撫を受けながら強すぎる快感に浸っていた。
いつの間にか、俺はソファーではなく、俺の部屋のベットにいた。兄ィ達が連れてきたんだろう…。俺は、何度も意識飛ばしたし、何がなんだかわかんなくなってたから、よくわからない。
俺のベットは、ダブルベット。両親は俺が甘えてるっ言って苦笑して、それでダブルを許したけど、本当は兄ィ達が推したんだ。それで俺は毎日兄ィ達のうちの誰かと毎日添い寝する。そして、情事も広いためにいつもこのベットになる…。
ふわふわした頭で、必死兄ィ達の姿を探す。
「に…ぃ…」
俺が切れ切れに掠れた声でにぃ達を呼ぶと、三人は交互に俺に口づけをした。
「遥…もっと俺達を求めろ」
言われて俺は、三人の方へ手を伸ばす。
「にぃ…。き、てぇ…」
三人は満面の笑顔を浮かべる。葵兄ィは右手にキスをし、綾兄ィが左手の指一つ一つに舌を這わせて愛撫する。そして紫兄ィが俺の横にきて、首もとに唇を落とした…。それは、とても優しく、愛情に満ちた行為だった…。
そして、俺はまた、快感に…いや兄ィ達に身体と心を預けるのだった。
翌日、太陽がもう傾くころ、身体中に情事の跡を残し、やっと俺は目覚めた。
身体中がギシギシいっている。
だから、三人相手にするのはヤなんだ。
「おはよう、遥」
「………」
「遥?」
目覚めた俺に声をかける紫兄ィ。だが、なにも答えない俺に紫兄ィがのぞき込んだ。
俺は、無視した。
確かに、アレは…気持ちよかったけど…でも、俺のこと信じてないし、一方的だ!!そんなの…。
俺は、一晩経った今、兄ィ達の理不尽さに怒りが湧いてきた。
「遥、ごめんな」
すぐに俺の怒りを察した綾兄ィが謝ってきた。
「悪かった。あんな場面見ちゃったら、つい。嫉妬しちゃって…」
「そうそう。はじめは軽いお仕置きのつもりだったんだけど、遥があんまりにも可愛かったから」
兄ィ達が口々に言う。
Hの時もそうだけど、兄ィちゃん達ってコンビネーション良すぎ…。
三人から謝られて、すぐに許しちゃうんだから俺って甘いよな。でも、兄ィ達を本気で怒れないし、嫌いになれない。
やっぱり、兄ィ達がこの世界で一番好きなんだ。
「まだ怒ってるけど…でも、兄ィ…大好きだよ」
俺は笑顔で兄ィ達を見つめた。
その後、あの加藤は、俺に近づくことも、目を合わせることもしなくなった。加藤に何があったのか、俺には分からない…。(笑)
2001/02/26
「…」
無視。
「なあ。あのかっちょいい兄ちゃん来るの?」
「…言ってない」
「なんで?去年の文化祭きてたじゃん。それにお前今回主役だろ?」
主役…俺は気分が重くなった。それが問題なのだ。
今日は高校の文化祭の日。俺達のクラスは劇をやることになっている。そして俺は不幸なことになぜかその主役になってしまった。俺はこの練習中ずっと暗くなっていた。そんな劇に兄ィちゃん達を呼ぶことなんてできなかった。
だが、しかしそれも今日で終わる。あの惨めな日々とは、おさらばだ。
その劇の名は…白雪姫…(泣)勿論主役といえば白雪姫。
なんで男の俺がなるかなぁ。やっぱり背が低いから?
俺はちらりと教室に掛かっている衣装を見た。ピンクのドレス。しかもレースのフリフリ。衣装合わせの時以来一度たりとも着たことがなかった。アレを着て大勢に見られるのだ。さ、最悪だ…。
「みんな~!!あと30分で始まるわよ。準備して!」
パタパタと女の子が走ってきてドアの所から叫んだ。
それが悪夢のはじまりの合図となった。
ちらりと舞台の袖から客席を見た。かなりいる。はぁ…ため息をついたとき、俺は見つけてしまった。前から3列目の真ん中。背の高い3人の男。目立つほどに格好いいその姿に俺は頭を抱え込んだ。
「なんでいるかなぁぁ。言ってないのにどうしてわかったんだろ」
俺の…兄ィちゃんだ。右端から眼鏡をかけてじっと舞台を見ているのは一番上の綾兄ィ(あやにぃ)、そしてコピーのようにそっくりで一卵性の双子の紫兄ィ(ゆかりにぃ)と、葵兄ィ(あおいにぃ)。俺の親は、俺が中学のときにパリに行って、デザイナーをしている。そして社会人になってる綾兄ィを中心に大学生の紫兄ィと葵兄ィと一緒に暮らしている。
ああ、なんで知っちゃたんだろう。絶対こんな姿見られたくなかったのに。
「おい、遥、始まるぞ」
そう言って俺の肩をたたくのは王子役の安藤。
俺も兄ィちゃん達や安藤のようにカッコ良くなりたかったな。
「ホラ、行ってこい」
背中を押され、俺はスポットライトの中に入った。
劇は順調だった。
そしてクライマックス。俺は安心しきっていた。これで何もかも終わる…と。
最後のキスシーン。
「ああ、麗しき姫よ。我が愛のくちづけで目覚めておくれ。姫の居ない世界など生きている意味はないのだから」
加藤のセリフの後、バサリとマントが翻る音がして…キス。
もちろん、フリ…のはずだったのに…なのに加藤は、ホントに俺にキスしやがった。
会場も舞台袖にもざわめきがないのは、加藤のマントと、ヤツの顔で隠れているせいだろう。
俺は、身動きできないまま早く終わることを祈った。兄ィ達の視線が気になって、抵抗らしい抵抗も出来ない。俺が抵抗できないことを良いことに加藤は、舌まで入れてきた。
やめろっっっっ!
俺の願いも空しく俺のと絡む。
せ、せめて、兄ィ達にばれていませんように。
劇は、最後まで終わった。なんとか動揺を隠して演技をし、俺は舞台を去った。
嫌がらせだ。俺は、昔からああいう嫌がらせをされたことがあった。こんなことなんとも…ない。大丈夫だ。自分に言い聞かせる。
そっかぁ、俺ってば加藤に嫌われていたんだ、俺なにかしたかな…。
今更ながらに俺はショックを受けていた。
「お帰り、遥」
俺が家に帰ると、ニコニコと笑顔の兄ィ達が玄関で出迎えた。
ズサッ…
俺は思わず後ずさったが、無情にも玄関の扉は閉まってしまい、阻まれた。兄ィ達が不自然なほどの満面の笑顔の時は危険なのだ。3人とも目が…笑ってない。
もしかして、いや、確実に、怒ってる?劇のこと言わなかったから?それとも帰りが遅くなったから?ま、まさか…キスが、ばれてるとか?
グルグルと頭をめぐる。
「どうした?遥?さぁ、入って。寒かっただろう?」
「あ、うん」
笑顔のままの綾兄ィに促されて、家に上がる。
さっ と、紫兄ィにかばんを取られ、葵兄ィにリビングへと導かれる。リビングの3人掛けのソファーの真ん中に座らされ、目の前には膝をつき視線を合わせる綾兄ィ。右側には葵兄ィ、左側には紫兄ィ…いつのまにか俺ってば囲まれてる?
もう身動きできない状況にいた。
「白雪姫よかったよ」
「ごめんなさい、劇のこと言わなくて!」
綾兄ィの言葉に俺は叫ぶように謝った。
「俊君のお母さんが教えてくれて慌てて行ったんだから」
「遥の白雪姫を見逃していたら後悔するとこだったよ」
葵兄ィと紫兄ィが後を続けた。
「ご、ごめんなさい。男なのに白雪姫なんてカッコ悪くて」
「可愛かったよ、遥の白雪姫」
紫兄ィが横から言った。
「でも、俺達に見せたくないほかの理由があったんじゃないのか?」
「えっ!?」
葵兄ィが横からささやいた。思わず、過敏に反応してしまった。
「例えば、王子様からの熱いキスとか…」
「あ、あれは、安藤が勝手に無理やり…」
俺は叫んだ…が、綾兄ィの鋭い視線。そして、両隣から発せられるの殺気に言葉を失った。
「へえ…やっぱり、ホントにキスしてたんだ」
綾兄ィが眼鏡をはずしながら一切の感情を押し殺した低い声で言った。
俺は後悔した。思いっきり後悔した。語るに落ちると言うやつだ。明らかに兄ィ達は怒っている。俺はたぶん、真っ青になっていたことだろう。
「あ、あのっ…」
「最初に、遥の口から事実を聞きたかったな」
「綾兄ィ…」
「まずは、俺達以外が触れた唇は消毒しなくちゃね」
言ったとたん綾兄ィがキスを仕掛けてきた。唇を舐め、舌を絡ませ、安藤の感触を拭い去るように、深く長いキス。
その間に、紫兄ィと葵兄ィが俺の服を脱がしていく。
「もちろん、彼には手を打つけど…、俺達の物だってわかってない遥にも、お仕置きが必要だね」
「遥が言ったんだよね。俺達のものになるって」
言った…。
父さん達が、パリに行ってから兄ィ達を独り占めしたくて、3人に誓った。そしてその日、俺達は結ばれ、休みの日には身体を重ねる日々が続いていた。でも、忘れていたわけじゃない。俺だって兄ィ達以外となんかしたくなかったのに…。
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「ん、っんん…」
葵兄ィの舌が俺の乳首に触れるだけで俺の身体はびくびくと反応し、快感に身体を振るわせながら喘いだ。
葵兄ィが、乳首に歯を立てた。
「んっっっ!!」
痺れが走って、腰が跳ね上がった。それに乗じて紫兄ィは、俺のズボンを下着ごと脱がしていく。ソファーの布が直に肌に触れて羞恥心に真っ赤になるのがわかる。
綾兄ィが俺の唇を開放し、その代わりに俺の股間に顔をうずめ、紫兄ィは、俺の耳元や首筋に舌を這わせる。葵兄ィが、乳首に軽く歯を立てたり、舌で転がしたり愛撫してくる。
「…に、に…ぃ…やぁ…ゆるしてっ…」
口を開放されたと思ったら、全部一斉に弄られて、俺は身悶えて喘ぐ。
『遥…』
葵兄ィと紫兄ィの声が両側から響く。同じ調子で、そして同じ甘く艶やかな声。双子の利点を思いっきり活用したステレオ効果と言うべきか、俺はこれに弱い。もう、俺は、降参だった。身体がすでに蕩け出してる。
『まだだよ。夜はこれからだ・か・ら…』
二人の声が、真っ白になった頭ん中に響いた。
俺はどこに意識を向けていいのかわからなくなっていた。3カ所を責め立てられ、そのどれもが強い快感を伴っている。
「…にぃ…やぁぁ…」
俺が快感から逃れるように空に手をやると、いつも必ず誰かが俺の手を握ってくれる。今日は紫兄ィ。
紫兄ィは俺の手を取るとぎゅっと握り返し、そして俺の指に舌を這わせた。熱くて濡れた感覚が、敏感になった俺の身体をさらに震わせた。
その時綾兄ィが、俺のもっとも奥に指を伸ばした。
「や…っ、ひぃあっ」
かき混ぜられて俺は涙をこぼした。だんだんと本数が増えていく。
「…兄ィ、や…やだぁ…」
「ここで止めたらお仕置きにならないだろう?」
葵兄ィが俺の胸の突起を甘噛みしながら言った。
俺の所為じゃないのに。俺はいつだって兄ィ達が一番なのに。
俺は、紫兄ィに手を取られ四つん這いの格好になった。
「遥、口を開けて」
紫兄ィのモノが俺の目の前に来る。
「ン…ッ…」
紫兄ィの大きなソレで俺の口いっぱいになる。舌と絡ませ、
「ちぇっ…紫に先越されたか」
葵兄ィが呟いて綾兄ィと交代する形で俺のモノを含んだ。
「いくよ、遥」
綾兄ィがさっきまで指でならしたトコに硬いモノを当てた。
「息吐いて、楽にして。遥」
ぐぅっっという圧迫感に耐える。何度やってもこの挿入の瞬間は怖い。それを知ってるから兄ィ達も慎重になっているのがわかる。
「んぁっ…」
全て入れて、そして、綾兄ィが動き出す。中が熱い。俺の意識が追いつけない快感が一気に俺を襲った。
「…あ…や、だ、いっ…ちゃう…」
俺は葵兄ィの口の中に放っていた。
綾兄ィはさらに腰を使って俺を攻める。一度放ったというのに、その刺激で再び持ち上がっていく。
「遥」
綾兄ィの掠れた声で、限界が近いのだと悟る。俺も一緒になって体を動かし、快感を紡いでいく。
「…くっ…」
綾兄ィの熱いしぶきを身体の奥で感じると、一緒にまた俺は果てた。その際思わず、口の中の紫兄ィのモノに歯を立ててしまった。
「ばっ…痛っう」
紫兄ィが叫んだと同時に中のモノが一気に大きくなり熱いモノが口に広がった。
「けっ。三人で楽しみやがって。次俺ね」
葵兄ィが口を拭いながらバトンタッチ。
綾兄ィとの繋がりが解かれる。ずるりとした感覚が背中に響く。
はじめの挿入も好きじゃないけど、毎回引き抜かれるときも好きじゃない。
「遥、好きだよ」
葵兄ィが囁いて、そして一気につく。一度した後は、入れるのも楽。最初から快感を伴ってくる。
「葵兄ィ…」
葵兄ィの熱で身体がおかしくなってくる。
すでに身体には力が入らない。頭ン中も真っ白。でも、まだ解放されない。多分このお仕置きは、今日中には終わらない…。
俺は葵兄ィの動きに合わし、綾兄ィと紫兄ィの愛撫を受けながら強すぎる快感に浸っていた。
いつの間にか、俺はソファーではなく、俺の部屋のベットにいた。兄ィ達が連れてきたんだろう…。俺は、何度も意識飛ばしたし、何がなんだかわかんなくなってたから、よくわからない。
俺のベットは、ダブルベット。両親は俺が甘えてるっ言って苦笑して、それでダブルを許したけど、本当は兄ィ達が推したんだ。それで俺は毎日兄ィ達のうちの誰かと毎日添い寝する。そして、情事も広いためにいつもこのベットになる…。
ふわふわした頭で、必死兄ィ達の姿を探す。
「に…ぃ…」
俺が切れ切れに掠れた声でにぃ達を呼ぶと、三人は交互に俺に口づけをした。
「遥…もっと俺達を求めろ」
言われて俺は、三人の方へ手を伸ばす。
「にぃ…。き、てぇ…」
三人は満面の笑顔を浮かべる。葵兄ィは右手にキスをし、綾兄ィが左手の指一つ一つに舌を這わせて愛撫する。そして紫兄ィが俺の横にきて、首もとに唇を落とした…。それは、とても優しく、愛情に満ちた行為だった…。
そして、俺はまた、快感に…いや兄ィ達に身体と心を預けるのだった。
翌日、太陽がもう傾くころ、身体中に情事の跡を残し、やっと俺は目覚めた。
身体中がギシギシいっている。
だから、三人相手にするのはヤなんだ。
「おはよう、遥」
「………」
「遥?」
目覚めた俺に声をかける紫兄ィ。だが、なにも答えない俺に紫兄ィがのぞき込んだ。
俺は、無視した。
確かに、アレは…気持ちよかったけど…でも、俺のこと信じてないし、一方的だ!!そんなの…。
俺は、一晩経った今、兄ィ達の理不尽さに怒りが湧いてきた。
「遥、ごめんな」
すぐに俺の怒りを察した綾兄ィが謝ってきた。
「悪かった。あんな場面見ちゃったら、つい。嫉妬しちゃって…」
「そうそう。はじめは軽いお仕置きのつもりだったんだけど、遥があんまりにも可愛かったから」
兄ィ達が口々に言う。
Hの時もそうだけど、兄ィちゃん達ってコンビネーション良すぎ…。
三人から謝られて、すぐに許しちゃうんだから俺って甘いよな。でも、兄ィ達を本気で怒れないし、嫌いになれない。
やっぱり、兄ィ達がこの世界で一番好きなんだ。
「まだ怒ってるけど…でも、兄ィ…大好きだよ」
俺は笑顔で兄ィ達を見つめた。
その後、あの加藤は、俺に近づくことも、目を合わせることもしなくなった。加藤に何があったのか、俺には分からない…。(笑)
2001/02/26
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