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15 食材は…異世界でも基本は同じもの
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料理の材料を調達のため、アリシェルとともに、買い物へ。
村で作った料理が好評だったので、俺が作るといったら大歓迎された。
色とりどりの野菜や品物が並べられたマルシェ。
ここはヨーロッパの野菜に近い。というか、原種に近いのかもしれない。
自然と、食材を見る目が真剣になる。
いくつか味見をさせてもらったが、ちょっと固くて味が濃くてちょっと、青臭い。
「野性味溢れるかんじってのに近いかな?」
独り言を言いながら、味を噛み締める。
結局、無難なところで、トマトとレンズ豆、エシャロット、キャベツを買うことにした。
なんとなく相場とかを考えると、貰ったお金は12グランは…10万くらい。また、その下をビル、ディアという単位となり、今回買ったのは、6ディア。500円くらいで大量に買えた。
洗面器ぐらいの大きさの籠に入る量を袋にいれてくれた。
そして肉は牛、豚、鶏、鹿、馬かな。
訳わからん肉があったらどうしようかと思ったが、良かった。
肉もちゃんとしていて、保存状態もしっかりしていた。これは魔石の冷蔵の力かな?
その中から、牛肉を買う。赤身がきれいで、塊も変色してない。
アリシェルは、俺が買うもの、興味があるものの品物の名前を教えてくれた。
これで大体、こちらの言葉での食材の名前がわかってきた。感謝。
基本的に、マルシェにおいてあるものは、見知った食材だし、味も想像がつく範囲だったので、ほっとしていた。
俺の仕事は、料理を作る前の、食材を厳選するところから始まるのだから。
家に帰り、やっと夕飯作りを開始する。
アリシェルは、テーブルでこちらをニコニコと見守りつつ、魔石の作業をしていた。
「さてと、気合をいれるか」
コックコートに身を包み、俺の包丁や道具を取り出して、台所にたつ。
材料は、ちょっと、固めのトマト。
俺自身は、熟しているのが好きだけど、村でもここでも、サラダだったり、生で食べるのはあまりないことらしい。
市場で売っていたのも若い野菜が多かった。
野菜自体にアクが強いこともあるが、保存性、衛生面も考えると、熱を通す料理が多くなるのは仕方がないことだと思う。
食中毒は、何より怖い。
トマトを手早くくりぬく。
エシャロットをみじん切りにする。
トントンというリズムに、心が和む。
オイルで軽く炒め、刻んで挽き肉にしたものと合わせてトマトの中に詰める。
メインのトマト・ファルシ。
とりあえず、見栄えがいいし、何より簡単だし、味が決まりやすい。
俺は、料理学校に通っていたわけではないから、基本みたいなことや、歴史とかを知っているわけではない。
一番最初に飛び込んだところで12年、その後はふらふらしながら自分で食べて旨かった店に頼み込んで働いていたから、本当のところはわからないけれど、フランス料理は、ソースとスープの料理だと思う。だが、それは、少量の家庭料理で作るのに向いていない。
コンソメとか、あの琥珀色は野菜を大量に入れてコツコツ出汁をとるようにしないとうまくいかないし、少しだけのソースを作るのは、コスト効率も悪い。
その点、日本料理は少量に向いていて、繊細だ。たくさん作ると大味になるし、煮物など特に煮崩れしてしまう。
少量だけど、見栄えも味もそして、深みもあるものを…俺は、出張料理で、そして日本という土地で鍛えてられてきたのだと思う。
レンズ豆のサラダを作りながら、知らぬまに出てきてしまった自分の世界を思う。
「彰、ちゃんと客の予約の断り、入れてるかな…心配とか騒ぎになってないといいけど…」
村で作った料理が好評だったので、俺が作るといったら大歓迎された。
色とりどりの野菜や品物が並べられたマルシェ。
ここはヨーロッパの野菜に近い。というか、原種に近いのかもしれない。
自然と、食材を見る目が真剣になる。
いくつか味見をさせてもらったが、ちょっと固くて味が濃くてちょっと、青臭い。
「野性味溢れるかんじってのに近いかな?」
独り言を言いながら、味を噛み締める。
結局、無難なところで、トマトとレンズ豆、エシャロット、キャベツを買うことにした。
なんとなく相場とかを考えると、貰ったお金は12グランは…10万くらい。また、その下をビル、ディアという単位となり、今回買ったのは、6ディア。500円くらいで大量に買えた。
洗面器ぐらいの大きさの籠に入る量を袋にいれてくれた。
そして肉は牛、豚、鶏、鹿、馬かな。
訳わからん肉があったらどうしようかと思ったが、良かった。
肉もちゃんとしていて、保存状態もしっかりしていた。これは魔石の冷蔵の力かな?
その中から、牛肉を買う。赤身がきれいで、塊も変色してない。
アリシェルは、俺が買うもの、興味があるものの品物の名前を教えてくれた。
これで大体、こちらの言葉での食材の名前がわかってきた。感謝。
基本的に、マルシェにおいてあるものは、見知った食材だし、味も想像がつく範囲だったので、ほっとしていた。
俺の仕事は、料理を作る前の、食材を厳選するところから始まるのだから。
家に帰り、やっと夕飯作りを開始する。
アリシェルは、テーブルでこちらをニコニコと見守りつつ、魔石の作業をしていた。
「さてと、気合をいれるか」
コックコートに身を包み、俺の包丁や道具を取り出して、台所にたつ。
材料は、ちょっと、固めのトマト。
俺自身は、熟しているのが好きだけど、村でもここでも、サラダだったり、生で食べるのはあまりないことらしい。
市場で売っていたのも若い野菜が多かった。
野菜自体にアクが強いこともあるが、保存性、衛生面も考えると、熱を通す料理が多くなるのは仕方がないことだと思う。
食中毒は、何より怖い。
トマトを手早くくりぬく。
エシャロットをみじん切りにする。
トントンというリズムに、心が和む。
オイルで軽く炒め、刻んで挽き肉にしたものと合わせてトマトの中に詰める。
メインのトマト・ファルシ。
とりあえず、見栄えがいいし、何より簡単だし、味が決まりやすい。
俺は、料理学校に通っていたわけではないから、基本みたいなことや、歴史とかを知っているわけではない。
一番最初に飛び込んだところで12年、その後はふらふらしながら自分で食べて旨かった店に頼み込んで働いていたから、本当のところはわからないけれど、フランス料理は、ソースとスープの料理だと思う。だが、それは、少量の家庭料理で作るのに向いていない。
コンソメとか、あの琥珀色は野菜を大量に入れてコツコツ出汁をとるようにしないとうまくいかないし、少しだけのソースを作るのは、コスト効率も悪い。
その点、日本料理は少量に向いていて、繊細だ。たくさん作ると大味になるし、煮物など特に煮崩れしてしまう。
少量だけど、見栄えも味もそして、深みもあるものを…俺は、出張料理で、そして日本という土地で鍛えてられてきたのだと思う。
レンズ豆のサラダを作りながら、知らぬまに出てきてしまった自分の世界を思う。
「彰、ちゃんと客の予約の断り、入れてるかな…心配とか騒ぎになってないといいけど…」
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