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第二章:城塞都市クレイル

【北部戦線】ところで最近どうよ?【異状なし】(2)

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63:名無しの魔王軍
現地報告の時間だー!
魔王城建築の息抜きに聞かせてもらうぜ

64:名無しの魔王軍
ふぃぃ……完成が待ち遠しいな
でもいつになったら形になるんだ……?

65:名無しの魔王軍
いや、あのさ……
(エロ)トラップゾーンだけ進捗がいいのなんでなん??

66:名無しの魔王軍
なんでやろなぁ
まあ、ほら、色々とあるんじゃないか
皆が皆、建築のプロってわけではないし

67:姫騎士キラー(自称)
(無言で目を逸らす)

68:卍ゴブリン卍
(下手くそな口笛を吹く)

69:桃色スライム
(ぐねぐね踊る)

70:魔王様
おい、俺が現場を離れて仮設魔法研究所に移動した後
現場で一体何があった……?
人員割り振りは済ませたから
進捗管理は現場に任せた筈なんだが

71:名無しの魔王軍
魔王様、仲間を疑うのは良くないぜ?
見てくれよ、俺達の穢れなき眼をさ……!!

72:リッパーくん
ドロドロに濁ってるよー
これは嘘を吐いてる目だよー

73:名無しの魔王軍
リッパーくん!?!?

74:名無しの魔王軍
(なんで目を見ただけで嘘だと分かるんだ!?)

75:名無しの魔王軍
(いや、リッパーくんならできそうだけど、今回の場合は誰でもできそう)

76:魔王様
全体管理できる奴を派遣しなきゃだめか……?
お前らもうちょっと真面目にやれよ
これから聞く報告を聞けば分かるけど
魔王城の出番は意外にも早いかもしれんぞ

77:ドラゴンキッチン
流石に他の仕事を止めてご迷惑をお掛けするわけにはいきませんので
私が全体の進捗管理を担当させて頂きます
厨房の優先度は低いですからね

78:名無しの魔王軍
サバイバル料理からの脱出が遠のく……!

79:名無しの魔王軍
あーあ、お前らのせいで
ドラゴンキッチンが万全に料理できる環境が整うの遅れちゃったなー

80:卍ゴブリン卍
お前ら徹夜で働くのに日和ってる奴いる?
いねえよなぁ!!?

81:姫騎士キラー(自称)
魔王城建てるぞ!!

82:名無しの魔王軍
言うこと聞かせるなら胃袋を握れって
それ一番言われてるから

83:名無しの魔王軍
相変わらず本能のまま生きてんな俺ら

84:魔王様
>>77
悪いけど問題児は任せた
サボってるやつとか言うこと聞かない奴は
……うーん、まあリッパーくんに任せればええやろ

85:リッパーくん
そういうのは任せておいてよー
教育は得意だよー

86:桃色スライム
ひえっ
さぼりましぇん!

87:名無しの魔王軍
教育って書いて拷問って読むやつだ!!

88:魔王様
とりあえず建築組はこれで問題ないな

89:卍ゴブリン卍
怯える仲間から目を逸らすなー!
これが大切な仲間への仕打ちかー!

90:魔王様
…………問題ないなっ!

91:姫騎士キラー(自称)
見捨てられたー!?!?

92:名無しの魔王軍
この扱いは残当過ぎるんよ

93:魔王様
はいはい! 話を戻すぞー!
現地報告のターンだからな
んじゃ、トシゾウ……任せたぞ!

94:名無しの魔王軍
ようやく話の流れが戻ってきた

95:トシゾウ
それでは改めて報告をさせて頂きます
現在、私はルベリスタ王国の北方に位置する城塞都市クレイルに潜伏……
より正確に申し上げるならば地中奥深くに潜伏しております
ご存知の通り情報収集を開始してから間もないですが
状況に大きな変化が起きたため
魔王様にお願いしてこの場を開いて頂きました

96:名無しの魔王軍
溢れ出るまともさ

97:名無しの魔王軍
迸るインテリジェンス

98:名無しの魔王軍
涙目一丸もそうだけど
報告担当というか諜報担当は
まともな奴が多いな

99:名無しの魔王軍
というより数少ないまともな奴が
そういう難しい仕事を任せられてるだけなんだよなぁ

100:名無しの魔王軍
大きな変化って……ああ、あの件か
もしかして確定したのか?

101:トシゾウ
情報収集を強化する切っ掛けは
涙目一丸様が大規模なキャラバンと共に王国の権力者が
城塞都市クレイルに訪れたのを発見したからでしたね
今回の報告は、その権力者が何者かが判明したことが中心になります
先に結論をお伝えしましょう

その人物の名はロザリンド・エル・ルベリスタ
ルベリスタ王国の第三王女です

102:名無しの魔王軍
はぁっ!?!?

102:名無しの魔王軍
王族……!?

103:名無しの魔王軍
ガチモンの権力者やんけ!

104:名無しの魔王軍
偶然はありえんやろ?
だって城塞都市はその名の通り防衛拠点
しかも北方の最前線だからな
そんなところに王族が来るなんてよっぽどだぞ

105:名無しの魔王軍
ある意味ではメテオは大成功か
あれに釣られてやってきたってことだろう?

106:名無しの魔王軍
わざわざ商会に紛れて来たってことはさ
貴人用の馬車とはいえお忍びってことだよな
よく正体を突き止められたな

107:トシゾウ
都市長の屋敷以外の防諜はそこまで力を入れていないようなので
情報収集の難易度は高くありませんでした
地中から盗み聞きされているとは想像の範疇を超えているでしょうからね
都市外や城壁塔での会話から確定できたのは幸いでした
しかしあの振る舞いを見るに、隠蔽はしていても徹底的に隠し通すつもりは無いように感じました

108:名無しの魔王軍
サンドワームに人間並みの知性があるのを想定するのはね

109:名無しの魔王軍
土の中に長時間居られる存在を想定できたとしても
対策に必要なコストを考えたらその可能性を切り捨てるよね

110:名無しの魔王軍
隠し通すつもりがないって
王族だとバレたらお忍びで守りが手薄な状態なのもあって
すごく狙われそうなものだけどなー
もしかして自ら囮になるつもりとか?

111:名無しの魔王軍
王族自ら囮ってそりゃあ豪勢だな

112:魔王様
王国内の情報に詳しい奴っておらんのか?
第三王女がどういう人物なのか知りたいけど

113:名無しの魔王軍
王国どころか人族の領域に踏み入れないこの身を恨むぞ!

114:赤化のアン
王国内で冒険者をやってたッスけど
うーん……第三王女の名前を聞いた覚えがないんすよね
他の王族はちらほら聞くことはあるけど

115:トシゾウ
第一王子は外交関係で名前が出るので辺境でもよく聞きますね
第二王子、第一王女、第ニ王女も各分野で名前が上がります
第四王女に関しては……まあともかく色々と話題にはなりますね
しかし、そう考えると王族で唯一、第三王女の名前を聞くことがありませんでした

116:名無しの魔王軍
サンドワーム情報網に拾われないって
そんな忍んでいるのか?

117:名無しの魔王軍
存在自体が隠れているならともかく
認知はされているけど、行動が知られてないって
本当に何も実績がないんじゃないか?

118:赤化のアン
あっ! 少し思い出したッス!
昔は神童で話題になってたような気がするッス

119:魔王様
ほほーん
二十歳過ぎれば只の人ってか
……いや、そんな人物が今になって動き出したのは
かなりきな臭いような気がするぞ
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