18 / 36
中学生編
17.
しおりを挟む
「予想はしてたけどもうお城じゃない?この家。」
「普通だろ? まぁ入れよ。」
菊池くんは強い風の中玄関? で待っていてくれたらしい。玄関って、私の部屋より広いんだけど……。
「女子は甘い物好きだと思ってマカロン準備したけど高橋は食べられるか?」
家に入り少し歩くと菊池くんが私に聞いてくれた。
「私は好きだよ!!」
「お前に聞いてねえよ!」
えー! と拗ねた顔をするあかり。安定に可愛いよ、ほんと。サポートキャラが言うんだから。さすがヒロイン。一応私もマカロン大好きだよ、と伝えると菊池くんはホッとため息をついた。そんなに気を遣ってくれたのか、優しいな。
それから数分歩くと菊池くんの部屋らしきところに来た。家広すぎません?
「やっと来たか。」
「来んの遅いわ~! あれ高橋サンの服エロない?」
「でしょ~! 僕がプレゼントしたんだよ。みんなに見て欲しくなくて上着貸したんだけど脱いじゃったから。」
この人たちは何を言っているのか。こんな服着るんじゃなかった、と後悔してももう遅い。
「お、男は胸しか興味がないのですわね!」
「かなちゃんが汚れる!」
2人はお互いの胸を見てため息をついた。大丈夫だよ、まだ中一だから成長するよ。私の隣で菊池くんは顔を真っ赤にしている。初心だなあ。東堂としゅんにも見習って欲しいよ。花京院くんは相変わらず表情が読めない。
みんなでゲームをしていると不意にノックがした。菊池くんのご両親かな?
「失礼致します。昼食の準備が整いましたがお待ちしましょうか?」
「いや、食堂に行くから並べておいてくれると助かる。」
ばあや、みたいな人がでてきた。これって現実? あ、乙女ゲームだからこの人たちがおかしいのか。
「菊池くん、御手洗かりてもいい?」
実はいつ行こうかとずっと迷っていた。人の家に来たら言い出せないんだよね。
「俺高橋に案内するから登場人物頼む。」
「おっけー。ほな、みんな行こか」
菊池くんと2人きりってなぜか緊張する。でも、なぜか安心もする。なんだろこの矛盾。あ、そうだ小学生の頃仲良かったひなたくんと雰囲気が似てるんだ。全然性格は違うけど……。
「やっと思い出したか」
「え?」
もしかして口に出てた……?
「俺の名前覚えてるか?」
「え、ひなたくんでしょ? あっ……。」
「そう。お前の知ってるひなたは俺。」
「えぇ!? 男の子に茶化されて泣いてた日向くん!?」
「うるせぇ! そんなに泣いてねえわ! でも、またかなと会えてよかった。」
すっごい目を釣りあげて怒っていたのに急に優しく微笑むからつい、ドキッとしてしまった。
でも、ひなたくんは遊ぶ時集合場所にしてた公園に来なくなったのだ。私のことが嫌いになったのかと悩み、一週間以上心にすっぽり穴があいたような虚無感に襲われていた。
「先にトイレいけよ。出てきたら話すから。ちょっと整理する。」
「普通だろ? まぁ入れよ。」
菊池くんは強い風の中玄関? で待っていてくれたらしい。玄関って、私の部屋より広いんだけど……。
「女子は甘い物好きだと思ってマカロン準備したけど高橋は食べられるか?」
家に入り少し歩くと菊池くんが私に聞いてくれた。
「私は好きだよ!!」
「お前に聞いてねえよ!」
えー! と拗ねた顔をするあかり。安定に可愛いよ、ほんと。サポートキャラが言うんだから。さすがヒロイン。一応私もマカロン大好きだよ、と伝えると菊池くんはホッとため息をついた。そんなに気を遣ってくれたのか、優しいな。
それから数分歩くと菊池くんの部屋らしきところに来た。家広すぎません?
「やっと来たか。」
「来んの遅いわ~! あれ高橋サンの服エロない?」
「でしょ~! 僕がプレゼントしたんだよ。みんなに見て欲しくなくて上着貸したんだけど脱いじゃったから。」
この人たちは何を言っているのか。こんな服着るんじゃなかった、と後悔してももう遅い。
「お、男は胸しか興味がないのですわね!」
「かなちゃんが汚れる!」
2人はお互いの胸を見てため息をついた。大丈夫だよ、まだ中一だから成長するよ。私の隣で菊池くんは顔を真っ赤にしている。初心だなあ。東堂としゅんにも見習って欲しいよ。花京院くんは相変わらず表情が読めない。
みんなでゲームをしていると不意にノックがした。菊池くんのご両親かな?
「失礼致します。昼食の準備が整いましたがお待ちしましょうか?」
「いや、食堂に行くから並べておいてくれると助かる。」
ばあや、みたいな人がでてきた。これって現実? あ、乙女ゲームだからこの人たちがおかしいのか。
「菊池くん、御手洗かりてもいい?」
実はいつ行こうかとずっと迷っていた。人の家に来たら言い出せないんだよね。
「俺高橋に案内するから登場人物頼む。」
「おっけー。ほな、みんな行こか」
菊池くんと2人きりってなぜか緊張する。でも、なぜか安心もする。なんだろこの矛盾。あ、そうだ小学生の頃仲良かったひなたくんと雰囲気が似てるんだ。全然性格は違うけど……。
「やっと思い出したか」
「え?」
もしかして口に出てた……?
「俺の名前覚えてるか?」
「え、ひなたくんでしょ? あっ……。」
「そう。お前の知ってるひなたは俺。」
「えぇ!? 男の子に茶化されて泣いてた日向くん!?」
「うるせぇ! そんなに泣いてねえわ! でも、またかなと会えてよかった。」
すっごい目を釣りあげて怒っていたのに急に優しく微笑むからつい、ドキッとしてしまった。
でも、ひなたくんは遊ぶ時集合場所にしてた公園に来なくなったのだ。私のことが嫌いになったのかと悩み、一週間以上心にすっぽり穴があいたような虚無感に襲われていた。
「先にトイレいけよ。出てきたら話すから。ちょっと整理する。」
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
乱れ狂う花
よみ
BL
・オメガバースbl
・一族から監禁調教される青年
・過激なSM
主人公はごく平凡なβの大学生の男子。
男で一つで育ててくれたΩの父親と2人で暮らしている。
βとして穏やかに暮らしていたが、大学で出会った父親とよく似ている先生と出会い人生と性の歯車が狂ってくる。
注意
・blですが、女性との絡みもあり
・主人公はβからΩになります
・なんでも許せる方だけお読みください
・近親相姦
【完結】※R18 熱視線 ~一ノ瀬君の瞳に囚われた私~
キリン
恋愛
心に古傷を持つ三十路の拗らせ系社畜OLが、同じ部署の仔犬系年下男子に囚われてしまうお話。
※以前公開していたものを全話改稿し、文字数を調整致しました。
お気に入り登録やしおり機能を利用して下さっていた皆様、大変申し訳ありません。
過去投稿分は、朝と夕7時に、二話ずつ公開致していきます。近日中に完結する予定です。
※R15には米印を一つ、R18には米印を二つつけました。
※この作品はムーンライト様の方でも公開しております。
【完結】もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
ぽっちゃりさんが通る【R18】
ちよこ
恋愛
世間はぽっちゃりブーム。
それって本当?
現実世界の話?
ぽっちゃり人生26年の富永美紀は、困っていたが、誰も助けてくれない。
世間はデブに厳しいな…と悲観していたら、やっと親切な声がしたので見上げると。。。
完結しました。
ご都合ゆるフワ3作目です。
宜しくお願いします!
**2019年2月22日**
編集中に削除してしまいました。
感想を書いて頂いた方、お気に入りに登録して頂いた方、大変申し訳ありません!!
ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
椿蛍
恋愛
大企業宮ノ入グループで働く木村有里26歳。
ネトゲが趣味(仕事)の平凡な女子社員だったのだが、沖重グループ社長の社長秘書に抜擢され、沖重グループに出向になってしまう。
女子社員憧れの八木沢社長と一緒に働くことになった。
だが、社長を狙っていた女子社員達から嫌がらせを受けることになる。
社長は有里をネトゲから引き離すことができるのか―――?
※途中で社長視点に切り替わりあります。
※キャラ、ネトゲやゲームネタが微妙な方はスルーしてください。
★宮ノ入シリーズ第2弾
★2021.2.25 本編、番外編を改稿しました。
強引な初彼と10年ぶりの再会
矢簑芽衣
恋愛
葛城ほのかは、高校生の時に初めて付き合った彼氏・高坂玲からキスをされて逃げ出した過去がある。高坂とはそれっきりになってしまい、以来誰とも付き合うことなくほのかは26歳になっていた。そんなある日、ほのかの職場に高坂がやって来る。10年ぶりに再会する2人。高坂はほのかを翻弄していく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる