4 / 36
中学生編
3.
しおりを挟む
「高橋さん庶民でしたのね」
「そうだよ。相澤さんがお嬢様なんだね。はじめて出会ったよ私。」
金持ちの知り合いなんて初めてだ。周りは私と同じくらいの家庭の子ばっかりだしね。
「えぇ。それより……」
何故かモジモジしだした相澤さん。顔を赤くしてるけど私が不審者だったら誘拐してるよ。ほんとに。
「れいな、って呼んで下さらないかしら? ……い、嫌だったらいいんですの!」
「れいな、私のことはかなって呼んでね。あ、ここで大丈夫だよ。送ってくれてありがとう。また明日ね。」
「い、いえ! また明日」
小さく手を振ってくれた。うーん、普通にいい子なのかなあ。ちょっと悪役令嬢だったり? とか思ったんだけどそんな感じしないな。ちょっと気が強いだけで、ツンデレなのかな。私にも優しくしてくれてるし。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
翌日。私が異世界から戻ることはなかった。でも、異世界という実感はまるでない。剣や魔法の世界ではないし、何より私の家族がいるから。それが不思議なんだよね。
異世界から戻れてないと思ったのには理由がある。外に出るとれいながいたからだ。あかりではなくれいなが。
「待っていましたわ。一緒に行きましょう?」
「あれ、約束してた? ごめん待たせたよね」
私待つのはいいんだけど人に待たせるのは苦手なんだよね。本当申し訳ない。
「友達なら登下校は当たり前ですわ。」
そんなの初耳なんだけど。
「歩いていかない? れいなともゆっくり話したいし。」
「それなら仕方ありませんわ。清水」
「はい、いってらっしゃいませ。」
中から執事らしき人がでてきた。この人もイケメンだ。イケメン恐怖症になりそうだ。やっぱり金持ちと庶民は違うんだな。
道は清水さんが案内してくれた。私が道を覚えてるか不安だとれいなに伝えたからだ。
「清水さん急にすみませんでした。ありがとうございます。」
「いえいえ、それより帰りはどうなさいますか?」
「車でお願い。えっと……かなも」
「いいの? ありがとう」
一緒に帰るのはいいんだけど毎回送って貰うのは悪い気もする。しかも出会ってそんなに経ってないし。手作りクッキーでも渡そうかな。口に合うかどうか分からないけど。なにもしないよりはいいよね。
後ろで昨日聞いた黄色い歓声が。振り返るとそこに居たのはあかりとイケメン四人たち。そこから一人の男子とあかりが私たちの元へ走ってきた。
「あれ? 昨日あかりといた子だよね? なんでれいなといるの?」
質問の多い人だな。それより誰ですかこのイケメンは。二日でファンできたの? あかりに見つめられたがなんとなく気まずくて目線を下に落とした。
「私のいとこの水瀬しゅんですわ。」
「よろしくね~」
よろしくしたくないんですけど。イケメンと関わったらダメなんだってば。とりあえず無言で頷いた。こんな美形に挟まれてたら私の顔なんか点だよ。線かもしれないけど。
「そうだよ。相澤さんがお嬢様なんだね。はじめて出会ったよ私。」
金持ちの知り合いなんて初めてだ。周りは私と同じくらいの家庭の子ばっかりだしね。
「えぇ。それより……」
何故かモジモジしだした相澤さん。顔を赤くしてるけど私が不審者だったら誘拐してるよ。ほんとに。
「れいな、って呼んで下さらないかしら? ……い、嫌だったらいいんですの!」
「れいな、私のことはかなって呼んでね。あ、ここで大丈夫だよ。送ってくれてありがとう。また明日ね。」
「い、いえ! また明日」
小さく手を振ってくれた。うーん、普通にいい子なのかなあ。ちょっと悪役令嬢だったり? とか思ったんだけどそんな感じしないな。ちょっと気が強いだけで、ツンデレなのかな。私にも優しくしてくれてるし。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
翌日。私が異世界から戻ることはなかった。でも、異世界という実感はまるでない。剣や魔法の世界ではないし、何より私の家族がいるから。それが不思議なんだよね。
異世界から戻れてないと思ったのには理由がある。外に出るとれいながいたからだ。あかりではなくれいなが。
「待っていましたわ。一緒に行きましょう?」
「あれ、約束してた? ごめん待たせたよね」
私待つのはいいんだけど人に待たせるのは苦手なんだよね。本当申し訳ない。
「友達なら登下校は当たり前ですわ。」
そんなの初耳なんだけど。
「歩いていかない? れいなともゆっくり話したいし。」
「それなら仕方ありませんわ。清水」
「はい、いってらっしゃいませ。」
中から執事らしき人がでてきた。この人もイケメンだ。イケメン恐怖症になりそうだ。やっぱり金持ちと庶民は違うんだな。
道は清水さんが案内してくれた。私が道を覚えてるか不安だとれいなに伝えたからだ。
「清水さん急にすみませんでした。ありがとうございます。」
「いえいえ、それより帰りはどうなさいますか?」
「車でお願い。えっと……かなも」
「いいの? ありがとう」
一緒に帰るのはいいんだけど毎回送って貰うのは悪い気もする。しかも出会ってそんなに経ってないし。手作りクッキーでも渡そうかな。口に合うかどうか分からないけど。なにもしないよりはいいよね。
後ろで昨日聞いた黄色い歓声が。振り返るとそこに居たのはあかりとイケメン四人たち。そこから一人の男子とあかりが私たちの元へ走ってきた。
「あれ? 昨日あかりといた子だよね? なんでれいなといるの?」
質問の多い人だな。それより誰ですかこのイケメンは。二日でファンできたの? あかりに見つめられたがなんとなく気まずくて目線を下に落とした。
「私のいとこの水瀬しゅんですわ。」
「よろしくね~」
よろしくしたくないんですけど。イケメンと関わったらダメなんだってば。とりあえず無言で頷いた。こんな美形に挟まれてたら私の顔なんか点だよ。線かもしれないけど。
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
氷獄の中の狂愛─弟の執愛に囚われた姉─
イセヤ レキ
恋愛
※この作品は、R18作品です、ご注意下さい※
箸休め作品です。
がっつり救いのない近親相姦ものとなります。
(双子弟✕姉)
※メリバ、近親相姦、汚喘ぎ、♡喘ぎ、監禁、凌辱、眠姦、ヤンデレ(マジで病んでる)、といったキーワードが苦手な方はUターン下さい。
※何でもこい&エロはファンタジーを合言葉に読める方向けの作品となります。
※淫語バリバリの頭のおかしいヒーローに嫌悪感がある方も先に進まないで下さい。
注意事項を全てクリアした強者な読者様のみ、お進み下さい。
溺愛/執着/狂愛/凌辱/眠姦/調教/敬語責め
女の子がひたすら気持ちよくさせられる短編集
春
恋愛
様々な設定で女の子がえっちな目に遭うお話。詳しくはタグご覧下さい。モロ語あり一話完結型。注意書きがない限り各話につながりはありませんのでどこからでも読めます。pixivにも同じものを掲載しております。
【R18】短編集【更新中】調教無理矢理監禁etc...【女性向け】
笹野葉
恋愛
1.負債を抱えたメイドはご主人様と契約を
(借金処女メイド×ご主人様×無理矢理)
2.異世界転移したら、身体の隅々までチェックされちゃいました
(異世界転移×王子×縛り×媚薬×無理矢理)
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
義弟の舌
志貴野ハル
恋愛
新婚でありながら単身赴任中の夫に、心身を病んでしまった義弟の世話を任された「私」。
一、二年目は何度か帰ってきてくれた夫は、三年目になると帰ってこないという。
変わり映えのない日常の中でふと義弟と話す機会があり、それをきっかけに二人の仲があらぬ方向へ変化していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる