55 / 62
五十三話 感動の対面?
しおりを挟む
「ちょっとその剣、貸してくれませんか?」
「……何に使うつもりだ」
一歩距離を取るルーファス陛下に詰め寄る。ちょっとでいい、少しでいい。ほんのわずかの間でいい。それだけですべて終わる。
誰かが罪を被ることなく、誰かが傷つくことなく、終わることができる。
「本当にちょっと、ほんのちょっとでいいんです。大丈夫です。瞬きをする間もなく終わらせてみせますから」
「それを俺が許すはずがないだろう。二度と殺せと言うなと言ったのを覚えていないのか」
「覚えていますけど、殺せとは言っていませんよ。私がちょっと使うだけなので、自分の手でやるだけなので、ルーファス陛下の手を煩わせたりはしませんから安心してください」
「だから……そういうことを言うなという意味だ!」
ぴりぴりと耳をつんざく怒声に、瞬きを繰り返す。
殺せ殺せと言われるのが面倒だから嫌になったのだとばかり思っていた。ならつまり、どういうことだ。
首を傾げる私に、ルーファス陛下はうんざりだと言わんばかりに片手で自らの顔を覆った。
「どうしてそう、お前は死にたがる……。母のためであることは理解しているが、誰がそれをお前に望んだ。母がお前に死ねと、そう言ったのか」
「いえ、そういうわけではないですけど……いなければ、と言われたことはありますよ。でも生まれてきたことは変えられないので、なら死ぬしかないかな……と」
あなたさえいなければ。
あの人と幸せになれたのに。
繰り返されたお母さまの声は、今も覚えている。お母さまの流した涙も、お母さまの漏らした呻き声も、お母さまの苦しむ顔も、すべてすべて、私の中にある。
そのすべてが、私に死ねと言ってくる。死ねば喜ぶのだと教えてくれている。
「だから、死ねば笑ってくれるって、そう思っただけです」
「はっきりとそう言われたわけではないのだろう。ならばお前が死んで誰が笑う。誰が喜ぶ。悲しむかもしれないと、どうして思わない!」
怒鳴りながら顔をしかめるルーファス陛下に、頭が追いつかない。どうしてこの人が苦しそうな顔をしているのかもわからない。
だってお母さまは私のことを恨んでいた。悲しむなんて、思うはずがない。喜んでくれるはずだってずっと思っていた。
ああ、だけどあのひとは、私がお母さまのもとに行っても喜ばないと、そう言っていたっけ。
混乱する中で、ルーファス陛下のものでも、私のものでもない笑い声が響いた。
「……少なくとも、私は喜ぶだろうな。忌々しい娘が目の前から消えるのだから、嬉しくないはずがない。母のためではなく、父のために死んでみたらどうだ」
王様にとって私は汚点であり、王妃様の間に滴った毒。それがいなくなれば、たしかに清々するだろう。
玉座に頬をつき、余興を見るような眼差しをこちらに向ける王様に、私よりも早くルーファス陛下が鞘から剣を抜いた。
「ならば貴様が死んでみるか」
「いやいやいや! 駄目ですよ!」
どうしてそう簡単に剣を抜くのか。私が望んだときはまったく抜く気配すら見せなかったのに。
必死に止める私に、ルーファス陛下が胡乱な目を向ける。
「何故止める。あのような王、いなくなるほうが国のためだろう」
「それは……え、ええと」
あのひとは、神を殺せる剣を扱えるのは唯人だけだと言っていた。それ以外が剣を使えば、神の怒りを買うと言っていた。
だけど本当に、そうだろうか。唯人は始祖を持つ人を崇めている。崇める存在を殺すことを、神様は許すだろうか。崇められる存在である神様が。
怒るほどではなくても、気に障るぐらいはするんじゃないだろうか。
宝石を守った青年は欲深い王様を倒したあと、どうなった。めでたしめでたしで終わってはいない。
青年は王になり、他国を攻め、息子に殺された。
宝石を守るために得た剣で、必要もないのに他の王を殺した。それは、狂ったと言えるのではないか。
良心の呵責によるものなのか、主君を殺したからなのかはわからない。だけどもしも、始祖を持つ者を殺した先に待つのが狂気ならば――ルーファス陛下に王様を殺させるわけにはいかない。
「だ、だって! 私が殺したいからです!」
呆けた顔をするルーファス陛下に、思わずごまかすように笑って返す。
口を衝いて出てきただけだったけど、ある意味これは妙案なのではないだろうか。
殺したいと、埋められる前に思ったのは間違いない。ただそうすることができなかっただけで。
だけど目の前に殺す手段があり、殺した先で神の怒りがあるのなら、私も死ねるし万々歳だ。
「だから、ルーファス陛下自ら殺すことはありません。私がやりますから」
「……駄目だ。お前に使うのだろうと、あの王に使うのだろうと、この剣を渡すつもりはない」
「頑固な人ですね!」
「頑固なのはお前のほうだろう。いい加減、諦めろ」
剣に手を伸ばすが、するりと避けられる。そんなことを何回か繰り返していると、王様が呆れたように玉座を指で叩いた。
「用が終わったのなら、アルテシラを返してもらおうか」
「それならば――もうすぐ到着するはずだ」
ルーファス陛下の声に呼応するかのように、厳かな扉が開かれる。
ヴィルヘルムさんが扉を抜け、そのあとでお姫様が姿を見せた。首に鎖が巻かれた姿で。
「アルテシラ……!?」
王様の余裕綽々といった顔が崩れ、絶対に動くものかと言わんばかりに座っていた体が立ち上がる。
怒りに満ちた眼差しが、私とルーファス陛下。それから鎖を持つヴィルヘルムさんに向けられた。
「お待たせいたしました。遅くなり申し訳ございません」
だけど王様の怒りなんて気にしていないのか、ヴィルヘルムさんはのんびりとした様子でルーファス陛下に話しかけている。
そんな態度が気に食わなかったのだろう。王様は顔をしかめ、ヴィルヘルムさんを睨みつけた。
「貴様ら、アルテシラに不当な扱いをしてただで済むと思っているのか」
「我々の王妃様に不当な扱いをしたのはそちらではありませんか。敵対するつもりであれば、捕虜がどのような扱いをされても文句は言えないかと。無傷で返してほしいのでしたら、それ相応の態度を見せるべきだったのではないでしょうか」
「アルテシラを連れ出しておきながら、減らず口を」
「勝手に来られて困っていたのはこちらですよ。不法入国、王妃の拉致、罪人との共謀。彼女だけでもこれほどの罪があるのですから……敵対する国に帰して法の裁きを待つ必要はないと判断するところを、こうして連れてきて差し上げただけ感謝していただきたいところです」
はいどうぞ、と言いながらヴィルヘルムさんがお姫様を投げ捨てる。文字通り、抱えてぽいっと。
床に転がるお姫様に王様が駆け寄り、優しく彼女の体を抱き起こした。労わるその姿に、本当にこの人にとって私はもちろん、お母さまも価値がなかったのだと思い知らされる。
「お、お父様、私、私……違うの、こんなつもりではなかったの」
「いい。みなまで言うな。こうして私のもとに帰ってきたのだから、それでいい」
涙を流すお姫様と優しい眼差しを向ける王様。感動的な場面に、どんな顔をしていいのかわからない。涙すればいいのか、笑えばいいのか。
だけどそんなのんきな考えは、王様の「だが」という低い声に遮られた。
「貴様らを許すつもりはない」
そう言って、懐から小瓶を取り出した。青い液体の入った、小さな瓶。それが王様の手を離れ床に落ち、砕ける。
つんとした匂いが鼻につく。喉がからからに乾いたような渇きを覚える。
色、匂い、渇き。王様が取り出したそれは、私の作った毒だ。
「……何に使うつもりだ」
一歩距離を取るルーファス陛下に詰め寄る。ちょっとでいい、少しでいい。ほんのわずかの間でいい。それだけですべて終わる。
誰かが罪を被ることなく、誰かが傷つくことなく、終わることができる。
「本当にちょっと、ほんのちょっとでいいんです。大丈夫です。瞬きをする間もなく終わらせてみせますから」
「それを俺が許すはずがないだろう。二度と殺せと言うなと言ったのを覚えていないのか」
「覚えていますけど、殺せとは言っていませんよ。私がちょっと使うだけなので、自分の手でやるだけなので、ルーファス陛下の手を煩わせたりはしませんから安心してください」
「だから……そういうことを言うなという意味だ!」
ぴりぴりと耳をつんざく怒声に、瞬きを繰り返す。
殺せ殺せと言われるのが面倒だから嫌になったのだとばかり思っていた。ならつまり、どういうことだ。
首を傾げる私に、ルーファス陛下はうんざりだと言わんばかりに片手で自らの顔を覆った。
「どうしてそう、お前は死にたがる……。母のためであることは理解しているが、誰がそれをお前に望んだ。母がお前に死ねと、そう言ったのか」
「いえ、そういうわけではないですけど……いなければ、と言われたことはありますよ。でも生まれてきたことは変えられないので、なら死ぬしかないかな……と」
あなたさえいなければ。
あの人と幸せになれたのに。
繰り返されたお母さまの声は、今も覚えている。お母さまの流した涙も、お母さまの漏らした呻き声も、お母さまの苦しむ顔も、すべてすべて、私の中にある。
そのすべてが、私に死ねと言ってくる。死ねば喜ぶのだと教えてくれている。
「だから、死ねば笑ってくれるって、そう思っただけです」
「はっきりとそう言われたわけではないのだろう。ならばお前が死んで誰が笑う。誰が喜ぶ。悲しむかもしれないと、どうして思わない!」
怒鳴りながら顔をしかめるルーファス陛下に、頭が追いつかない。どうしてこの人が苦しそうな顔をしているのかもわからない。
だってお母さまは私のことを恨んでいた。悲しむなんて、思うはずがない。喜んでくれるはずだってずっと思っていた。
ああ、だけどあのひとは、私がお母さまのもとに行っても喜ばないと、そう言っていたっけ。
混乱する中で、ルーファス陛下のものでも、私のものでもない笑い声が響いた。
「……少なくとも、私は喜ぶだろうな。忌々しい娘が目の前から消えるのだから、嬉しくないはずがない。母のためではなく、父のために死んでみたらどうだ」
王様にとって私は汚点であり、王妃様の間に滴った毒。それがいなくなれば、たしかに清々するだろう。
玉座に頬をつき、余興を見るような眼差しをこちらに向ける王様に、私よりも早くルーファス陛下が鞘から剣を抜いた。
「ならば貴様が死んでみるか」
「いやいやいや! 駄目ですよ!」
どうしてそう簡単に剣を抜くのか。私が望んだときはまったく抜く気配すら見せなかったのに。
必死に止める私に、ルーファス陛下が胡乱な目を向ける。
「何故止める。あのような王、いなくなるほうが国のためだろう」
「それは……え、ええと」
あのひとは、神を殺せる剣を扱えるのは唯人だけだと言っていた。それ以外が剣を使えば、神の怒りを買うと言っていた。
だけど本当に、そうだろうか。唯人は始祖を持つ人を崇めている。崇める存在を殺すことを、神様は許すだろうか。崇められる存在である神様が。
怒るほどではなくても、気に障るぐらいはするんじゃないだろうか。
宝石を守った青年は欲深い王様を倒したあと、どうなった。めでたしめでたしで終わってはいない。
青年は王になり、他国を攻め、息子に殺された。
宝石を守るために得た剣で、必要もないのに他の王を殺した。それは、狂ったと言えるのではないか。
良心の呵責によるものなのか、主君を殺したからなのかはわからない。だけどもしも、始祖を持つ者を殺した先に待つのが狂気ならば――ルーファス陛下に王様を殺させるわけにはいかない。
「だ、だって! 私が殺したいからです!」
呆けた顔をするルーファス陛下に、思わずごまかすように笑って返す。
口を衝いて出てきただけだったけど、ある意味これは妙案なのではないだろうか。
殺したいと、埋められる前に思ったのは間違いない。ただそうすることができなかっただけで。
だけど目の前に殺す手段があり、殺した先で神の怒りがあるのなら、私も死ねるし万々歳だ。
「だから、ルーファス陛下自ら殺すことはありません。私がやりますから」
「……駄目だ。お前に使うのだろうと、あの王に使うのだろうと、この剣を渡すつもりはない」
「頑固な人ですね!」
「頑固なのはお前のほうだろう。いい加減、諦めろ」
剣に手を伸ばすが、するりと避けられる。そんなことを何回か繰り返していると、王様が呆れたように玉座を指で叩いた。
「用が終わったのなら、アルテシラを返してもらおうか」
「それならば――もうすぐ到着するはずだ」
ルーファス陛下の声に呼応するかのように、厳かな扉が開かれる。
ヴィルヘルムさんが扉を抜け、そのあとでお姫様が姿を見せた。首に鎖が巻かれた姿で。
「アルテシラ……!?」
王様の余裕綽々といった顔が崩れ、絶対に動くものかと言わんばかりに座っていた体が立ち上がる。
怒りに満ちた眼差しが、私とルーファス陛下。それから鎖を持つヴィルヘルムさんに向けられた。
「お待たせいたしました。遅くなり申し訳ございません」
だけど王様の怒りなんて気にしていないのか、ヴィルヘルムさんはのんびりとした様子でルーファス陛下に話しかけている。
そんな態度が気に食わなかったのだろう。王様は顔をしかめ、ヴィルヘルムさんを睨みつけた。
「貴様ら、アルテシラに不当な扱いをしてただで済むと思っているのか」
「我々の王妃様に不当な扱いをしたのはそちらではありませんか。敵対するつもりであれば、捕虜がどのような扱いをされても文句は言えないかと。無傷で返してほしいのでしたら、それ相応の態度を見せるべきだったのではないでしょうか」
「アルテシラを連れ出しておきながら、減らず口を」
「勝手に来られて困っていたのはこちらですよ。不法入国、王妃の拉致、罪人との共謀。彼女だけでもこれほどの罪があるのですから……敵対する国に帰して法の裁きを待つ必要はないと判断するところを、こうして連れてきて差し上げただけ感謝していただきたいところです」
はいどうぞ、と言いながらヴィルヘルムさんがお姫様を投げ捨てる。文字通り、抱えてぽいっと。
床に転がるお姫様に王様が駆け寄り、優しく彼女の体を抱き起こした。労わるその姿に、本当にこの人にとって私はもちろん、お母さまも価値がなかったのだと思い知らされる。
「お、お父様、私、私……違うの、こんなつもりではなかったの」
「いい。みなまで言うな。こうして私のもとに帰ってきたのだから、それでいい」
涙を流すお姫様と優しい眼差しを向ける王様。感動的な場面に、どんな顔をしていいのかわからない。涙すればいいのか、笑えばいいのか。
だけどそんなのんきな考えは、王様の「だが」という低い声に遮られた。
「貴様らを許すつもりはない」
そう言って、懐から小瓶を取り出した。青い液体の入った、小さな瓶。それが王様の手を離れ床に落ち、砕ける。
つんとした匂いが鼻につく。喉がからからに乾いたような渇きを覚える。
色、匂い、渇き。王様が取り出したそれは、私の作った毒だ。
10
お気に入りに追加
332
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
異世界の花嫁?お断りします。
momo6
恋愛
三十路を過ぎたOL 椿(つばき)は帰宅後、地震に見舞われる。気付いたら異世界にいた。
そこで出逢った王子に求婚を申し込まれましたけど、
知らない人と結婚なんてお断りです。
貞操の危機を感じ、逃げ出した先に居たのは妖精王ですって?
甘ったるい愛を囁いてもダメです。
異世界に来たなら、この世界を楽しむのが先です!!
恋愛よりも衣食住。これが大事です!
お金が無くては生活出来ません!働いて稼いで、美味しい物を食べるんです(๑>◡<๑)
・・・えっ?全部ある?
働かなくてもいい?
ーーー惑わされません!甘い誘惑には罠が付き物です!
*****
目に止めていただき、ありがとうございます(〃ω〃)
未熟な所もありますが 楽しんで頂けたから幸いです。
貴方の子どもじゃありません
初瀬 叶
恋愛
あぁ……どうしてこんなことになってしまったんだろう。
私は眠っている男性を起こさない様に、そっと寝台を降りた。
私が着ていたお仕着せは、乱暴に脱がされたせいでボタンは千切れ、エプロンも破れていた。
私は仕方なくそのお仕着せに袖を通すと、止められなくなったシャツの前を握りしめる様にした。
そして、部屋の扉にそっと手を掛ける。
ドアノブは回る。いつの間にか
鍵は開いていたみたいだ。
私は最後に後ろを振り返った。そこには裸で眠っている男性の胸が上下している事が確認出来る。深い眠りについている様だ。
外はまだ夜中。月明かりだけが差し込むこの部屋は薄暗い。男性の顔ははっきりとは確認出来なかった。
※ 私の頭の中の異世界のお話です
※相変わらずのゆるゆるふわふわ設定です。ご了承下さい
※直接的な性描写等はありませんが、その行為を匂わせる言葉を使う場合があります。苦手な方はそっと閉じて下さると、自衛になるかと思います
※誤字脱字がちりばめられている可能性を否定出来ません。広い心で読んでいただけるとありがたいです
転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか
青波明来
恋愛
覚えているのは乱立するビルと車の波そして沢山の人
これってなんだろう前世の記憶・・・・・?
気が付くと赤ん坊になっていたあたし
いったいどうなったんだろ?
っていうか・・・・・あたしを抱いて息も絶え絶えに走っているこの女性は誰?
お母さんなのかな?でも今なんて言った?
「お嬢様、申し訳ありません!!もうすぐですよ」
誰かから逃れるかのように走ることを辞めない彼女は一軒の孤児院に赤ん坊を置いた
・・・・・えっ?!どうしたの?待って!!
雨も降ってるし寒いんだけど?!
こんなところに置いてかれたら赤ん坊のあたしなんて下手すると死んじゃうし!!
奇跡的に孤児院のシスターに拾われたあたし
高熱が出て一時は大変だったみたいだけどなんとか持ち直した
そんなあたしが公爵家の娘?
なんかの間違いです!!あたしはみなしごの平凡な女の子なんです
自由気ままな平民がいいのに周りが許してくれません
なので・・・・・・逃げます!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる